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BRAWがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!


どうもBRAWおじさんです。BRAWしか勝たん。


ご無沙汰しております、スーです。前回の記事で、Blackmagic RAW(.BRAW)というフォーマットについて触れておりましたが、今回はこのBRAWについて語りたいと思います。


BRAWって何?

だいたいこんな感じです。

Blackmagic RAWは、画期的で極めてモダンな新しいコーデック。人気のビデオフォーマットと比較して、使いやすく、はるかに優れた画質であると同時に、RAW収録ならではの利点も余すところなくサポートされています。進化したデモザイクアルゴリズムなどの新テクノロジーを複数採用したBlackmagic RAWでは、高解像度、高フレームレート、ハイダイナミックレンジのワークフローに最適な視覚的ロスレスのイメージが得られます。驚異的な画質、幅広い種類のメタデータのサポート、高度に最適化されたGPUおよびCPUアクセラレーション処理などの優れた特徴により、Blackmagic RAWは、撮影、ポストプロダクション、フィニッシングに使用できる世界初のコーデックとなっています。Blackmagic RAWは全く新しいコーデックです。また、クロスプラットフォームで、無償であることに加え、デベロッパーSDKを含むため、使用しているソフトウェアにBlackmagic RAWのサポートを追加することができます。


おっけー、大体わかった。(わかってない)


ざっくりメリット・デメリットを考えてみる

とまぁ、Blackmagic Designのサイトから紹介文を引用してきたわけですが、これで内容が理解できる人ってほぼいないんじゃないかなと思います。相当通な人でないと「はにゃ?」って返しそうな所です。

私も正直全容を把握しているわけではないのですが、実際に使ってみて感じたメリットやデメリットを紹介していきたいと思います。

メリット1:ウソのようにデータが軽い。

前回の記事で、SIGMAfpのRAW撮影を行う場合、ビットレートは約3Gbpsで、1秒間に372.5MBのSSD消費があると書きました。

2,980Mbpsってどれぐらい早いかというと、約3Gbpsですからフレッツ光の3倍です、インターネットの3倍早い。また、Byte/秒に直しますと、372.5MB/sとなり、約2秒でCDが1枚、12秒でBlu-Ray Discが埋まります。

一方Blackmagic RAWで記録した場合のビットレートは、複数の圧縮率が選べるのですが、そこそこ画質が維持できて、手を出しやすい「Blackmagic RAW 8:1 Cinema4K 24p」で記録した場合のビットレートは約220Mbpsとなります。※スーの実測値。実際には多少前後すると思われます。

3Gbpsと220Mbpsですから、データサイズが1/10以下になるわけです。このビットレートだと秒間27MB消費するわけですから、お手持ちのSDカードに記録することだって(理論上は)可能となります。

※SDカードにはビデオスピードクラス という性能表示があり、この性能を持つSDカードにはV90,V60,V30といった表示があります。ビデオスピードクラスは「動画を記録した場合に、1秒間に何MB記録は少なくとも記録できるか」を表していて、例えばV90であれば、1秒間に90MBの連続書き込みはできる性能がある、という意味合いになります。今回のBRAW 8:1で記録する場合はV30のSDカードで記録できる事となりますが、性能の余裕をみてV60のカードを選択するべきと考えます。

参考までに、LUMIX S5に4K動画を高画質記録すると、ビットレートは150Mbpsとなります。本当にRAWなのか?と思うサイズです。

なお、Blackmagic RAWには、複数の圧縮率を選択することができて、8:1の他に3:1,5:1,12:1の固定ビットレート、q0やq5の可変ビットレートを選択することができます。選択肢が広いのは魅力的です。

メリット2:超高速RAWパフォーマンス!たぶんMP4より軽い

体感なのですが、Adobe Premiere Proで利用する場合、4K解像度で利用している限りはBRAWで記録した動画の方が、MP4で記録した動画よりも編集自体はサクサク動きます。(ホントです)相当古いパソコンでない限りは動作すると思われます。

メリット3:自由な露出制御・自由なホワイトバランス

Blackmagic RAWのメリットとして、明るさを後で調整しても画質への影響を少なくできるメリットがあります。また、ホワイトバランスも編集画面上で完全な調整ができる(MP4ですと、ある程度調整すると画が破綻する)ので、カラーシフト(オレンジ色の照明を当てて空を青くしたり、緑色の照明を当てて空をピンク色にする)を行いたい場合には非常に都合が良くなります。


デメリット1:記録できるカメラが少ない

ここまでメリットしか伝えてこなかったBRAWですが、もちろんデメリットもあります。代表的な欠点としては、収録できる環境が限られる点です。

カメラ単体でBRAWが収録でできるものは、以下のBlackmagic Designのカメラに限られます。

非常に少ない。

また、以下のモニターレコーダー「VideoAssist」を利用することで、Nikon Z6やPanasonic S1H/S1/S5、SIGMA fpのカメラでBRAWを収録できるようになります。

私の場合は、LUMIX S1/S5/SIGMA fpから出力した映像をBlackmagic Video Assist 12G HDR 7inchに記録しています。

デメリット2:編集できるアプリが限られる。

BRAWを取り扱える編集アプリの少なさも問題です。現在のところBRAWが利用できるアプリとして、

DaVinci Resolve Studio (BlackMagicDesign)

EDIUS X Pro (GlassValley)

のみが標準対応となります。正直少ないです。また、以下のプラグインを入れる事で対応するのが、

Premiere Pro (Adobe)

となります。しかし、純正のプラグインは、(最近は安定してきたと聞きますが)動作が不安定なため、私の場合はサードパーティ製のプラグインを利用しています。

残念なことに、Youtuberがよく利用している、FinalCut Pro(Apple)は対応していない他、ニコニコ動画では広く利用されていたAVIutilにも対応していません。これらのアプリを使用している方は、対応アプリに乗り換える必要があります。

デメリット3:現像が必要

通常の色調整とは別に、現像という処理が必要となります。これがPremiere Proの場合、通常使っているLumetri Colorというエフェクトでは操作できず、BRAW Studio Pannelという独自のパネルに表示されるため、切り替えがめんどくさいというのもあります。

デメリット4:ノイズと収差は後処理で

BRAWは高感度撮影を実施した場合、比較的ノイズが乗りやすいです。これは普通のカメラでは、高感度撮影の時にノイズを消す処理を行なった後に動画を記録している為で、BRAWではこの処理を編集時に行う必要があります。DaVinciの場合はノイズ処理がアプリの機能にありますが、Premiere Proの場合はNeatVideoというプラグインを別途購入する必要があります。

また、広角レンズを利用した場合に顕著に現れるのが、レンズの歪み(収差)です。これも通常はカメラ側である程度補正して記録しているのが、BRAWの場合は編集時に行う必要があります。

そのため、BRAWは適当に撮って適当に編集してサッと動画を上げるスタイルには向かず、自分の好みの映像にじっくりと整えてから出したい用途に向く記録方式と言えます。故に踊ってみたの動画編集やMVには向いている!と考えます。

まとめと作例

このように、BRAWはある程度の注意点はあるものの、繊細な調整を施したい映像作品に作るのに大変オススメの動画フォーマットです。もちろんベストなのは非圧縮のRAW収録ですが、画質劣化のほとんどないBRAWでも十分高画質の動画記録が可能です。

以下、作例です。

いずれもSIGMAfpにBlackmagic VideoAssist 12G HDRを利用して収録、BRAW Studio V2プラグインを用いてAdobe Premiere Proで編集しています。

皆様もぜひBRAWを使ってみてください、それでは。


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