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バーフバリ二乗の面白さ「RRR」

バーフバリ二部作が日本でも話題になったS.S.ラージャマウリ監督の最新作、インドや世界各国では既に公開済みで、Netflix配信されている地域も多いそうなのですが、ようやく日本でも公開されることになりました。

ストーリーは1920年代、大英帝国による植民地支配を受けていたインドで、ラーマとビーム、二人の男が、互いの正体を隠しながら友情を深めていくというもの。
二人の英雄も、実在した人物がモデルらしいですが、まあ本作を見る限り、「モデル」という概念は、真・三國無双に出てくる呂布が実在の人物らしいよと言ってるのと同レベルなので、別に知らなくても問題ないんじゃないかな、と思いました。

本編は、バーフバリの監督最新作!と期待して観に行った人が満足できる、「ありえねー!けどあいつらなら出来る!」と謎の説得力溢れるアクションの鶴瓶撃ちでした。個人的には肩車脱走からの肩車リロードが最高すぎて。何そのマッスル・ドッキング。
そして、その上でストーリーがいいのですよ。分かりやすい勧善懲悪ものではあるのですが、そこに至る話運びがとにかく感情を刺激してくれて。
警官として、イギリスの犬のように職務に忠実なラーマと、総督に連れ去られた妹を救いたいラーマとの友情と確執、互いに陥るピンチと、そこからの救出劇に至る作劇が本当に見事で。
バーフバリでも感じましたが、ラージャマウリ監督は超人的な力を持つ主人公を、一旦絶望的なピンチに追い込む描写がとても上手いです。これは、バーフバリで主人公を演じたプラバースが別の監督とタッグを組んで制作した「サーホー」を見ると違いが明確です。同じように主人公は超人的な英雄なのですが、こちらは大ピンチに陥ることなく、物語を終えます。こちらはこちらで漫画「コブラ」的で面白いのですが、超人的な英雄が一旦地に落ちてからの大逆転劇を描くラージャマウリ監督の手法はやはり、唯一無二のカタルシスがあります。

本作、バーフバリでの盛り上がりが功を奏したのか、上映館も比較的多いですし、劇場によってはIMAX上映もある様子。気になる方はぜひ大きめのスクリーンで堪能していただけると、3時間後には幸せな気分で劇場を後にすることができると思います。




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