健康でいられることの幸せ
今朝、母が言った。
「私、本当に健康でいられて幸せ」
もう、本気の本気。
目に涙さえ浮かべて、「神様に感謝しとると」と言う。
母は5人兄妹の末っ子なので、長女である伯母さんはかなりの高齢。
伯母さんの長男は、今の私と同じ年に白血病で亡くなってしまった。
私にとっての従兄だ。
本当に優しい良い人で、みんながみんな「なんで〇〇が」と、発病した時も亡くなった時も、口を揃えて言った。
私は行かなかったが、お葬式の時には弔問客が長い列をなして、なかなか途切れなかったと聞いた。
良い人に限って、早く向こう側へ行ってしまうものだ。
なんでも、神様もキレイな魂しか欲しくないから、憎まれっ子は中々天に召されないと聞いた。
母の実家は九州は長崎県の離島で、この伯母さんが年々体が弱くなってきているところに、一昨年伯父様も往生されたので、益々心身ともに弱ってきていて心配だ。
末っ子の母と、このお姉さんとは15歳程年が離れているので、まるで親子のようにとても可愛がって貰っているので、少なくとも年に1度は飛行機で顔見せがてら、お世話しに行く。
昨年は私も一緒に行った。
離島で本当に何もないところだけれど、波の音が聞こえて電波が届かないので、デジタルデトックスにはもってこい、私はたまに行くならむしろ歓迎だ。
ただ、昨年末から事態は結構深刻になってきていて、心臓や腎臓も機能が低下してきていて、ついこないだまで長崎の病院に入院していた。
段々と、自分独りで住むことが難しくなってきている。
何かでこけたり、倒れたりしてしまったら、きっと手遅れになってしまう。
さっきの従兄の妹が、神戸に住んでいるのだけれど、伯母さんの希望である「家に帰りたい」をどこまで叶えてあげるだろうか。
私と母は、出来るだけ伯母さんの希望通りにしてあげたい。
でも、娘である従妹のお姉さんが、どうするか、何が出来るか、である。
最初、(いきなり最初から)施設に入れるつもりで話をしだしたことで、伯母さんはショックを受けていた。
うちの母には普段から何でも話していて、泣いて電話をかけて来たそうだ。
母も怒りに震えながら涙目で「なんでかねぇ、おばちゃんは家に帰りたがってるのに」と情けなさそうに私に話した。
私も気持ちは良くわかるけれど、そこはそちらの母娘の話なので、妹であるうちの母が介入することは出来ない。
「〇〇が生きてたらねぇ…😢」
従兄の〇〇お兄ちゃんは、定年したら実家に戻って一緒に暮らすって言ってたのに。
それがこんなことになってしまって。
前に一緒にお墓参りに行った時に、伯母さんが「こんなことなら長生きしなければ良かった」ってポツリと言ったけど、私は何の言葉もかけることが出来なかった。
親より先に行ってしまうのは、確かに親不孝だけれど、彼は最後の最後まで諦めずに病と闘って、そして生き抜いた。
それを私達親族は見ていたし、彼はその生を全うしたと言える。
今回その病院を退院したけれど、その妹夫婦が長崎にマンションを借りて、そこに今3人で住んでいるらしい。
なんで島の実家に帰らないの?とうちの母に聞いたら、もし島で何かあってもすぐに病院へ連れてゆけないし、自分達もずっと島にいてもねぇ…、みたいなことらしかった。
出来ることなら、本人の希望を叶えてあげたいけれど、申し訳ないけれど、これもその人の人生。
娘である従妹のお姉ちゃんを差し置いて、私達が何か出来ることでも、どうこう言えることでもない。
正直うちの母は悔しさでいっぱいだけれど、ぐっと我慢をして、今月のどこかで顔を見に行ってくるだろう。
それを思うと、「健康でいられることに感謝しとると!」と、母が心から言っているのが、なんとも身に沁みてくる。
そして、もし今後母に何かあった時、母は家にいたい人であることはよ~くわかっているので、私が経済的にも時間的にも体力的にも余裕がないといけない、と言うことも分かっているので、どれも作っておくよう今からしっかり準備しなければ、と思う今日この頃なのである。
私も腰が悪くて、一昨年までは(もう一生走れないかも…)と思うほど酷い状態だった。
普通に歩けるようにはなったけれど、腰や股関節がズレてるというか、きちんと収まるところに収まってない感じだった。
それが、今の整体に移ったことと、母のおススメのソフトテニスを始めたことで、すっかり丈夫になった。!(^^)!
本当に健康は大事で有難いと、つくづく思う。
従兄のお兄ちゃんが亡くなった次の春。
日が差して温かかったので、庭に出て珍しく、玄関の周りの花を見ていたら、左足もとで「△△ちゃん(笑)」って、私のことを呼ぶ、お兄ちゃんの声が聞こえて、ハッと見たら、小さなトカゲがふふふって笑いながら葉陰に隠れていった。
思わず「〇〇兄ちゃん…!」って声を出してしまった。
〇〇兄ちゃんがトカゲに生まれ変わって、私にあいさつしに来たよって言ったところで、きっと誰も信じないし、まるで弟のように溺愛していた母に話したら、それこそ「なんでトカゲなんかになるかね!」と怒られそうなので、黙っておいた。
それ以降、我が家のシロアリ駆除をする、と母が言う度に、「うちの床下に住んでるイモリやヤモリやトカゲが死んじゃうからヤダ!」と反対してきた。
しかしとうとう昨年、白アリ駆除をした。
でも、トカゲは相変わらず庭をちょろちょろしているし、アゲハも飛んでいて、ほっとした。
このお正月休みで、1週間程テニスが出来なかった母は、体がなまったと言って、明日の久々のテニスをとても楽しみにしている。
老々親子でこうしてスポーツを一緒に出来るというのも、もしかしたら奇跡的なことなのかもしれない。
母が(父もだけど)健康でいてくれて、本当に幸せだし、有難い。
最近、当たり前のことは実は当たり前じゃないことに気づいた。
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