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【完全解説】クロススイッチャー型白馬スイクン【追記あり】

(※11月8日追記:CL後のオススメレシピ、各対面の立ち回りについて)

どうも、CardRushProsのあむ(@4mutaaan)です。

なんとこうしてnoteで構築記事を書くのは2年ぶりらしいです…
というのも抽選に外れ続けたり、シティ中止などで公式大会に1年以上出ていなかったり、中々noteを書くタイミングがないこの頃でした。

今回はカードラッシュが主催、協賛にnote様Sekappy様が入っていた「カードラッシュCS」(本配信アーカイブはこちら)に参加し、予選5-1/決勝2回戦負けベスト8となりました。
本大会はnote様協賛ということもあり、上位入賞者はnoteを書くこととなっていましたので、せっかくなので書くならしっかりと書こうと思いこの記事を作成しました。途中から有料記事となりますが、無料部分もしっかりと書いておりますので、読んでいただけると嬉しいです。(良かったらこのツイートいいね、とかRTも)
以前noteを書いていた頃より大分ポケモンカード人口も増えており、今回は出来る限り初心者~中級者の方でもわかりやすい内容を心がけています。競技勢の方からすると少し物足りなく感じるかもしれませんが、ご了承ください。

さて、記事の方を書き始める前に少し前提となる話をしておきたいと思います。
ここがゴチャゴチャになってしまうと、記事を読んでくださっている方にしっかりとデッキの意図や構築が伝わらず疑問点を残してしまう懸念があるため、少しお付き合いください。

■前提の話

現環境において「白馬スイクン」やら「スイクン系統」といったデッキは、1つのデッキタイプとして一般的にはまとめられていますが、大きく分けて以下の3つのタイプがあります。

  1. クロススイッチャー型・白馬スイクン

  2. 白馬スイクン+フリージオ

  3. スイクン+フリージオ

これらはそれぞれ「コンセプト・デッキ構築・プレイング・仮想敵への対応」が違うため、ひとえにまとめて解説出来ない全くの別デッキだと自分の中で考えています。そのため今回はデッキの詳細な話に入る前に、まず前提としてこれらのデッキタイプに関する簡単な紹介から始めます。

①クロススイッチャー型 白馬スイクン

スイッチャー白馬

デッキの動きの点数を付けるとすれば、40点~85点という実感値のデッキ。
「メロン+クロススイッチャー」の最強ムーブにより、1ターンの最大値が非常に高く強力なデッキタイプ。
裏工作への依存度が高く、メッソンをしっかり置くことが大事。そのためクイックシューターのインテレオンに進化する余裕はあまりなく、VMAXを「クイックシューター+ダイランス」で倒すようなプランは取りにくいです。逆にアタッカーのVMAXを無視して2-2-2と取るプランも可能になっており、サイドレースを考えやすいのがデッキの特徴です。

②白馬スイクン+フリージオ

白馬フリージオ

これも点数を付けるとすれば、45点~75点くらいが出せるデッキ。
「フリージオ+クイックシューター」で打点やVMAX相手のHPを調整してダイランスで絡め取る、もしくはダイランスから入ってフリージオで後ろ縛ってクイックシューターで取る動きが基本的。
ダイランスを〆の役割の用に使うため、序盤中盤は手張りだけでエネルギー加速が間に合うので『メロン』への依存度が低く、『博士の研究』や『ボスの指令』といったサポートが打ちやすいデッキです。
アタッカーも基本的にサイド3枚か1枚のポケモンしかいないので「3-1-1-3」や「1-3-1-3」といったサイドの取らせ方を押し付けやすいのが特徴です。

③スイクン+フリージオ

スイクンフリージオ

これも点数でいうと55点~70点を出せるデッキ。
スイクンは2エネで中高打点を出せる強力なアタッカーですが、白馬とは違い打点が相手依存であることから、ゲーム全体のプランを考えるのが少し難しいデッキです。
その分デッキのアタッカーは基本的にたねポケモンのみで、エネ色的にキャプチャーエネルギーも採用できるため、下振れが少ないのが特徴です。

今回の記事では特に①の「クロススイッチャー型 白馬スイクン」について、デッキ構築の経緯構築のポイント選択枠のカードと取捨選択の考え方、現環境のポイントなどを中心に解説していきます。

③の「スイクン+フリージオ」については調整メンバーのしゅん選手がCL京都top16&シティ優勝した内容をnoteに書いております(※有料)ので、そちらもご覧ください。

■簡易対戦レポート

1回戦 先攻 6-3 3神ザシアン
先2でサイドを先行できない展開だったが、アルティメットレイの返しにエネの付いたザシアンVを倒すことが出来たため耐え。

2回戦 先攻 6-3 3神ザシアン
クロバットVスタートで初手も芳しくない限界ギリギリバトル。
スタンプから有効牌が引かれず勝ち。

3回戦 先攻 6-3 クワガノン (※配信卓)
相手の事故もあり、サイドを進められ、マントミュウも作れたためそのまま勝ち。

4回戦 後攻 6-3 悪パーフェクション
相手に有効なデッドムーンだけは打たれないようにサイドを取り、2-2-2で取りきって勝ち。

5回戦 後攻 2-6 ミュウVMAX
タフネスマントのサイド落ちを確認ミスしてしまい、スイクンVが耐えなければ勝ち筋がなくなってしまうタイミングで耐えることが出来ずに負け。

6回戦 後攻 6-4 リーフィアVMAX+ガラルファイヤー
先攻から順調に動かれサイドを取られる展開でしたが、トラッシュにポケモン入れ替えが落ちていたこともあり、回収ネットで回収出来ないデデンネGXをクロススイッチャーしてリセットスタンプから相手のガラル鉱山を利用し縛り、無傷のリーフィアVMAXに2回サイコパワーをして最後はダイランスで勝ち。

予選5-1 2位通過

決勝トーナメント1回戦
vs とーしん 先攻 6-4 リーフィアVMAX

動画になっています。詳しくはこちらを。
https://www.youtube.com/watch?v=8lsrGxN8Eoo

せっかく映像あるのでプレイに関して少し話します。
先2の裏工作は手札をトラッシュしたくないカードばかりで『博士の研究』にも行けず、相手も『メッソン』がプレイ出来ていない手札なので『マリィ』も出来ず、たっぷりバケツから最低限の動きとして水エネルギーだけ。
この盤面で捨てたり空打ちしてクロバットVしなかったおかげで、最後のターンまで繋がってるのでそこは良い点。

後攻2ターン目が終わった時点で無傷のリーフィアVMAXとリーフィアV。
こちらはクイックシューターが立てられるような状況ではなかったので、次進化してくるであろうリーフィアVMAXを無傷の状態から倒すのは無理そう。サイド1枚のポケモンは回収ネットで消える可能性もあるが、メッソン0体の場だったのでカジッチュが残るかメッソン出ると考え3-1プランを通すことにしました。これは悪手。
先攻3ターン目にクイックボールから白馬を用意しましたが、ここは手札のスイクンを次のアタッカーとして考えクイックボールはメッソンにするべきでした。次のターン以降の動きがこのプレイのせいで弱くなっています。
こうしてしまった原因としては、相手が事故り気味だったことと、HP40のカジッチュが場に居たため、インテレオンのアクアバレットでリーフィアVMAXを倒しながら20乗せるのが次のターンの良い選択肢に思えてしまったため。
普通にスイクンVでリーフィアVMAXを倒し、インテレオンに回収ネットを打って場をメッソン+ジメレオンみたいな強い場にするべき。
相手の場が弱かったため、こちらのリセットスタンプから「エネルギー手貼り+カジッチュ進化+リセットスタンプ」までこれないだろと油断した結果です。反省

決勝トーナメント2回戦
vs いちごさん 先攻 ?-6 白馬スイクン
先攻の利を活かし順調にサイドと盤面を進めるものの、相手の「マリィ」+「ポケモンキャッチャー」+「カチカチロック」から4ターン何も引けずそのまま白馬Vが倒されてしまいサイド逆転。
ラストはメロン3落ちを見てクロススイッチャーからクロバットVを縛ってサイコパワーで白馬VMAXをダイランス圏内に入れようとするも、リセットスタンプの2枚が「ポケモン入れ替え」+「たっぷりバケツ」で敗北。
後日動画になるかもしれないらしいです。

と対戦レポートは簡潔にここまでにして、本題に入りたいと思います。

■現環境に関して

Tier1 白馬、黒馬、3神、ミュウ
Tier1.5 クワガノン
Tier2 ムゲンダイナ、連ウー、テンタクル、リーフィア、ゲンガー、ルカメタ、スピードザシアン
Tier3 その他

この環境のイメージに関してはある程度共通認識のような気がしています。
クワガノンは若干対策がされ生きにくくなったものの、Tier1以外の他デッキよりはデッキパワーが高く立ち位置も良い印象。

今回の環境で戦うにはTier1~1.5の5デッキを見なければなりませんが、正直な所これら5個全てに有利が付くデッキは今の所ありません
そのため自分が現環境において大事だと思うデッキ選択の基準としては
・上位5デッキのうち2つに有利が付くこと
・上位5デッキのうち2つに明確な不利が付かないこと
です。

今回使用した「クロススイッチャー型白馬スイクン」は、10月10日に行われた「たみポケ」という自主大会で勝ったというスイッチャー型のリストをTwitterで見かけ、明らかにデッキパワーが高いと考え使い始めました。

上記デッキ紹介でも触れたとおり、デッキ自体のパワーの高さも魅力的ですが、何より強いと感じた要素は相手目線でケアしきれない動きを押し付けてくること、後攻から捲るレベルのデッキパワーを備えていることでした。
そこから若干の調整を経て、クワガノンには有利・黒馬3神は若干有利・ミュウは若干不利が付くというイメージで今回のデッキ選択に。
今でもこの認識は変わらず、チャンピオンズリーグ福岡の逃げデッキはこのデッキでした。

■現環境のデッキ構築のポイント

自分が現環境において好ましいと思うデッキ構築のポイントは以下の2つです。
・上振れ要素がある
・後攻から捲る手段がある

先攻が強い、というのはVMAXが進化であることや他デッキへの理不尽な押し付けが出来るなどどうしようもない事実としてあります。先攻が強くあるためにも先攻2ターン目で相手のプランを崩せるレベルの上振れをデッキとして持っていることは非常に大切です。
上振れというと少し語弊があるかもしれませんが、先攻2ターン目の白馬VMAXのダイランスや、リーフィアVMAXのくさむすびザシアンVのブレイブキャリバーなど、先攻2ターン目に明らかに強い動きがあるデッキはそれだけで使用デッキの候補になり得ると考えています。

これらの上振れを持っているデッキにおいて、先攻2ターン目の強い動きをするために大事なこととして、当たり前かもしれませんが先攻1ターン目の動きが重要になってきます。
先攻1ターン目はサポートが使えないというデメリットがあるため、クイックボールやレベルボールといったポケモンを呼ぶカードを減らすような構築は特に好ましくありません。その点メッソンさえ置ければ先攻2ターン目から動きやすい裏工作軸のデッキは強力ですし、『キャプチャーエネルギー』を採用出来るデッキはかなり魅力的です。

また後攻から捲るというのも、先攻が強い環境では必然的に大事な考えになります。お互い先攻を望むデッキだったとしても、実際に先攻が取れるのはじゃんけんの達人でもない限り2回に1回です。

そういったカードとして代表的なのがミュウVMAXにおける『カミツレのきらめき』だったり、エネルギーテンポを巻き返す『キバナ』だったり、逆にエネルギーテンポを遅らせる『クラッシュハンマー』や、『クロススイッチャー』『マチスの作戦』により追いつくこと、ターンを稼いで逆転する『フリージオ』、相手のサイドレースを遅らせる『モミ』『マオ&スイレン』、そもそも対戦拒否をする『ジュラルドンVMAX』『ザマゼンタV』などといったカードたち。
こういったカードが入っていなかったり、サブアタッカーを挟み逆転するプランがないデッキは、現環境において中規模以上の大会に持ち込むのは厳しいデッキだと考えています。

今回の「クロススイッチャー型の白馬スイクン」はデッキ選択のポイントもデッキ構築のポイントも満たしており、非常に良いデッキだと判断したため、ラッシュCSで使用することにしました。

■ラッシュCSで使用したデッキレシピ

画像4
(デッキコード:SMMpyM-rLYwfY-2MXM22)

細かい採用枚数は複数の要因が絡むこともあるので、ある程度まとめながら解説していきます。

無料部分はここまでになります。

ここからの有料部分では
■デッキレシピの解説
■ボールやサポート枚数について
■選択枠の取捨選択に関して
■CL向けの60枚
-----以下11月8日追記-----
■最終調整&CL福岡以降のレシピ
■上記レシピでの環境デッキへの立ち回り
について主に話していきます。

特に最終的なレシピに関しては他の白馬スイクンとは考え方が違っておりデッキ全体のパワーが高いと思います。レギュレーション変更後も強いデッキタイプなので是非ご覧ください。
(※過去の有料noteに比べるとより初心者~中級者向けの内容となっています。このデッキタイプの理解を深めたい方、デッキ構築や考え方にお悩みの方にオススメです。)

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