【創作SS】 No.1 『被差別者』という上級市民
「やあ、旅人さん。ご機嫌いかがかな」
「突然話しかけてしまって申し訳ない。見かけない外国人の方がいた者で、つい」
「この国には?…そう、初めてかい」
「そうだね…少なくとも私は、いい国だと思うよ」
「…ふむ…私たちについて、かい?」
「そうだね…ここに住む人たちは『痛みを忘れない』、素晴らしい人たちばかりさ」
「少しだけ、この老いぼれの話を聞いてくれるかい?」
「…私の一族、××××族は、何年以上も前から迫害を受けてきたんだけど、それはそれは酷いものだったのさ」