2扉車(2019.07.12)

名古屋鉄道において、特急車両を除き最後まで残っていた2扉車は5700・5300系である。この形式は、国鉄分割民営化直前の東海道本線名古屋口での快速列車の増発に対抗し、「高速」や「急行」で使用されていた5200系等を置き換えることを主な目的として1986年にデビューした。その後一部編成は6両化される。「高速」や「急行」の使用車両刷新が主たる目的であったが、1990年の改正で、特別車両券が不要な車両とそうでない車両を混結した「一部指定席」の特急が誕生した。現在はそれが当たり前となっているが、当時はパノラマSuperやパノラマカーと連結し、一般車用として特急にも運用されるようになる。後にこのような運用は解消されているが、高速や急行用として登場したものの、特急の一般車の風格としては十分だろう。

その後は河和線・知多新線の特急(全車一般車)や普通などに起用されていたが、2019年12月23日、5305編成の廃車により同形式は消滅した。

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大半が3扉車のなかでの2扉車は、名古屋駅のような肉声で案内があるような大きな駅では乗車位置を事前にわかるが、案内がない駅では客から好まれなかったのかもしれない。

自分も通学で利用する機会が多く、また、パノラマカー引退後においてもパノラマの名残を感じる数少ない車両であった。