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[RTU] 総合力を支える、突出した技術の重要性

先週末に行われたROAD TO UFCで鶴屋怜・神田コウヤ・上久保周哉・原口伸の4選手が決勝進出を目指してアジアの強豪と試合を行った。

結果としてトーナメントに生き残ったのはフライ級の鶴屋怜ライト級の原口伸だけとなった。

試合を見ていて感じたこの二人の共通点は、抜群の安定感を持つ強固なスキルを保持していることだった。

鶴屋・原口ともに組みのスキルに秀でている上に、スタンドも雑にならずに戦うことが出来るので、安定した運びを実現することができる。

突出したスキルを保持することで全体の総合力を底上げすることに成功しているように見えた。

上久保もグランド技術に長けた選手ではあるが、スタミナとスタンドの安定感に難があるので、テイクダウンを凌いだ上でアウトボクシングを展開されると一方的に削られる展開に陥り、スタミナも消耗しているとなると反応も落ちるのでダメージだけが嵩むことになってしまい、追い詰められる展開が目立った。

そのウィークポイントをカバー出来るだけの技術展開が成されているようには見えず、決勝進出には惜しくもあと一歩足りないような内容だった。

神田は強打を武器とするストライカーの攻撃に対する戦術展開までは良かったように見えたが、勝負を仕掛ける回数と純粋な手数があまりにも少なく、少し勿体無い敗退の仕方をしてしまったように見えた。

決勝の先にはUFC

トーナメントを勝ち上がった鶴屋怜と原口伸はUFCという世界最高峰の舞台への挑戦を目の前にしている。

ただそこに辿り着くためには最難関となる決勝の相手をクリアしなければならない。

鶴屋は中国のジー・ニウシュイ、原口は過去にUFCを経験しているロン・チューと対戦する。

今回の準決勝を振り返ると、やはり初戦で見せた鶴屋や原口のストロングポイントに対しては、かなりの対策が成されていたことがよく分かった。

彼らとぶつかる選手は恐らく、「そこさえ凌いでしまえば」と考えているに違いない。

実際その強みを対処されてしまうと勝率がグッと下がることになるのではないだろうかと思う。

鶴屋・原口両名の技術に対してさらなる警戒や対処法を構築される中で、これまでと同じ戦法を用いて決勝を切り抜けることは難しいだろうと思う。

彼らも同様に強みを活かすための工夫が求められるだろう。

特に大きな体格差が生まれるライト級の原口は、武器であるレスリングをより強力に活かすための展開作りを練る必要があるのではないかと感じている。

鶴屋は今回膝を痛めての出場だったようなので、万全の状態で臨めば再び強烈なサブミッションを披露することも可能かもしれない。

鶴屋怜には平良達郎に続くフライ級の戦士として、原口伸には新たな日本人ファイターとして猛者が集まるライト級への挑戦を実現して欲しいと思う。

ROAD TO UFCを通して新たな日本人のUFCファイターが誕生することを期待したい。


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