見出し画像

ベトナム語学習歴7年の中国語教師が神戸のベトナム料理を紹介してみる Vol.1

2022年は神戸の大学に就職してから9年目、つまり来年は記念すべき(?)10年目が待っています。それより前は東京で大学院とポスドク生活を過ごしていたのですが、「研究だけに専念すべき大学院/ポスドク生活を終えたら、気になる言語を好きなだけ勉強したい!」と心待ちにしていたこともあり、ここ神戸で「語学をひたすら楽しむ10年間」を過ごせたような気がします。

神戸に来てから最初の4〜5年間は台湾語(台湾閩南語)の勉強を始めて大阪の中国語教室にも通ったのですが、元々の専門が中国語諸方言の言語学のため「台湾語もやっぱり中国語だなぁ〜」という謎の倦怠感に襲われてしまい、その後は「中国語にも近いけど決して中国語ではない言語」という謎の切り口からベトナム語を7年くらい学び続けています。

新しい言語を学び始めると日々何気なく過ごしている神戸という街も「ベトナム語」のフィルターで改めて見直すことができるようになるため、何年いても常に新しい発見に満ちています。特に神戸のベトナム料理はお店の数も多いし奥も深く、コロナ禍がひと段落していく中でたくさんの舌鼓を打つことができました。自分の中では、神戸は「日本で一番ベトナム料理が美味しい街」だと勝手に信じています。

そんな感じで普段からベトナム料理を食べるたびにTwitterで記録ツイートをしていたのですが、写真のストックもかなり溜まってきたため記事としてまとめておこうと思い立ちました。ということで、今回は神戸市長田エリアのお勧めベトナム料理店を紹介します。

 39 SAIGON (長田)

神戸・長田39 SAIGONさんのBún thịt nướng

神戸でおいしいベトナム料理を食べたいとなると、最初に目指す目的地は間違いなく長田エリアです。エリア内にベトナム料理店が本当に多くていつも目移りしてしまうのですが、自分の胃袋のキャパシティが食事一回分しかないので毎回惜しく感じてしまうくらいの美食エリアです。

そんな長田エリアでも、まずオススメしたいのが39 SAIGONさん。アジアンテイストに慣れていない友人に初めてのベトナム料理を紹介するなら間違いなくこのお店を選びますし、ここなら絶対にベトナム料理を気に入ってもらえる自信があります。私も今まで色々なお料理をいただきましたが、どれも非常に手が込んでいて一品一品に込める熱意が伝わってきます。初めての人でもその違いにすぐ気付ける一品は生春巻。一口食べれば今まで体験したことがないベトナム料理の世界が開きます。

39 SAIGONさんの生春巻(Gỏi cuốn)。一口で「生春巻の真髄」を知ることになります。
南部のソウルフードといえばフーティウ(hủ tiếu)。こちらも安定のおいしさです。

ベトナム料理に慣れてきて汁あり麺を一通り食べた人は、牛肉のフォー炒め(Phở xào bò)に挑戦してみてください。「あのフォーをさらに一層美味しく食べる方法があるなんて!」と感動すること間違いなしです。

牛肉のフォー炒め(Phở xào bò)。「今まで生きてて良かった」と思える味です、いやマジで。

サイゴンチュンハイ SAIGON Truong hai (長田)

長田エリアでよく行くもうひとつのお店はサイゴンチュンハイさん。こちらではバインミー(Bánh mì)を頼むことが多いのですが、 お野菜もお肉も贅沢に入っていて満足度が本当に高いです。店主の方がいつも元気が良くて活気のあるのも好きなところです。

サイゴンチュンハイさんのチャーシューバインミー(Bánh mì xá xíu)。元々持ち帰る予定だったのですがあまりに美味しそうなのでお店で食べてしまいました。


こちらはチュンハイスペシャル(Bún đặt tất cả)。つくね入りまぜそば(Bún thịt nướng)の具材全部のせバージョンです。見た目通り豪華な一品!

フォー89 Phở 89 (兵庫駅と新長田駅の中間)

本格的なフォーが食べたくなったらフォー89さんが断然イチオシです。JR兵庫駅とJR新長田駅の中間地点にあるため、どちらの駅からも20分ほど歩かないといけませんが、間違いなくそれだけの価値があるお店です。私もハノイで本場のフォーを何度も食べましたが、毎回「フォーは麺料理ではなく肉料理だ!」という教訓を得て帰国しました。こちらのお店ではその教訓を体現したフォーを食べられます。お客さんの多くはベトナムの方が占めているのも、本場のフォーへの信頼の証でしょう。

フォー89さんの牛肉のフォー(Phở bò)。繰り返しますがフォーは麺料理ではなく肉料理です!

こんな感じで長田エリアにはまだまだ本格的なベトナム料理店が沢山あります。最近は三宮エリアの方がベトナム料理店の増えるペースが早い気がしますが、安定感と風格があるのはやはり長田エリアでしょう。