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【謎の雄叫び声】

「父さん、毎朝ねぇ、なんか老人が叫ぶような声が聞こえるんだけど・・」

「えぇ~❓️老人の声ぇ❓️」

「うん、オァ~ッ❗️とか、オォ~ッ❗️とか」

「それ、何処から聞こえて来るんじゃ❓️」

すると、家内が窓を開けて指差しながら言う。

「あっちの方みたいなのよねぇ・・何処かのお年寄りが叫んでるみたいなのよ。具合の悪いお年寄りでも居るのかなぁ❓️お年寄り多いもんね、この辺」

発生元が不明のまま数日が過ぎた頃だ。家内と2人で買い物に出掛けた途中、クルマが自宅の近くにある県立高校の前を通った時である。

「あっ❗️解ったぁ~っ❗️」

突然、助手席の家内が何やら合点した。

「んもぉ、何が解ったんじゃ❗️❓️ビックリするじゃないか❗️」

「毎朝の雄叫おたけびよぉ❗️今聞こえたでしょ❓️」

「えっ❓️何が❓️」

「声よ・・あれ、老人じゃなくて、ここの声だったんだわ、間違いないわ」

少し開けた窓から聞こえてき来たのは、高校の剣道部の「オァ~ッ❗️トァ~ッ❗️」という掛け声だったのである。クルマは剣道部の道場の側を通ったのだ。毎朝聞こえていたのは、剣道部の朝練の掛け声だったのである。

「全然年寄りの声じゃないじゃないか、怒られるど❗️いくらお年寄りが多いって言ったって、朝っぱらから大きな声を張り上げるお年寄りなんか居ないわ」


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