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畳の講義室、肌で感じる”火床”のぬくもり【芸研日誌】

初めまして、2回生の山田です。
最近めっきり寒くなってきて、アパートの1階でフローリングな我が家は朝晩もこもこ靴下なしでは生活できなくなってしまいました。恐るべし京都の底冷え……。

京芸が移転するにあたって、教務や多目的講義室などと同じ棟にあった総合芸術学研究室は果たして新校舎でどの学科と建物を分け合うことになるのか、あまり研究室に顔を出す方ではない私も楽しみに、またどきどきもしていました。
結果は図書館や油画科さん、構想設計学科さんとC棟でご一緒することになり、エレベーターで絵具箱や丸筒を持った学生さんと同乗したりするたびに毎度新鮮にうれしくなったりしています。

さて、そんな素敵なC棟のなかには、壁やドアで仕切られていない大きな講義室があります。総合芸術学科の階にあるこの講義室は、木でできており1段上がったステージのような畳のフロアが中央にあり、図書室を望む吹き抜けの一部があったり大きなホワイトボードの壁紙が張られた壁があったりと、オープンスペースのような空間になっています。ですが地図には「講義室〇〇〇」の文字が。この珍しい講義室が、私にとって新校舎随一のお気に入りの場所です。

先日、裸足で畳に乗ってみたことがあったのですが、外は秋めいて冷え込んできたのに畳の上はあまり冷たさを感じずに心地よく思いました。実家の畳の間のような安心感というか、気を張るイメージだった大学今まで知らなかった優しい部分というか、そのようなものに足の裏から触れたようなきもちになるのです。

そういえば、京芸新校舎のコンセプトは「terrace」なのだそうで、紹介文の中に「火床」という言葉も出てきていました。火床というのは大文字の時に松明を燃やすためのポイント、石の土台の上に木を井桁状に積み上げた構造物の名前なのだとか。
この畳の講義室が、総合芸術学科の活動を他の学内や学外へつなげていく親火床のような交流空間になったらなお素敵だなあと思っています。既に他学科の学生さんも足を運んでくれているようで、私のちいさな願いの種火が大きくなるのも遠くないかもしれませんね、なんて。ぜひ一度いらしてみてください。


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