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昨年の早慶戦を振り返る(135期 三浦)

135期、4年の三浦健太郎です。
4月21日には早慶レガッタが開催され、第二エイトで出場した僕は勝利を掴むことができました。入部からずっと夢見ていた景色でした。人生で一番うれしかった瞬間です。


この日までのことで話したいことは沢山あるのですが、今回はあえて、昨年の早慶戦シーズンの話をしようと思います。

昨年の部内選考では、私は後輩に二度も負け、早慶戦出場を逃しました。同期や先輩が自分の出場を願ってくれていただけに、悔しさ、申し訳なさでいっぱいでした。その日は茨城の実家へ向かう高速バスの中で、我慢しようと思っても涙が流れてきたことを思い出します。

早慶レガッタの前日と当日は準備に駆り出されました。土砂降りの雨の中で力仕事をしていた時はあまりに屈辱的だったし、選考で負けたあの日の自分を恨みました。 

当日は新入生を早慶戦に招待していて、私はその引率をしました。
「早慶レガッタは最高の舞台。桜橋では沢山の客から応援してもらえる」
昼食の時間、私の言葉に新入生は目を輝かせます。しかし、私はこの景色を選手としては勿論、観客としてすら、一度も生で見たことがありません。午後には懇親会の準備のため対抗のレースの前に隅田川を後にしたため、当然観戦は出来ません。午後は懇親会の準備で忙しく、配信でも満足に見れませんでした。

はじめ第二と対校どちらも勝ったと聞いた時は素直に嬉しく思いました。ただ、懇親会会場に笑顔で入場してくるクルーの姿を見ると、やはり卑屈な僕はおめでとうと言葉をかけることができませんでした。誰に言われたかも忘れましたが、懇親会で何かとせかせかと働いていた私を見かねてか、「頑張ってるね、三浦は結構こういう立ち回り向いているよね。」と声をかけてくれた人がいました。純粋なねぎらいの言葉だったのかもしれませんが、とてもげんなりしたことを思い出します。

こうして沸き立つ悔恨の情を胸に、私は懇親会会場からの帰路につきました。第二エイトと対校エイトがどちらも優勝するという快挙。滅多にないそんな年でさえ、素直に仲間の勝利を喜べないという自分の器量の小ささを情けなく思いました。またしても涙が溢れそうでしたが、元気でピンピンな当時の主務の川島さんとばったり合流したので慌てて涙を引っ込ませ、この日は感情を押し殺して無事に帰ることができました。

このような嫉妬と悔恨にまみれた早慶戦期間を経て、少し早慶戦が嫌いになりました。二度とあんな思いはしたくありません。ただ、今年は早慶戦に出て勝つことができたので、勿論そのイメージは一変しました。あの勝利の瞬間を味わってしまったからには、もう早慶戦が嫌いだとはさすがに言えません。僕はあまりにも単純な男です。

ただ、この時悔しいと思った感情を忘れてはいけないなと思います。悔恨が次に向かう最も大きなエネルギーになると信じているからです。僕は今年の早慶戦ではいい思いができた。だからと言ってまだ引退すらしていないのに去年の苦い思いでさえも「あの時の自分があったから~」などといい思い出に昇華してしまうのを怖く感じます。二度とあんな思いしないために、引退するまでは自分に鞭を打ち続けなくてはなりません。そのために、昨年の悔しさをブログに残そうと思ったのです。

今年の早慶戦でも、多くの下級生たちが過去の私と同じように悔しい気持ちを抱えながらサポートに回ってくれていたことと思います。本当にありがとう。だからと言って悔しい感情を隠す必要はないと思います。

「願いは口にしなくちゃ叶わない」
この言葉は私が部員ブログ企画を始動させたときに、ひとり勝手に思い描いていた企画の「目的」の一つです。有名人にしろ、周りの人間にしろ、常に目標を明言している人間は何かしら結果も残しているなと感じます。「願い」「悔恨」・・・いろんな思いをいろいろな形で発信・吸収できる、我々もそんな集団に近づけたらいいですね。

かなり長くなってしまいましたが今回はここまでとさせていただきます。ご覧いただきありがとうございました。


135期
三浦健太郎

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