マガジンのカバー画像

読書感想文

122
思うがまま感想を書き連ねています
運営しているクリエイター

記事一覧

仮面の告白 三島由紀夫

仮面の告白 三島由紀夫

GWだからといってしこたま酒を飲み、とっても陽気にnoteを書いてます。5月は子供の日〜で酒が飲めるぞ。飲める飲める飲めるぞ〜酒が飲めるぞ〜!あ、まだ4月だった!!

(フォロワーの皆様、本っ当にすみません…)

さてさて、三島由紀夫の「仮面の告白」を読み終わりました。今、「命売ります」を読んででいるところです。

大昔に「潮騒」と「金閣寺」を読んだきり、久しぶりに読む三島由紀夫でして。経歴につい

もっとみる
漫画 そうです、私が美容バカです

漫画 そうです、私が美容バカです

まんきつさんの漫画、「そうです、私が美容バカです」を読みました。

まんきつさんのお写真を拝見すると、本当に美しい方です。美魔女です。ご自身のアルコール依存症体験を題材にした漫画、「アル中ワンダーランド」を以前読んで面白かったので、購入してみました。

 美容に目覚めたきっかけ(男にフラレたのは外見がいけなかったのだと思い込む)、
外見のコンプレックス、使用している美容グッズ、さらには美容整形の体

もっとみる
谷崎潤一郎 人魚の嘆き

谷崎潤一郎 人魚の嘆き

この間ブックオフで110円で購入した谷崎潤一郎を読みました。

私は青空文庫ばかり読んでた時期がありまして、(今も読むんですけど)
「人魚の嘆き」と「魔術師」は青空文庫にはなかったなあ、読んだことないかも、と思いつい買ってしまったのです。

放蕩の限りを尽くして無気力になっている支那の貴公子が、オランダ人の人買いから買った人魚に恋をして逃げられるだけの話です。
こうして書くと、ただの滑稽無垢で意外

もっとみる
最近読んだ本の感想

最近読んだ本の感想

「リピート」乾くるみさん

 「イニシエーション・ラブ」が有名な乾くるみさん。知人から面白いと聞き、読んでみました。タイムリープミステリというものなのでしょうか。ネタバレ厳禁系です。
しょっぱなから「絶対に何かどんでん返しがある」という予感に満ちているので、続きが気になって一気読みしてしまいました。物語の進行に合わせて少しずつ伏線が回収されていくのですが、中盤からは先の展開がうっすら読めてしまうよ

もっとみる
読書感想 福井晴敏 終戦のローレライ

読書感想 福井晴敏 終戦のローレライ

フォローさせていただいている堀間善憲様のこちらの記事を拝読しまして、絶対に面白いに違いないと思い、中古本全4巻を購入しました。

 映画化もされた、原稿用紙2800枚に及ぶ超大作です。小説は長編になればなるほど、「この部分、いる…?」という箇所が出てくると思うのですが、この小説に限っては無駄だと思える描写が一つもなく、一文字も取りこぼすことなく真剣に読みました。

 ストーリーはwikipedia

もっとみる
文藝(第60回文藝賞受賞作品掲載)、別冊文藝春秋などを読む

文藝(第60回文藝賞受賞作品掲載)、別冊文藝春秋などを読む

今年も昨年に引き続き、公募に挑戦!などという目標を掲げているわりには、今年に入ってからまっっったく筆が進みません。

たぶん、今までの私だったら底力を無理やりひねくりだして何かしら書くんでしょうけども、今年の目標は今までだったら選ばない選択肢をあえて選ぶことなので、アイディアが降りてくるまで何もしないようにしています。

その間、色んな小説に目を通してみようと思い、純文学の雑誌などを読んだりしまし

もっとみる
読書感想 九段理江 東京都同情塔

読書感想 九段理江 東京都同情塔

九段理江さんの芥川賞受賞作品です。
全文掲載されている文藝春秋を立ち読みした際に、端正で読みやすい、流麗な文章を書く作家さんだなあ…凄いなあ…と思いました。

芥川賞選評や、ご本人のインタビュー記事も読みたかったので、結局購入してしまいました。

「AIが書いた小説」というフレーズが独り歩きしている印象ですが、実際には小説内に生成AIが出てくる場面にのみ、AIの文章が使われているに過ぎないんですよ

もっとみる
宮沢賢治 春と修羅

宮沢賢治 春と修羅

40年ほど前に公開された、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のアニメ映画がありまして、その映画のエンドロールでは何故か「春と修羅」の序章の一節が朗読されているのです。
(ちなみにそのアニメは原作に非常に忠実で、独特の世界観がいい感じに再現されています)

「春と修羅」は宮沢賢治の詩集です。青空文庫で第三集まで全て読めます。私はこの詩集の、アニメで朗読されている「序」の部分がものすごく好きなのです。

以下

もっとみる
読書感想 田辺聖子 ジョゼと虎と魚たち

読書感想 田辺聖子 ジョゼと虎と魚たち

Kindle Unlimitedで読み放題になっていたので昨晩読みました。ちなみに映画やアニメは見ていないです。映画も素敵みたいですね。(原作はかなり短いので、相当脚色が加えられているとは思いますが…)

この書籍は9つの恋愛短篇集です。やっぱり、表題作の「ジョゼと虎と魚たち」が一番良かったです。ガッツリ心を奪われました。

はじめて恋愛小説を読んで泣きました。(つっても私は恋愛小説はそんなに読ん

もっとみる
読書感想 全部叶う「新しい私」の教科書 KIKO

読書感想 全部叶う「新しい私」の教科書 KIKO

現実主義スピリチュアルカウンセラーKIKOさんの三冊目の書籍です。

私はこの方のYouTubeをよく拝見します。守護霊の啓示を話されたり、とてもスピリチュアルな内容ではありますが、説明はとてもロジカルです。非常にわかりやすくて有益なチャンネルだと思います。

この書籍は、潜在意識の書き換えをテーマに、自身で作り上げた心のブロックを解き放つ方法と、願いを叶える方法を実例をあげながら解説しています。

もっとみる
読書感想 横光利一  火

読書感想 横光利一  火

青空文庫でぼーっと読みました。多分5回目くらいの再読でしょうか。自分でも頭おかしいのではないかと思ってます…。

9歳になる男児、米の視点で物語が進行します。米の家は6年前に渡米した父親から病気という知らせが届いたきり、半年あまり送金がとだえているため、姉は看護師見習いとして家を出ています。まさかのときに役に立つからと刺繍を習い続ける母と二人で寂しく暮らしています。米は自分の家が非常に貧しくなった

もっとみる
読書感想 夏目漱石 永日小品

読書感想 夏目漱石 永日小品

 芥川龍之介の随筆に、たびたび「小品」という言葉が出てきまして、私は小品とは掌編と随筆の中間のような、短い作品なのかなあとなんとなく思っていました。

そんな折、夏目漱石の新潮文庫「文鳥、夢十夜」を購入したところ、最後の解説に小品についての解説がありました。

なるほど。そうなんだ…と納得しました。

永日小品は、小品の部類に属する25の作品群です。
日常のなんでもない風景を切り抜いたものから、短

もっとみる
読書感想 雨穴 変な家2、変な絵

読書感想 雨穴 変な家2、変な絵

雨穴さんのYouTubeにハマった娘が夫に買ってもらった書籍です。

雨穴さんの初書籍「変な家」の続編にあたります。

いや〜、とにもかくにも。私自身を含めた、日本全国謎解きミステリー大好きっ子の嗜好をよ〜く理解していらっしゃる。ツボを心得ているなあ…という印象です。エンタメに特化している作品です。

「変な家2」では、風変わりな家が11登場し、「変な絵」では不思議な「絵」が複数登場します。それら

もっとみる
吉本ばなな 哀しい予感

吉本ばなな 哀しい予感

 数年ぶりに再読しました。一度読んでるはずなのに、結構きました。胸に響きます。なぜそんなに胸に響くかと申しますと、これは自分でもよくわからないのですが、おそらくはこの作品、というか吉本ばななさんの心理描写が奥深く繊細だからなのだろうなと思います。

 どうすることも出来ない孤独感や、それに付随する寂しさや虚しさなどを絶妙な加減で表現してくださいます。ほんとに絶妙なんですよねえ。

 最近気がついた

もっとみる