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ビジネスに欠かせない交渉力と期待値コントロール

今回のテーマは、交渉力と期待値コントロールについて。

ビジネスの継続にはリピーターをつくることが必要不可欠。
そのカギとなるのが、交渉力と期待値コントロール能力です。

多くのクライアントのマーケティングサポートやクリエイター育成をおこなうなかで、さとみともみじの2人がいつも意識していることについて語ります。


言語化可視化ラボは、デザイナー岩崎さとみとライター本田もみじの「ブランディングとマーケティングの研究所」。クリエイターメンバーと一緒に、日々ブランディングとマーケティングの研究を行っています。

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交渉は討論ではない

さとみ:
ビジネスをしていると、必ずお客さまとの間に交渉が発生します。意識していてもいなくても「打ち合わせ」の名のもと交渉が行われているはずです。

私たちのお客さまはホームページやLPなどの制作物をご依頼くださいますが、根底には「売上げを上げたい」とか、「集客がしたい」という想いがあってお声がけいただいています。その実現をサポートすることで賃金がもらえるのです。

仮に自分がアーティストで、ファンの方から「あなたのクリエイションを100万円で買いたい」と言っていただけるような状況でない限りは、デザイン業もライター業も関係なく、納品する制作物でお客さまが期待する成果を上回ることがマストでしょう。

もみじ:
うんうん。でも、お客さまからのオーダーは「LPをつくってください」という直接的な言葉なんですよね。

さとみ:
そうなんです。ですから入念に打ち合わせをおこない、お客さまの真の要望を理解し、制作物に落とし込むことが必要です。

ところが、クリエイターのなかには自分がいる業界の言葉や常識の中でしか話せない方もいて、お客さまの要望に対して「これはこうでこうだから、これじゃないと無理なんです」と、論破してしまうことがしばしば起こります。

もみじ:
作り手から「無理です」と言われたら、お客さまは受け入れるしかありませんよね…。

さとみ:
お客さまはもともとLPが欲しいのではなくて売上げを上げたいわけですから、一緒に結果を出すところへゴールを持っていくことが重要なのに、交渉を討論や裁判とはき違えている方が多いのは残念です。

もみじ:
お客さまと対立してしまっていますよね。

さとみ:
業界が違えばセオリーや優先事項も全く違います。特に違う業界の方と話すときにはこのことを理解しておきたいですね!

スモールビジネスはリピートをもらえなければ存続できません。交渉の場に立つときには、相手には相手の言い分があるということを分かっていなければいけないし、業界を超えた言葉で話せない人は、業界内の安い賃金でしか仕事ができないということも分かっておいたほうがいいと思います。

もみじ:
発注力の高いクライアントは少ないと感じています。だからこそクリエイター側が交渉やコミュニケーションを工夫せず、「私はここまではできます」「言われたことだけやります」「言われていないのでやっていません」という話しかできないと、お互い不幸になりますよね。

期待値コントロールでは、最初のすり合わせが肝心

もみじ:
私やさとみさんの場合、発注者側がプロフェッショナルでないケースがほとんど。だからこそ期待値コントロールにも気をつけています。

私の場合は、最初のヒアリングの段階で、その方の脳内を先回りして言語化して提案することにしています。

単に打ち合わせメモを送るだけでは意味がないですから、ヒアリングで聞いた内容、たとえば「あなたは〇〇という理念で起業し、〇〇がターゲットで、将来的には〇〇の層にもアプローチしたい。なぜかというと〇〇で、その背景には〇〇がある…」という事業内容を1枚のドキュメントにまとめ、求めるイメージと合っているか、戦略に問題はないかを確認するんです。
すると、「そうそう、こういうことが言いたかったの!」とすごく喜んでいただけるんですよね。

さとみ:
うんうん。いいね。

もみじ
さとみさんはそれをマーケティングフローでやっているんですよね。

さとみ:
そういうことになるのかな。

もみじ:
お話を聞いたうえで1枚のフローにまとめて、「こんなイメージですか」「このようなステップでやりますが、これで大丈夫ですか」と確認することは、まさに言語化と可視化です。それは交渉にも、期待値コントロールにもつながると思っています。

相性のよい方からはお金をいただく前の段階で信頼を得られますし、そこまでやっておけばほぼ受注を落とさない。なおかつ、制作の打ち合わせが進むうちにお客さまの考えは変わるから、以前と違うことを言われたときはそのシートを引っ張り出してきて「今はここの話をしていますが、何か変わりましたか」と戻る場所ができる。

納品物もひとつの価値ですが、お客さまの脳内をまず見える化して差し上げることが一番の価値なんです。

さとみ:
なるほど!

もみじ:
私たちの納めるブログ1本とかデザイン1本とかは、価値としては定量化できませんよね。だから定量化できないものを受注したときは、はじめにお客さまと期待値をすり合わせておかないと絶対にいい仕事ができないと思っています。極論をいえば、あまりスキルが高くなくても、お客さまの期待値にばっちりと合っていればいい仕事なわけですから。

さとみさんは期待値コントロールをするうえで気をつけていることはありますか?
 
さとみ:
私は、クライアントのその先のお客さまの期待値もコントロールできるように、盛りすぎないことを意識しています。
具体的には、LPやホームページ、セミナー告知を制作するとき、期待させたことをセミナーで再現できて、なおかつ来られた方がちゃんと「来てよかった」と思える告知文や画像を使うことですね。

LPや告知文を見て「こんな素敵なところなんだ」と思った方が実際に足を運んだ際にギャップを感じないよう、「プロがメイクしたときくらいの盛り感」がホームページやLPに再現されていることが大事かなと。
盛ろうと思えばいくらでも盛れますが、やりすぎると実際に会ったときにマイナスからのスタートになってしまうので、そのあたりはすごく気をつけています。

もみじ:
それもお客さまからちゃんとヒアリングさえすれば、こちらもプロなのである程度は調整できますよね。「とりあえずいい感じにしておいてください」は、まず無理なので(笑)

さとみ:
だからこそ、すり合わせが大事なんですよね。

自分の意志をしっかりと伝えることも大切

さとみ:
私達は誰かから指示されて働いているわけではないので、お客さまを選べる立場ともいえます。それならば、ご一緒して気持ちのよい方と仕事がしたいのが本音です。そのあたりの見極めにも、一番はじめの交渉が肝になりますよね。

もみじ:
最初の交渉ではお客さまのご要望を聞くだけでなく、自分の意志もちゃんと伝えることが大切ですね。そして、お客さまの思い描く結果が出るように方針を整えたうえで、できる・できないの範囲を明確にしておく。
なおかつ、できる範囲で最大限の結果を出すために、仕事をしている間はお客さまとペアを組むくらいの勢いでやるのが一番と思います。

さとみ:
そうですね。
繰り返しになりますが、お客さまは対立相手ではなく、同じゴールを目指すパートナーと心得ましょう。そして、お客さまが何を求めているかをしっかり見極めて、最初に言語化・可視化ですり合わせをしましょう。あとは、それを制作物に落とし込んで、お客さまの成果につなげられるようできる範囲で全力を尽くすだけです。

もみじ:
お客さまといい仕事ができたと喜び合えるように頑張りましょう!


このnoteは、Facebook非公開グループ「言語化×可視化ラボコミュ」のライブ配信からクリエイターさん向けの内容をピックアップして記事化したものです。


【この記事を書いた人】
言語化×可視化ラボ コンテンツ開発チーム しまこ

2021年、会社員の傍ら複業ライターとして活動開始。
“自分のことばで誰にでもわかりやすく”をモットーに、ペット・インテリア・エンタメジャンルで執筆中。最近Webデザインの勉強をはじめました。無類の猫好き。
https://twitter.com/simarisucco

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