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歴程賞は大木潤子さん

第61回歴程賞が発表されたようです。
大木潤子さんの詩集『遠い庭』(思潮社)に決まったとのこと。
第34回歴程新鋭賞は該当作がなかったそうです。
2日前にでていた朝日新聞さんの記事はこちら。

ずいぶんそっけない記事ですが、詳細はきっと記事の有料になっている部分に書いてあるのでしょう(わたしはお金がないので読めません)。

ちなみに、歴程賞の正式名称は、藤村記念歴程賞(とうそんきねんれきていしょう)というそうです。詩誌「歴程」が主催し、島崎藤村を記念して創設された文学賞です。
過去には金子光晴、宗左近、大岡信らも受賞しており、回数をみても分かるとおり、歴史ある賞です。日本の現代詩壇では、かなり権威のある方の賞だとわたしは認識しています。

基本的に詩集を対象としているようですが、詩集に限らず文学評論や小説、文学以外の活動を対象とすることもあります。変わったところでは、1975年に植村直己(登山家・冒険家)の業績を顕彰したこともあるようです(以下ご参照)。

上記の情報はウィキペディアを参照しました。歴程のホームページが検索した限り見当たらないのですが、どこかにあるのでしょうか。

大木潤子さんの『遠い庭』は今年5月に思潮社から発行された詩集です。
第5詩集にあたると思います。

大木潤子さんについては、YouTubeに以下のような動画があります。
詩人の颯木あやこさんの朗読会に、4年前にトークゲストとして招かれた際の動画のようです。
前作『私の知らない歌』についてのトークではありますが、初期からの作風の変化について指摘があったりします。
ご本人による詩の朗読もあります。

動画には、颯木さんが、大木さんの第2詩集と第3詩集の間の時期に病との闘いがあったとして「沈黙や闇をご自身のなかに獲得し、それが詩の余白であるとか、新しい素地になったのではないか」と問う場面があります。
大木さんは「変化の原因にはなったと思う。第3詩集までに14年あいていて、そこに沈黙の時期があり、それに支えられながらいま書いている気がする」と答えていたのが印象的でした。
颯木さんは「依存症と闘ったヴェルレーヌとも通じる点があるのではないか」と指摘されています。

歴程賞の選考委員からの評価など、今回の受賞についての詳報は「歴程」で発表されると思います。

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