ガーデナー(庭師)養成講座 第3期 第12日~玉造り刈込編~
5月に入り、だいぶ暖かくなってきました。
これまで、この講座の中で、受講者の皆さんに何パターンかの刈込にトライしていただきました。
アベリアやオオムラサキツツジといった低木類の植込の刈込や、
立ち木のコニファーの刈込、
カイヅカイブキやレッドロビンの生垣の刈込、
直近ではカナメモチとレッドロビンの混植の生垣を題材に、工程管理にもチャレンジしていただいています。
そして、今回は刈込の次のお題目。
『玉造りの刈込』
です。
対象となる樹木は、モチノキです。
刈込自体は何度もご経験いただいていて、基本的な刈込の仕方については皆さん理解されているので、実技に入る前に、講師の細川から、モチノキの特徴と、玉造りの刈込におけるポイントだけレクチャーさせていただきました。
その上で、皆さんに早速実技に進んでいただきます。
今回は、生垣と隣接して生えている立ち木。脚立の使用方法がポイントになります。皆さん、まだ脚立の使用には不慣れ。かつ、生垣の向こう側には近隣のお宅がある環境。そのような状況に配慮し、二人一組になって進めていただきます。
さらに、今回は細川が目標時間を設定。
工程管理にも取り組んでいただいている最中ということもあり、改めて時間への意識を持って取り組んでいただきます。
皆さん、やはり刈込には明らかに慣れてきた・・・という印象で、鋏を動かすスピード、そして何より音が違っていました。
そんな中、今回、皆さんがとにかく苦戦されていたのは、『脚立』です。
まず、立て方。
奥側を刈り込む際には、脚立を生垣を超えて立てなければなりません。しかも、立てるスペースは、隣接した建物との間の限られたスペース。ですから、立てるだけでも一苦労。
さらに、今回は玉造りということで、刈る玉が段状に、かつ点在してありますので、どの高さの脚立をどのように使うかで、作業効率は大きく変わります。
実際に、ペアに分かれて取り組んでいただく中で、ペアごとで効率が圧倒的に違っていました。
ほとんど脚立を移動させることなく刈込を進めていくペアもあれば、脚立を頻繁に移動させたり、複数の脚立を立ててしまって作業をしづらい状況を自分たちで作ってしまっていたり。
この違いだけで、作業にかかる時間は大幅に変わってきます。
いくら鋏を動かすスピードが速くなったところで、それだけで作業全体のスピードが向上するわけではありません。むしろこういったところが大きな違いにつながります。
次に、姿勢。
基本的には脚立を正面に登り、正面に向いて作業を進めたほうが、脚立は安定します。
とはいえ、脚立の高さと対象樹木の高さとのバランスの問題で、そうはいかないケースもあります。
そういうときに、脚立が邪魔にならないように刈込鋏でスムーズに刈り込むための姿勢の作り方もお伝えしました。どう身体をかわして鋏を動かしていけば良いのか。
皆さん、また一段階、ステップアップされたのではないでしょうか。
こちらが仕上りです。
さらに今回は、『トリマー』という工具を使用しての刈込にもチャレンジしていただきました。
まずは重さを実感。
今回は、ガソリンタイプのトリマーとバッテリータイプのトリマー両方を使用。
それぞれ、メリット・デメリットがあります。それを使用する中で体感していただきました。
皆さん、何よりその「速さ」に驚いていました。
それはそうですよね、これまで、刈込鋏で手作業での刈込をひたすらやってきたわけですから(笑)
そんな中、受講者さんから、「でも、これ、これまで鋏でやってきたからわかることですよね」という声が。
まさにその通りです。
作業スピードが圧倒的に速いということはもちろんですが、刈込の基礎となる樹冠線、切り口の作り方など基本的なことを理解していないと、機械でやったときにその基礎がないがしろになってしまう。
ですので、一通り刈込の経験を積んだこのタイミングで、機械を使用しての刈込にトライしていただいたんです。
そして次回はまた、手作業での刈込に戻ります(笑)。
工程管理の続き。皆さん自身で組んだ工程通りに完了することができるのか。楽しみです。
※今後の体験講座の情報は、ガーデナー(庭師)養成講座Twitterで告知予定です。
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