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【11日目】くらしをつくる。


遠野は歴史的に
馬と暮らしてきた町です。

岩手の中心に位置し、その昔は
東西南北へ人が行き来するにあたり
人が交わる重要な要所だったそうで


大規模な馬のせりが行われたり



馬に荷物を載せて沿岸部へ
行商をしたりしたそうです。


また日常においても
「南部曲り家」といって
L字型の特徴的な家屋で
馬と一緒に暮らしていたそうです。
(Lの短い方が馬のスペースになります)


また、馬を使った林業、
「馬搬」も遠野に根ざした文化です。


ここに住むんだから観光客的な
キャピキャピ行動は控えていましたが、
この写真はかっこよすぎて
おもわず写真集を買ってしまいました。

ひきこまれますね。


そんな遠野に来たというのもあり、
今まで全く考えてこなかった、
馬について考える時間ができました。


まず

友人のデザイナー石井 挙之が
遠くロンドンより、
この本いいぜ
と教えてくれたのがこちら。

西村佳哲『ひとの居場所をつくる』

ランドスケープデザイナーの
田瀬理夫さんのお話です。

田瀬さんはもう70歳を越える方ですが
遠野の高原にクイーンズメドゥカントリーハウス
という馬とふれあう場をつくられた方です。

本の中で、強く共感した点は2点。

・馬を中心に据えた生活・まちの可能性について
・毎日、手間をかけたことの積み重ねが
 文化となり、景観を作っていく


馬は農業の動力源、堆肥の活用、
ちょっとした移動手段や
ホースセラピーとしてもつかえ、

いわば循環する生活における
多機能ツールとしての
可能性を秘めている、と。



そして、田瀬さんは
そんな馬と暮らすために

「これからの日本の暮らし方・
営み方のモデルケースとなるために」

長い年月をかけて山を拓き、家を
セルフビルドして空間を
つくりあげてきました。

そして、文化というのは
そういった日々の暮らしの積み重ねで
できるものである、と。そう説いています。



こちらに来てからお知り合いになった
菊地 辰徳さんは、そういった意志を引き継いで
数年前に遠野へ移住し、馬との暮らしを
つくろうとされています。


こちら冬の写真。
左の厩舎もセルフビルドだそうです。
すごいです。


今日も菊地さんの家に
お邪魔していましたが

空き家を自分たちの力で
改装されており、センスが随所に
感じられる、とてもすてきなおうちです。
(かなり大変だったと聞きましたが、、)

こういう家いいなぁ。
ブラックのキッチンも
奥さまが塗られたとのこと。
かっこいいです。


また、先日は釜石にて
同じように空き家を改修し
馬と暮らす拠点にされている
三陸駒舎の黍原(きびはら)さんにも
新法人メンバーでお会いしてきました。

(右から二番目が黍原さん)

こちらが改修されたご自宅。
右側が馬の厩舎です。

内部も特殊な暖房装置など
工夫が凝らされ

もはや、だんだんと
家を自分たちでつくることにも
驚かなくなってきました笑

むしろ、ガンガン作りたいですね。



いきなり馬との暮らしは難しいかも
しれませんが笑、

こういった
「自分たちのくらしを
自分たちでつくること」は
ぼくが移住をきっかけに掲げた
大きなテーマでもあるので


遠野に来たからできた

・空き家をセルフリノベーションしたり
・暖房器具をつくったり
・家具や建具をつくったり
・はたまた豚や羊を飼ったり
・野菜を育てたり
・そして自分で食事をつくったり

をしたいなぁと思います。



そして、「くらし」の中には
当然仕事・生業も含まれます。

これこそ、自分が遠野で
チャレンジする最大のミッションであり、
"打席" と表現させて
もらっているものです。

遠野という地域とつながり
この場所にある資源を生かして
新しい事業やコミュニティをおこし
数年かけて、「つくる」人に
なりたいと思います。


最近、引越したのもあるかもしれませんが
地域おこしや地域活性というワードは
ほとんど頭をよぎらず
(当然気持ちとしては持っています)

シンプルに、
いかにここにある資源をベースに
新しいビジネスをつくるか
という考えで動いています。


なので、そこに地方や
都会という境界はあまりなく、
むしろ今はここで目にするものや
これから僕らが仕掛けようとしていることが
新しいとさえ思ったりもしますので、

いろいろな方と協力しあいながら
仲間を巻き込みながら、

冒頭の田瀬さんじゃないですが、
日本のこれからのモデルケースになるよう
頑張っていけたらと思います。

できると思うんだよなぁ。



目線は高く保ちつつ、
日々の地道な
素振りや走り込みを
かかさずやっていこうと思います。

それでは長々と失礼しました。




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