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がんを悪化させない試み:山崎章郎

書評(読後感)


山崎章郎著∶がんを悪化させない試み

山崎章郎さんといえば、
緩和医療、ホスピス運動の第一人者の一人。

30年ほど前に「病院で死ぬこと」で話題になった事を記憶。

今回の著作では、
自らステージ4のがん(大腸がんから肺に転移)になった事を告白。

標準医療(公的保険適用)の抗がん剤治療(延命治療)を受けるも
副作用に苦しみ、代替緩和医療を自ら治験者となることを決断。

最新の科学的根拠と成果が見込める可能性ある
食事療法(MDE糖質制限ケトン食)に取組む。

著作の帯が端的に示すように、
副作用で苦しみのなかで残りの人生を過ごすより、
苦しみの少なく、がんと伴に、
自分らしく生きる可能性を秘めた実践。

只今治験者を募集中とのこと。

新たな緩和医療に取組む
山崎医師の思考と実践力は他の著作を通して
知ることが出来ました。

実践と結びついた思考には、
汎用性があリ、他の分野、現場において
参考になると思いました。

*先端の臨床事例で世界的ベストセラーとなった、
キューブラロスの「死の瞬間/死に至るの5段階説」の
自宅での豊かな最期の紹介に衝撃を受けたと、
先生はおっしゃる。
その感受性が日本での外科医として、
当然の心臓マッサージと人工呼吸という
最期の医療行為に根本的疑問視することになった。
そこからあるべき、
がん患者に限定された当日のターミナルケアから、
ホスピスを探求。東京小平に3F建ての医療施設を立ち上げる。
以後日本の地域に根付く緩和ケアのモデルとなる。


最先端の個々の取組に素直に、貪欲に学び、
課題を絞り込むその思考力と具体化していく実践力がある。

個人の生活、関わる現場の課題を解決に向け、
日々苦闘している人々に大きなヒントを
与えてくれるのではないでしょうか。

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