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旬とはなんでしょう? from 京都府長岡京市

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「テロワールの誘い|Soil Trip」は私が地方創生事業のファンドマネージャーとして、時には産地開発のバイヤーとして、全国を巡った旅行記になります。
地域ごとに特色のある食文化に興味があって全国各地を放浪しています。全国の生産者を訪ね歩いて農家が魂をこめた畑や生産者を紹介するコラムとしてお届けしております。

食べることにおいて、日本人ほど旬を大切にする国民は他にありません。旬というのはその素材が最も美味しく食べられる時期のことです。さらには価格も安定し、相応の値段という利点も見過ごせません。

年中食べられる食材であっても、季節によって呼び名が変わったりするのは日本ならではですね。

草冠に旬と書く筍も旬のモノの典型でしょう。

筍の旬は3~4月頃の春です。2月下旬頃から出回りはじめて、5月下旬頃までが収穫時期となります。私の実家は京都府長岡京市なので筍の産地となっておりましてこの季節になると宮崎に住む私の家に届けてくれるのです。

皮付きの筍が手に入った場合は時間が経つごとに、苦みや渋みが出てくるので手に入れたら、なるはやであく抜きをしましょう。あく抜き後は水につけて冷蔵庫で保存して、時々水を替えることで1週間~10日ほど保存が可能になります。

今では量販店に足を運べば水煮にされた袋詰めパックが年中売られていますけど、元はと言えば春の産物です。

立春も過ぎ、そろそろ雛飾りを…という季節にこそふさわしいのが筍です。

ところが最近ではとんでもないフライングが横行しています。

正月が過ぎた頃、京都のとある有名な割烹で初春懐石と銘打った料理を食べることになりました。

するとどうしたことか若竹が出てきたのです。

九州の産地で採れた筍だと、店の主人は鼻を高くされましたが、私はすっかりしらけてしまいました。

旬に先駆けてお出しする料理を「走り」といいますし、それはそれで珍重されなくもありません。

それに対応する栽培技術の向上が貢献しているのもありますが、しかしいくら何でも早すぎると思うのです。

日本には二十四節気や七十二候なるものがあって、今時分だと二十四節気でいえば春分ですし、七十二候では桜始開(さくらはじめてひらく)になります。

桜前線の北上を日本人の多くの人が待ち望むであろう桜の花が咲き始める頃です。お花見の季節の到来ですよね。お酒が好きな私には年中何かにつけて飲んでいますけど笑

近頃の料理人は競って自慢の「走り」をだしたがるのが困りものです。テロワールを心から楽しむためのヒントになるような小説も書いておりますので良かったら読んでみてください。


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