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[UFC290] マネル・ケイプ VS. デイブソン・フィゲイレード

RIZINでベルト巻き、UFCへと移ったマネル・ケイプはデビュー戦で躓き、自身の管理問題や相手のキャンセルなどで試合の機会を失うことが度々あった。

前戦も相手選手のキャンセルによって試合がなくなってしまったケイプだが、そんな彼に大きなチャンスが舞い込んだ。

それは前フライ級王者であるデイブソン・フィゲイレードとの一戦。

現王者ブランドン・モレノとその王座を巡って激闘を繰り広げていたUFCフライ級のトップ選手と試合を行うチャンスを得たのである。

上位ランカーとの勝負を一気に飛ばして、いきなりランキングトップの選手と勝負することができる機会を得たケイプは、これまでの歩みの重さを払拭することができるレベルの大きな獲物を相手取る。

もしケイプがこの戦いに勝てば、その先にタイトルマッチが見えてくる。

世界のトップにいきなり手を掛けることが出来るようになるのだ。

現王者のモレノもアレクサンドル・パントーハとのタイトルマッチを控えているので、その勝敗によってネクストチャレンジャーが挑む相手は変わるとは思うが、フィゲイレードを超えればトップコンテンダーである資格を証明することにはなるだろう。

RIZINで圧倒的な強さを見せつけたイリー・プロハースカのように、RIZINから移籍した選手でUFCのタイトル獲得に成功する選手となることはできるのだろうか。

恐らくフィジカルでケイプが大きく負けることはないだろうし、一発はフィゲイレードの方が上だとしても打ち合うことが出来るだけのパンチもある。

また、挑戦するケイプの方が今回の一戦で得るものが多く、失うものは比較的に少ないと思うので思い切り良く試合に臨んでいくことが出来るのではないかと思う。

ただそういった要素を持ってしても相手はあのフィゲイレードなので簡単にはいかないとは思う。

しかしフィゲイレードは減量に不安を抱えている上にダメージの蓄積もあると思うので、スタンド・ストライキングの勝負になれば思っているほどの大きな差は生まれない可能性もある。

差が出るとすれば寝技のスキルになるのではないだろうか。

けれどUFCで戦績を重ねたケイプが消耗もない状態で簡単にテイクダウンを許し、背中をつかされた挙句トップコントロールされ続けてしまうかどうかは怪しいところである。

考えられるとすれば打撃で効かされてグラウンドの展開に入ってしまうパターンではないだろうか。

そうなってしまうと非常に部が悪くなると思うので、ケイプは試合を通してフィゲイレードからビッグショットをもらってはいけない。

その状況下で攻め込んでいく、という困難な作業を行わなくてはならないので、足を殺すなりしてフィゲイレードから攻撃力を奪う必要があるだろう。

モレノ VS. フィゲイレード3でフィゲイレードが見せたような試合運びを狙っていく必要があるように思う。

しかし、当然フィゲイレードもそれを考え且つ警戒しているとは思うので、そう簡単にはいかないだろう。

ただケイプは勝てば大儲け、負けても大きく評価は下がらないだろうと思うので、大胆に攻めてフィゲイレードのリズムを崩していくのも一つ手であるように思える。

ケイプにとって勝てば大金星という大一番。

フライ級で彼の実力が現在どの程度のところにあるのか改めて確認することが出来る戦いにもなる。

現在のランキングから再び遠い王座を追うことになるのか、一気にベルトの近くまで駆け上がることになるのか。

勝敗によってその先の道のりは大きく変わる。

その大チャンスをケイプはものにすることが出来るのだろうか。

個人的には日本で活躍したケイプが日本人のスター選手である平良達郎と戦うところも見てみたい。

ランキングの下位でも上位でもその一戦が実現すれば日本人にとってはとても興味深い一戦となるだろう。

そんな先のストーリーにも結びついていく要素を持つフライ級のビッグマッチ。

ケイプが自身の価値を世界に示しフィゲイレードをバンタム級へ送り出すことになるのか、それともフィゲイレードがフライ級トップの実力をハッキリと示しケイプの躍進を潰して自身のアピールの場へと変えてしまうのか。

結果によってはフライ級が大きく動くことになる一戦。

軽量級のファイターの活躍が中心となる日本の1ファンとしてはメインイベント級に注目できるカードでもあるので、その開催を楽しみ待ちたいと思う。



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