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驚愕の真実。最も成功するのはギバーだが、最も失敗するのもギバーだった


GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代(アダム・グラント)

不動産稲門会の先輩よりご紹介頂いた本を紹介。 感想を一言で表すなら、”人生で読み返したいランキングで、間違いなくTOP3に入る至極の1冊。”といっても過言ではない。2014年に発刊され、読んだ人も多いはず。タイトルである程度、内容のイメージはつくだろうが、その真意を理解し読み解けるほど軽くない。そのぐらい素晴らしい内容なので、核論をこのポストでまとめておきたい。

多くの人が考える「ギブ&テイク」は「マッチャー」である

この本を読む前までは、「与える人」「受け取る人」の2種類が存在するだけだと思っていた。ところが、実際は第3の種類が存在し、ほとんどが「マッチャー」であるというのだ。 ギバー:ギブ&テイクの関係を相手の利益になるようにもっていき、受け取る以上に与えようとする テイカー:得られる利益が損失を上回る場合に限り、相手の有利になるように協力する マッチャー:公平という観点に基づきギブ&テイクを重視し、相手の出方に合わせて行動する(ex 親切にしてくれそうな人に親切にする) 人生は4000週間しかない。そのうち仕事に割けるリソースも考えると選択と集中の重要度は、どの書籍にも金言のようにかかれている。実際、マッチャー思考を身につければ、即効性のある特効薬になる。しかし、この本が目指すのはその先の思考である。それがギバーだ。

成功から最も遠いのはギバー。最も成功するのもギバー

これも意外だった。この違いは図の通り。「他社利益のへの関心」は同じでも、自己犠牲で終わるか他者志向を持てるかで明暗を分けるのだ。この他者志向性というのは平たくいうと「自分のやりたいことを実現しながら周りも幸せにする」という考えだ。自己実現というゴールは同じでも、根こそぎ奪いとろうとするテイカーとの違いはここにある。

なぜテイカーはギバーに勝てないのか?

テイカーが勝つ場合には、他の誰かが負ける。ところが、ギバーは全員で勝つ発想を持っている。勝利ではなく、成功から価値を得ることに加え、価値も生み出し、パイそのものを大きくする。つまり、勝ち負けの概念を超越した土俵にいる時点で、テイカーの存在は眼中にすらないといえる。

ギバーを見抜くたった一つの判断軸

知りたいですよね?作者曰く、超簡単な方法があると。数多のギバーを取材した著者の結論はこれ。「自分にまったく影響力をもたらさない人間をどう扱うか」ここで判断できると。後述するが、ギバーは常に平等かつ、誰よりもその可能性を信じることができるからなしえるからなのだ。この視点を持つことで世の中のマネジメントする側の意識も変わってくるのではないだろうか。

テイカーの特徴

目的達成の遂行能力、パフォーマンスは非常に優秀であり、権力者に取り入るのもうまい。そしてトップがテイカーだと組織もハラスメントが起きやすい組織になる。
<特徴>
・一人称を優先する(私たちより私)
・自分の有能さを自覚し報酬が高いことを当然とする
・自分の視点のズレを正すことはない
・成功するには自分本位にならなければならない

ギバーの特徴

テイカーとは対照的に、まず相手の利益を最大限に考慮し、次に自分の利益を考える思考を持っている。加えて、成功するギバーは、人はみな善人という信念から出発するが同時に周囲の状況を観察して潜在的なテイカーを割り出す直感力にも長けている。
<特徴>
・うまくいかない時は自分が責任を負い、うまくいっている時はすぐに他の人を褒める(心理的安心感のある組織が形成される)
・自己成就予言(その人の一番よいところに着目し心からの期待と信頼を寄せることが凡人をスターにする)
・人が才能を伸ばすきっかけは「やる気」と「粘り強さ(根性)」であることを熟知し、目の前の仕事をより興味深いものとして導く
・有能な場合、弱みをみせることは逆に効果がある(プラットフォール効果)
・ゆるい繋がり、ゆるい話し方(控えめな表現)をする
・アドバイスを求める(ご機嫌取りはテイカーのお箱)
・成功のイメージ「個人の業績+他人への貢献度」

自己犠牲で終わる人のギバーの特徴

冒頭に最も成功しない人はギバーであることには触れた。ギバー精神は諸刃の剣であり、同時に強かな思考も持ち合わせることができなければ自己犠牲に終始してしまう。以下の考えはギバーに限らず、全ての人が意識すべき内容だ。
①信用しすぎない
・直感的に相手の真意を見極め、他人を正確に判断する(単なる愛想を見抜く)
②相手に共感しすぎない
・気持ちを考えるのではなく相手の考えていることを推察する
③臆病になりすぎない
・自分自身を家族に代わって交渉する代理店として考える

どうしてギバーになれないのか?

一番の理由は時間にある。”「与える人が成功する」というロジックは現象として起きるまで非常に時間がかかる。時間的に鷹揚な人でないとギバーにはなれない。”どんどん待つことが難しくなる時代に、ギバーになれる人はほんの一握りだろう。 また、ギブするというのは、実はそう簡単ではない。ギバーの素質として、過去にテイカーという登竜門を潜り抜けた経験も必要かもしれない。修羅場を潜ってないギブはどこか浅く感じる。だからこそ、安易にギブ思考を志すと、最も失敗するギバーの罠に陥ってしまう。

なぜこの本に共感したのか?

一見、ギバー的な振る舞いをしているようにみえて、どうしてそう素直に受け取れないのだろうか?と感じることも多かった。だからこそ「あれが本物のギバーの振る舞いなんだな」「あの言動はギバーに見せかけたマッチャーだった」と自分の感覚を言語化できたからだ。

身近なところで思い浮かぶギバーはいますか?

著者はギバーに出会い、そこから学びの楽しさや深さを得ることが全ての出発点であるこは強調している。私の人生において、本当にギバーだと思える人は僅かだ。幸いにして多いのか、少ないのか分からないが、まずは身近に手本がいることはありがたいし見習いたい。
①恩師(中学時代の塾の先生)
②家族
③SAグループ代表
まず、まず隗より始めよ。この本には本当に感動したので、ぜひ読んで欲しいい

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