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どうして人魚姫は岩にすわれるの?

今日は小さな疑問のお話です。

別にとるにたらない事なんだけど、ちょっと不自然、疑問に思う。これってよく考えたらおかしいよね?とか、ありえないよねとか思う事ってありますよね。だけどみんな指摘しないっていうか…。

ある日娘が何気なく言った事で、今までそういう指摘をする人に会ったこともなく、内容がけっこう的を得てるのでちょっとお話します。

わたしには娘がいますが、その娘が小学生高学年の時の話です。
図書館で娘が借りる本を選んでた時に「人魚姫」の絵本が目についてわたしは懐かしくてページをめくっていました。

すると自分の本を選び終えた娘がわたしの後ろからジーっとその本を見ていました。

そして図書館の帰り
「ねえ、小さいころからずーっと思ってたけどさ。人魚姫はどうしてあんな風に岩にすわれるんだろ?」
娘はさっき見た、人魚姫の絵でよくある「岩に腰かける人魚の絵」について言っていました。

「なんで?どこかおかしい?」
何が疑問なのか分からず私が聞くと
「あれじゃ、下半身の魚の部分に人間の足が入ってるとしか思えない。」
「え?」
「だってさ、膝のところで曲がってるじゃん。普通、魚の骨が入ってたらあんな風に曲がらないよ。あの曲がり方は人間の足だもん。ホントに魚の骨だったら岩に座るの難しいと思うけどな。」

考えた事はなかったけど確かにそうだなと思いました。

作者であるアンデルセンの故郷のデンマークには人魚姫の像(上の写真参照)がつくられてます。その写真を見てみると確かに岩に腰かけて座っている人魚姫なんですが、下半身はほとんど足になっていて魚っぽいのは足の先の部分だけになってます。

この像からいくと体の骨の理屈に合ってますが、その後このお話が広まると下半身をほとんど魚にしてこの銅像の姿だけシンボル的に残っていったのかな?とも思いました。

しかし子供の洞察力にも驚きました。全く気にしたこともなかったので。
「いつからそれ思ってたの?」
と聞くと
「覚えてないけど、初めてそんな絵を見たときだったから、かなり小さかったと思うよ。」

「へ~、確かに体の構造考えればあんたの言うことは合ってるよね。けど、ま、いいじゃないの、ご愛敬。理屈追求しなくてもさ、構図としてはあの絵はきれいじゃない?ファンタジーってそれでいいんだよ。
でも、あんたのその洞察力大切にしなさい。いいものだよ。」

と私が娘に言うと
「あはは、そうだね。」
と言って笑いました。


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