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ピダハンのように生きてみたい

こんにちは、皆さん。今回はダニエル・L・エヴェレット氏の著書『ピダハン「言語本能」を超える文化と世界観』についてお話ししたいと思います。この本は、2012年にみずず書房から出版され、その後一部の人の間で話題となりました。

本書で著者が提示する新たな気づきの一つは、時間の概念についてです。ジャングルという環境では、気温や気候の変化が乏しく、季節の移り変わりを感じる機会がほとんどないという説があります。

さらに、日照時間に関してもジャングルでは常に薄暗く、遠くを見通すことができません。そのため、ピダハン族の人々は空間認識能力に乏しく、開けた場所に行って遠くの水牛を見ると、それを前の前の虫と誤認することがあるそうです。

しかし、空間認識能力を持つ生物であれば、遠くにいる水牛のところまで歩いていけば視界に映る水牛の姿がだんだん大きくなっていくことがわかります。つまり、未来の水牛の大きさを予測することができるのです。このことから、空間認識能力こそが時間の概念の誕生に繋がっているとエヴェレット氏は提案しています。

本書は言語と文化の関係性や人間の認識能力について深く探求しており、興味深い内容が詰まっています。時間の概念や空間認識について新たな視点を得ることができるでしょう。

ピダハンの生活環境や彼らの世界観に触れることで、私たちが日常的に当たり前としている時間の感覚がどのように形成されたのかを考えさせられます。是非、『ピダハン「言語本能」を超える文化と世界観』を読んで、新たな視点を得てみてください。

この本は、認知科学者S・ピンカー氏から「パーティーに投げ込まれた爆弾」と評され、言語学のパラダイムである「言語本能」論を揺るがす論争を引き起こしました。

本書では、アマゾンの奥地に暮らす少数民族であるピダハンの文化や言語、ユニークな認知世界が科学的に描かれています。著者自身が30年にわたる研究を通じて収集した情報と、彼の奮闘ぶりがユーモアたっぷりに語られています。

驚きと笑いが交錯しながら、私たちが抱える西欧的な普遍幻想が根底から崩れ始める様子が描かれています。この本を読むことで、言語以外の領域でも驚きが待っていることに気付かされます。

ピダハンの文化には、「右と左」や数の概念、色の名前さえも存在しないという驚くべき特徴があります。また、神や創世神話も存在しないという点も注目されます。何百年もの間、文明の影響に抵抗しながら生きてきた彼らの哲学や信念の源泉に迫ります。

著者は元々福音派の献身的な伝道師としてピダハンの村に赴いた経験を持ちます。しかし、ピダハンの世界観に衝撃を受け、逆に無神論へと導かれてしまったというのです。この経験から著者は、言語学者としても主流のアプローチとは一線を画し、本書でも普遍文法への批判を正面から展開しています。

『ピダハン「言語本能」を超える文化と世界観』は、ピダハンの生活や言語の特徴を知ることで、私たちの固定観念や普遍的な考え方に疑問を投げかけます。ぜひこの衝撃の科学ノンフィクションを読んで、新たな視点を得てみてください。

それでは、次回の記事もお楽しみに!

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