もう、終わったこと
2月上旬
○○:美羽帰ろー
美羽:今行くー
美羽:おまたせ
○○:バスに間に合わないよw
美羽:やばいじゃん
○○:急ぐよ!
美羽:まってよ
2人は急いでバス停に向かった
○○:あぶねー間に合った
美羽:はーはー
○○:席は空いてる!ラッキー
美羽:よかった...
○○:美羽おいで?
美羽:うん...
美羽:(あ、またあの人だ...1年前からずっといるんだよなぁ)
○○:俺は大学で音楽の勉強して有名になるんだ!
美羽:そうなんだ。
美羽:でも○○と離れたくないなぁ...
○○:ごめんなぁ
美羽:でもこの関係性は変わらないでしょ?
○○:当たり前でしょ?いわゆる遠距離恋愛になるだけだよ
美羽:そうだよね...
一年前のこの時間まではそう思っていたけど...
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1年前の今日
○○:美羽!バスに乗り遅れる!
美羽:まじ?やばい!
○○:走るよ!
美羽:分かった!
○○:あっぶな間に合った
美羽:はーはー
○○:席は空いてる!ラッキー
美羽:よかった...
○○:美羽おいで?
美羽:なに?窓側行けと?
○○:笑笑ごめんごめんよいっしょっと
美羽:ありがと
○○:おれは大学にいって音楽の勉強して有名になるんだ!
美羽:そうなんだ
○○:遠距離になっちゃうけど待っててくれる?
美羽:遠距離...になるだけか...そっか!それなら待ってられる!
○○:ありがと美羽
○○:あ、もう降りなきゃ...
美羽:あ、そうだね
○○:ばいばい
美羽:また明日!
バスが発車したその瞬間鈍いどん!という音と同時に強い揺れがバスを襲った
美羽が外を見てみるといつもはいるはずの○○がおらず運転手が慌ててバスを降りて行った.。
美羽も降りてみるとバスの前で倒れている○○が目に入った。
美羽はすぐに理解した。
さっきの音は○○がバスに轢かれた音だったんだ。
美羽:○○!わかる!?
○○:み...uご...め..n.な
美羽:○○馬鹿!寝るな!○○がいなくなったら私はどうなるの!?
○○:......
美羽:ねぇ!
美羽が必死に呼びかけていたら救急車のサイレンが聞こえてきた。
そのあとすぐに警察も到着して運転手に事情聴取を始めた。
○○は救急車に乗せられ病院まで運ばれた。
それまでの間私は○○のご両親に連絡したり高校に連絡したりと大変だった。
○○は先生の懸命な治療の末、命は助かったが植物状態で目を覚ます可能性は...ほぼないらしい...
3月末○○のご両親は決断した。
○○についている人工呼吸器を外すことを...
ご両親はこう語った「○○が苦しんでいるなら、外してあげて楽にしてあげたい」と
私はこれに反対はできなかった...
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現在、今でも私はバスに乗る時に○○が見えてしまう。
私の横で楽しそうに笑う彼の顔を思い出してしまう。
○○:美羽ももう俺のこと忘れて前に次に進んでね
美羽:そんなこと言わないで...
○○:今までありがとう幸せだったよ
美羽:泣
美羽は周りの目を気にせず泣いてしまった...
そして今日は○○がバスに轢かれて1年がたった
○○がいつも降りていたバス停で降りて○○に花を供えようと思ったらいつもバスに乗っているおじさんが手を合わせていた。
おじ:ごめんなさい....
美羽:え?
おじ:あなたの彼氏さんが轢かれた時にバスを運転していたのは私なんです。
あなたの彼氏さんの人生も、あなたの人生も壊してしまって申し訳ない。
おじさんは土下座して謝ってきた。
美羽:もういいんです。
もう、終わったんです。
私の中で彼は生きていますから。
美羽:私はこれから彼のためにも生きます。
あなたも彼のため。
大切な人のためにも生きてください。
私は花を供えて彼の家に向かった
終わり
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