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日本口腔ケア学会のご紹介

札幌麻生脳神経外科病院の源間隆雄です。4月23日、24日に開催される日本口腔ケア学会学術大会in大阪 http://19jsoc.com/program に参加予定です。二つの座長と一つの一般口述発表を予定しています。そこで、日本口腔ケア学会 https://www.oralcare-jp.org/ についてご紹介させていただきます。 

 

日本口腔ケア学会の主旨

日本口腔ケア学会は1992年に設立された日本口腔ケア研究会が2004年に日本口腔ケア学会へと改組され今に至ります。医師、歯科医師、薬剤師、看護師、歯科衛生士、言語聴覚士、助産師、介護福祉士、栄養管理士、保健師、理学療法士、教員、保育士、ホームヘルパーなど多職種の専門家により構成され、集学的に口腔より全身を科学し各種疾患の支持療法として主治療を円滑に行えるようにするとともに健康の維持促進を図り、国民に研究の成果を発信することです。また、コミュニケーションの円滑化を図り、高齢者の誤嚥性肺炎の予防、さらに「飲み」「食べ」「話す」ことや爽快感も含め安全かつ安心な食が叶うことを目標とします。また、国民のQOLの向上に大きく寄与する事を目指します。

現状では、口腔ケアは重要性を理解しながらも未だに各分野で取り組みが十分なされていないのが現状と私は感じており、多くの学術団体等で保健・医療・福祉などの関係者が連携を図り、健常者・有病者・障害者・在宅・入院・乳幼児・高齢者を問わず口腔ケアの実践・研修・調査・研究・情報交換などを行うことを目的としています。
更に2020年からは国際口腔ケア学会(理事長星和人東京大学医学部教授)を設立して口腔に関連した科学を臨床により広く人類への貢献を行います。2021年からは口腔ケアアンバサダー制度を創立して、国民への口腔ケアの大切さの普及を図ります。ぜひ、言語聴覚士の皆様の学会への参画、そして、言語聴覚士部会への入会を期待しています。私は言語聴覚士部会副会長をしておりますので、まずは気軽にお問合せください。また、本学会では、口腔ケア認定制度(1級~5級)があり、系統立てられた口腔ケアについて学ぶ機会となっています。本認定制度は日本口腔ケア学会会員にのみ受験資格が与えられますので是非、皆様認定資格取得に向けて入会をお願い致します。

 

日本口腔ケア学会における言語聴覚士の歴史は浅い?

言語聴覚士部会の活動が本格化されたのが2018年です。その後、本格的に部員が招集され、2022年現在、言語聴覚士部会は17名まで増えています。言語聴覚士部会として毎年、学術大会内に言語聴覚士部会の講演時間を企画してもらっており、2022年度は急性期、回復期、生活期それぞれで活躍している部員言語聴覚士の発表があります。毎年、様々なテーマを部員が集まって(オンライン含む)提出しています。口腔ケアに付随した摂食嚥下障害や口腔ケアの姿勢など、幅広いアプローチについて多職種に向けた発表をしていますので非常に勉強になっています。

また、言語聴覚士部会会長でもある牧野日和先生が摂食嚥下リハビリテーション委員会も担当されており、摂食嚥下障害をより深く学ぶ機会にもなっています。ですので、二十代の若手の言語聴覚士からベテランの言語聴覚士まで幅広く在籍しておりアットホームな学会ですのでこれから口腔ケアを学びたい方をお待ちしています。

 

摂食嚥下障害への対応で困っている言語聴覚士にこそ!

 私自身、本学会に入会してまだ3年ほどですが、口腔ケアにおける言語聴覚士の役割は臨床現場でますます大きくなっています。現場の言語聴覚士の9割以上が日常的に口腔ケアを実施しているというアンケート結果もあり、リスクマネージメントに配慮され、リハビリテーションの視点を持ったエビデンスの高い口腔ケアを言語聴覚士が提供できることを個人的には目標にしています。そのためにはより多くの言語聴覚士が本学会に入会され学会発表していただくことが口腔ケアの発展につながります。興味を持っていただいた皆様、ぜひ、一度学会ホームページをご確認ください。年会費は自動振替での申し込みであれば3,500円(初年度のみ入会費別途2,000円)、学生は1,000円(入会費免除!)となっています。一般社団法人日本口腔ケア学会入会申し込みページ

https://www.oralcare-jp.org/joinform/

そして、日本口腔ケア学会学術大会で一緒に発表しましょう。例年、年末から年始にかけて演題募集が行われています。

2022年度、私は「口腔ケア・咽頭ケアの徹底によって誤嚥性肺炎を防いだ症例の経過報告」というタイトルで一般口述発表します。一人でも多くの言語聴覚士が日本口腔ケア学会に、そして、学術大会で言語聴覚士が行う口腔ケアの重要性を発表してもらえることを楽しみにしています。


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国内外11人の言語聴覚士を中心に執筆。このmagazineを購読すると、言語聴覚士の専門領域(嚥下、失語、小児、聴覚、吃音など)に関する記事や、言語聴覚士の関連学会に関する記事を読むことができます。皆さんからの体験談など、様々な記事も集めて、養成校で学生に読んでもらえるような本にすることが目標の一つです。

国内外の多くの言語聴覚士で執筆しているので、言語聴覚士が関わる幅広い領域についての記事を提供することが実現しました。卒前卒後の継続した学習…

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