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修正点を一つずつ 33節 アトレティコvsアトレティック(H) 2024.4.27

気を取り直す事にも慣れてきた今日この頃。ホームで国王杯チャンピオンと戦う。前回対戦はその国王杯準決勝

勝ち点61のアトレティコと3ポイント差で追うアトレティック。4位を争う6ポインター。3試合勝利なしのアトレティックも踏ん張りどころ。




●スタメン

・アトレティコ
オブラク
ヴィツェル / ヒメネス / エルモソ
モリーナ / ジョレンテ / コケ / デ・パウル / リーノ
グリーズマン / コレア

最終ラインを2枚入替。サヴィッチは累積。
中盤にジョレンテが復帰。モラタもベンチに戻っている。

・アトレティック
シモン
ジェライ / ビビアン / パレデス / レクエ
ルイス・デ・ガラレタ / プラドス / サンセ
イニャキ / ニコ / グルセタ

デ・マルコスとユーリがメンバー外の最終ラインはジェライをスタメンに。ビビアンが右SBをやる。あとはベストメンバーで。




●前半

アトレティコは記憶している中では2019年の加入以来初めて、ジョレンテを真ん中より左側で起用。デ・パウルが右。狙いは非保持。

5-4-1

コレアが右に落ちる5-4-1を作り、大外の突破を警戒した。ライン間の幅を狭めて真ん中でデ・パウルとコケが見張っていれば中央ルートは封じられるわけで、この辺りが原点に戻ったというか、基本に忠実だったのはおそらく最近の閉塞感を打開するためにこういう要素を大切にしようという準備だったと思われる。非常に好感が持てる態度です。
特にデ・マルコスとユーリの不在でSBの持ち出しに自信が持てなかったアトレティックはなかなか侵入ルートが見つけられなかった。グッドです。

さらにニコのいる左サイドはハーフスペース侵入をサンセ、プラドスが狙っており、ここをヴィツェルが得意の前向き対応で何度も飛び出していった。ヴィツェルのタスクが明確になる事で玉突き的にモリーナのタスクも明確になっていくのは今季よく見た景色な気がする。モリーナはもう少し自分から主張できるといいんだが、まあ良いでしょう。
モリーナを抜けないニコは単独で仕掛ける機会を作りたいので20分過ぎに右に移動してリーノとのタイマンを希望した。ボールは持てているので、サンセのサポートを受けながらリーノ&エルモソのサイドからなら突破できそう。おれもそう思う。

アトレティコは自陣で良いブロックを作れている時間帯に先制できたら最高ですね、の中で15分に先制できたので最高。前半の先制点は何事にも勝る。ジョレンテは未体験の左サイドでもちゃんと縦に抜けてチャンスを作れたのは花丸。絶対に左足ではクロスを上げない強い意志を感じた。もうちょい工夫しよう。とんでもない人数がエリア内に入っていたのも最近の閉塞感を打開したい思いからだったと思うので、目標が減ってきたシーズン終盤にこういうリアクションが出来たのも良い事だと思う。たくさん褒めちゃう。

アトレティコはヴィツェル&ヒメネスを後ろに並べてその前に3枚。"アトレティコはマドリーとやる事に慣れている"という話をどこかでしたが、さすがに今季4度目となるアトレティック相手も慣れてきた感があり、アトレティックの前4枚に効果的なプレスを掛けさせなかった。2-5-3のような形で進んでいく。ヒメネスは左からの前進をサポートしつつ常にモリーナへのサイドチェンジをチラつかせており、アトレティックの最終ラインの高さを能動的にコントロールする効果を得た。
結果的に前半は保持率45.6%、パス成功は248対288とほぼ互角のボール保持となった。45分にグリーズマンのパスミスでカウンターを許しニコに決められた事以外は概ね課題感のない前半を過ごした。



●前半終了

失点以外は問題ないと言いつつ、リードしてこそ効果的な5-4-1だった事も事実。取られたものは仕方ないが後半にもう一つ山を作る必要が出た。結果論だがもう一つチャレンジが出来る試合になったのは良かったんじゃないでしょうか。



●後半

双方選手交代はなし。あらためて中盤でペースを握り合う球際合戦が発生したが、一枚上手だったのはコケ。混戦の中でジョレンテの落としを受けて背後を狙ったコレアへ2タッチで正確なタッチダウンパス。神技が飛び出してコレアも100点満点の1stタッチ。先季に並ぶシーズン9点目。

ペースを変えたいアトレティックは66分にベレンゲル、ムニアイン、エレーラをまとめて投入。プラドスを右SBにする。余談だが右レクエ、左プラドスじゃダメですかね。
同時にアトレティコはモリーナ→リケルメを交代してジョレンテを大外に動かした。アトレティックは70分にベスガも入れている。

アトレティックは良くない日のアトレティックで、結局侵入していく方法を見出せずブロックの外を行ったり来たりした。それでも大外からの侵入が伴い抜ききれなくてもやり直してアーリークロスがピタリと合えば、というのがアトレティックの狙いだがこの日はアトレティコの大外守備が上回り、アーリークロスの出し手となるデ・マルコスがいなかった。
一方のアトレティコは80分に綺麗にプレス回避から前進してリーノのシュートが決まって3-1とする(記録はオウンゴール)。ホームで出来るこういう追い込み方がアウェーになると一切出来なくなる理由が結局わからない。ブロックを作って外側へ押し出し、ボールを奪うと再奪回を外して保持の時間を作れた。特にこの日は縦に速い狙いを共有出来て陣地回復が効果的。リードする時間を長く持てた事で全体をコントロール下に置いてプレー出来ていた。勝てる試合というのはこういうものだ。



●試合結果

23-24シーズンを線で追っている身からするとこの試合で作れた優位性の決定的な理由はアトレティックの出来の悪さだと思われる。それだけ今季のアトレティックは引いたブロックを崩す上で両SBの役割が大きいという事。デ・マルコスとユーリがいない試合なんて来季も想定されるもので、補強は出来ないなりにどうにかしたいところ。2人とも良い歳だし。個人的な好みだけどゴロサベルはダメですかね。ソシエダ育ちだから本人が嫌ですかね。

アトレティコは勝てばいい試合を勝てたという印象。こういうところで苦しむのがアトレティコだが、ある程度楽をして6ポイント差に広げた。

好印象だったのは5-4のブロックでサイドの侵入を止め、HVが前向きにボールを奪うという基本に立ち返れた点。この一週間意識して準備した様子が見られた。一個ずつ改善していけば良い。
もう一つはサイドを進まれた時のCHの立ち位置で、最近はゴール前に集まりすぎてドルトムント戦2ndレグの4点目やアラベス戦のベナビデスの先制ゴールのように跳ね返りに対応出来ずシュートを打たれる形で失点していたが、修正している様子が見られた。コケがPA内まで落ちて他は留まる。終盤のクロス放り込みにはサウルがゴール前まで落ちてヘディング担当。良い準備をして良い守備が実現出来た。良い試合。これを続けたい。

残り5試合。上も遠いので高望みは出来ないが、4位を死守しつつ落ちてくるのを待つ。ジローナとバルサは直接対決を残す(来週の34節)のでどうにかなってほしい。直接対決の成績の都合でジローナが落ちてくる方が助かるが、どうでしょう。


4/27
シビタス・メトロポリターノ
アトレティコ 3-1 アトレティック
得点者
【アトレティコ】’15 デ・パウル ’52 コレア ’80 OG(ウナイ・シモン)
【アトレティック】’45 ニコ・ウィリアムズ


●ピックアップ選手

ニコ・ウィリアムズ
最大限のリスペクトを。

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