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岸政彦・打越正行・上原健太郞・上間陽子『地元を生きる 沖縄的共同性の社会学』

 久々にがっつりした本を読みました。と言っても、中心は聞き書きだったので、そんなに重たくはなかったですが。ただ、内容はかなり
重かったです。
 この本を読んで、私の中の沖縄のイメージが100°くらい変わりました。
 一般的な内地の人が想像する、「なんくるないさー」みたいなゆったりしたイメージのエスノグラフィーは、4つのうち1つだけ。あとの3つは、想像と全然違っていました。
 特に衝撃を受けたのは、ヤンキーの子たちのその後。暴走族から建設業に移って行くんですが、この中での上下関係と暴力が、とにかく苛烈極まるんです。ヤンキーってどこもこんなのなの!?違うよね!?ってぐらいに激しい。読んでみないとこの衝撃は伝わらないと思います。
 もう1つ、セーフティネットからこぼれ落ちて、15歳で家出して春をひさいで生活してきた女の子のエスノグラフィーもかなり厳しかったです。
「今の沖縄」を知るために、読んでほしい一冊です。

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