みなさんこんばんは。ゲンロンスタッフの遠野よあけです。 「マンガが好きなあなたに『ひら☆マン』をオススメする理由」通称「ひら☆スス」、第16回の更新です。
今回は卒業生へのメールインタビューを紹介します。5人目の回答者は、「ひら☆マン」第3期と第5期で受講されていた吉田屋敷さんです。 吉田さんは来期「ひら☆マン」では、「CLIP STUDIO PAINT」の初心者向けにソフトの使い方を教えるワークショップの講師として登壇予定。卒業後のいまも教室にコミットされている吉田さんが、受講当時のことを振り返りながらインタビューに回答してくれました。
■質問1.ひらめき☆マンガ教室を受講した理由を教えてください。 仕事に行き詰まりを感じ、転職を考えているタイミングで第三期の募集が目に入りました。 面白い話が聞けることは最終講評会の中継放送や講義録を見て知っていたので、「ここに行けば食える漫画家になれるだろう」という気持ちで受講しました。■質問2.ひらめき☆マンガ教室を受講して感じたこと、得られたものを教えてください。 美術・アニメと、ずっとものづくりの業界にいたのですが、「読者を考える」ことを徹底して教えられたことが印象的でした。今までいた業界ではどちらかと言えば「いいものを作る」ことに集中していたのですが、読者に読まれなければ意味がないと。 読者のことを思えば、今まで持っていた自分のこだわりが結構ゆずれることに気がついていき、その体験が自分にとっては面白かったです。■質問3.授業の内容や、講評でのフィードバックで印象にのこっていることはなんですか? たくさんありますが、特に第三期の浅野いにお先生の講義が印象に残っています。 「(出版社が作品を)売るためのパッケージは考えて描きます。だって好き勝手描きっぱなしで売れなかったら、営業の人とかに申し訳ないじゃないですか」 作家性が強いイメージの漫画家でも、作品が読者に届くまでのパッケージに気を配っているのだと感銘を受けました。 技術論だけでなく、漫画家としてどう活動していくかという話を引き出す、この教室ならではの講義だったと思います。■質問4.ひらめき☆マンガ教室はあなたにとってどんなスクールでしたか? 超面白い場所でした。この場所でのご縁が連載の仕事にもつながりました。■質問5.いまひらめき☆マンガ教室の受講を検討している方へ一言おねがいします。 なんかあれらしいっすね。 最初の募集〆切までにあんま人こなかったらしいっすね。特に制作コース。 「ひらマンすごい!漫画家志望者はここに来るべき!」 「人が集まらないのはおかしい!いい教室なのになあ…」 ネットだとそんな風にいわれてるみたいですけど、人こない理由わからないんですかね? 俺、理由わかりますよ。 受講料税込407,000円。高いって。 「この内容でこの値段は安い!」とかそういうことじゃないんすよ。 無い袖は振れないって。四十万も出せねーよ。漫画家志望者が金もってるわけねーじゃん。俺、仕事辞めてアシスタントで生活してたからわかるよ。 例えばアシスタントやりながらデビュー目指して自分の作品も頑張って描いてるとするじゃん。 自分の制作の時間も確保しながら生活するってなると、週刊連載に週三で入って月刊連載を数日かけもちって感じになるわけ。 年収二百万いかねーよ。プロアシならまだしも。新人は。年収二百万いかねーよ。 年収二百万も無いのにどうやって四十万出すんだよ。無理だろ。阿保か。 なんの話でしたっけ。受講を検討している方へのメッセージですか。 受講料が高い。超わかります。 俺なんて勘が悪いもんだから第三期、第五期と二回通っちゃって、合計八十万近く払いました。 そんなに金払ってどんな経験したのかって言ったら、敬称略で失礼しますが、 米代恭、金城小百合、おかざき真里、武富健治、師走の翁、きらたかし、みずしな孝之、ルネッサンス吉田、浅野いにお、伊藤剛、横山了一、ブルボン小林、山口つばさ、鶴谷香央理、夢乃狸、山崎紗也夏、水上悟志、山本侑里 という先生方に漫画の講評をしてもらえました。 どの先生も真摯に講評してくださいました。漫画を描き始めたばかりの新人がこんな経験をできる場所はなかなか無いと思います。 受講料の元も取りました。 講義で描いた作品で漫画賞三個くらいもらったのと、連載準備中で描きためた話数の原稿料を前払いしてもらったんで。俺のこれからの漫画家生活は黒字です。 卒業してからも漫画の相談ができる友達もできたし、にっちもさっちもいかないことになったらセンパイの大井先生、主任講師のさやわか先生に相談すればいいやって思えるのも心強いです。 どうにかして…なんか色々工夫して…お金をひねり出して…漫画を描けば……! たっかい受講料以上のリターンがあるはずです。おすすめです。 回答者:吉田屋敷(https://twitter.com/yashiki_cmc)
吉田さんのお話、いかがだったでしょうか。 5番目の質問への答えでは、漫画家志望者の経済的事情にも言及されていて、吉田さん自身のこれまでの体験と思いを込めつつ、地に足の着いたお話をしていただけました。 広報スタッフとしては耳に痛いお話でもありましたが、吉田さんが真剣に回答してくれたことをありがたく感じています。
どんな場所でもそうですが、簡単になにかを得られることは稀で、工夫とがんばりを続けないと何も得られないことすらあります。そして、その場所で最終的に得られるリターンの大きさは、工夫とがんばりの先でしか知ることができません。
それでも、いま受講を迷っているあなたが、この記事を読んで「ひら☆マン」のリターンの大きさを信じてくれることを祈っています。
それではまた、明日の記事にて。 明日もメールインタビュー紹介の予定です。(遠野よあけ)