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【資金繰り】その売上げ、いつ振り込まれるの?は気にしよう

商売において、支払いサイトの長さは資金繰りに大きく影響する。売上げがあってもそのお金はいつ振り込まれるか?も意識しよう、という話

久しぶりに悪い夢で目を覚ました。

会社の預金残高がなくなり、各仕入先から支払いの催促を受ける、というような夢であった。



10年前のトラウマか、当時は資金繰りに窮し、仕入先に支払いを待ってもらったり、銀行に融資の返済を減額してもらったりと、常にお金が足りずヒリヒリした毎日を送っていた。

わたしが会社を引き継いで一番初めに覚えた言葉が“資金繰り”というくらいである。それだけお金に苦労していたことは間違いない。



商売でお金に困るとすぐに追加の融資やキャッシングなどの安易な方法でその場しのぎをしようとしてしまう。

確かにお金が足りないのは明らかなのだが、資金繰りにおいて、それなりに売上げがたっているにもかかわらずお金が足りないケースもある。

毎月かかる固定費などの経費が圧迫しているというのもそうなのだが、支払いサイトを見直すという観点も重要ということにその当時気がついたのだ。



支払いサイトとは、取引きにおける支払い期日から実際に振り込まれるまでの期間を示し、例えば請求書を月末の締めで発行し、サイトを45日と設定しているなら、売上げが振り込まれるのは翌月の15日となる。



あとから知ったのだが、支払いサイトにおける会社に資金を残す鉄則は「支払いは遅く」、「回収は早く」というもの。

当時の弊社のサイトは20日締めの翌20日支払いと短いし、しかも20日という中途半端な締めと支払い期日は古い慣習がそのままとなっており、そのズレもまた資金繰りを苦しめている要因であった。



さっそく各仕入先に支払いサイトの変更をお願いするのだが、了承してくれたのは5社中2社のみ、あとの3社は様子を見て今後検討するというもの。

当たり前の話だが、赤字の売上減の取引先が支払いサイトを変更しろ、というのは黄色信号と捉えられる。それでも半年おきに交渉し、3年後にはすべての仕入先のサイトを伸ばすことに成功した。



その間、仕入先に貢献できるよう、売上げを少しずつ伸ばすように努め、相手にいい印象を与えるように心がけた。

支払いサイトが伸びたことにより、お金の忙しさは格段に減り、徐々にではあるが資金が残るようにもなってきた。



ムダな経費の削減や売上増加につながる施策もあったが、支払いサイトを変更したことによるインパクトは足かせをひとつ外せたくらいに大きかった。

冒頭のわたしの夢のような状況に陥っている会社があったなら、売上増加、経費削減、支払いサイト変更の3つを是非試してみてほしい。

資金繰りの悪化には足元の改善がポイントになるケースがある


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