旅をきっかけに歴史の勉強を始める
旅が好きだ。
国内外問わず、まだ訪れたことのない土地を訪れるの経験には日常では味わえない魅力がある。
名所を巡り、地元の人々との会話を楽しみ、郷土料理を味わうことで、その土地の文化がぐっと身近に感じられるのだ。
旅はさまざまな経験をもたらしてくれるとともに、いろんなことを考えるきっかけになる。
旅を続ける中で、改めて「歴史を勉強したい」と感じ始めた。
旅先の観光名所は歴史上大切な場所であったり、その国の重要人物が何らかの目的を持って建てた建造物だったり、博物館や美術館の展示物が作られた目的や背景、すべてに歴史が関わっている。
旅をしていると、頭にこんな疑問が浮かんでくるが、観光地での説明文を一通り読むだけでは深く理解することができない。
旅行が歴史への興味を刺激するのは、直接その場所を訪れることで、その地域の文化や過去の出来事に触れられるからだろう。
歴史的な場所や建造物を目の前にすると、過去の人々の生活や出来事が現実に感じられ、それをより深く理解したくなるのだ。
歴史の流れの中におけるその地域独自の物語を知ることで、その場所への理解が深まり、旅の経験がより豊かなものになるではないだろうか。
そして、新しい発見が次の旅行への興味を引き起こすことになる。
例えば、マチュピチュ遺跡、アンコールワット、ギザのピラミッドの世界的に有名な3つの世界遺産。
これらの世界遺産がそれぞれいつ建造されたか、そして同時期の日本はどのような時代だったか、正確に答えられるだろうか。
正解は、マチュピチュ遺跡は15世紀、アンコールワットは少し遡って12世紀初頭、そして、ギザのピラミッドはギザのピラミッドは紀元「前」26世紀頃(クフ王のピラミッド)に建てられたものだ。
マチュピチュ遺跡もアンコールワットも素晴らしい遺跡だが、エジプトのピラミッドが圧倒的に古い、そして大きい(実際に訪れたらその大きさに圧倒される)。
日本人に人気のあるマチュピチュ遺跡はこの3つの中では最も新しいのだ。
ちなみにマチュピチュ遺跡が建造された15世紀、日本は室町時代。中央集権的な政治体制から地方大名が力を持つ分裂と内乱の時代へと移行している過渡期であり、文化的にも多様な発展を遂げていた時期であった。
時代をさかのぼってピラミッドが建造された紀元前3000年~4000年ころ、古代エジプト文明が繁栄を極めていたとき、日本はいまだ縄文時代で国家体制は何も整っておらず、文献による記録すら全く残っていない(当時の日本には文字自体が存在していなかった)。
日本史が文字による記録として残されるようになったのはかなり遅く、5世紀~7世紀ころからと言われている。
旅、そして人生の経験が増えるにつれて、今生きている世界がどのように形作られてきたのか、あらためて興味を覚えるようになった。
それと同時に、年齢を重ねるにつれ、人生が有限であるという儚さも感じるようになった。
たった一度しかない人生、できる限りいろいろな場所へ行き、新しい経験を積み重ねたい。
旅をより楽しく面白くするために、そして、限られた人生自体を充実した旅とするために、歴史を学び直すことにした。
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