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【スタグフレーションは来るのか】2024年vol.19 5月6日週振り返りと5月13日週見通し

今週の相場は小休憩となりました。特に株や為替ともに目立った動きはなく、というのも取り上げるべき最新情報があまりないことが要因でしょう。

なので私は今週チャートをみる機会も少なく、どちらかと言えば頭の中で今後の経済の見通しについて、考える時間となりました。明確な結論をだすまでには至りませんでしたが、少し参考になればと思います。


<自己紹介>
お世話になります。
FXファンダリストのグースGOOSEと申します。

ファンダメンタルズを用いて
相場分析をしている為替・株トレーダーです。

ファンダメンタルズを扱っており、
金利動向には注視していますので、
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↓ #026 ファンダ編『日銀の利上げについて』①


相場には流れもありますので、
先週振り返りもご参考ください。



最近よく「スタグフレーション」という言葉を耳にしますが、個人的には変に気にする段階ではないと考えています。

まず、なぜこれほどスタグフレーションに対する警戒感があるのかを知ることが大事だと思います。

スタグフレーションとは、景気後退とインフレが同時に起こることであり、景気後退は経済成長率と失業率、インフレは消費者物価指数がよく参考にされます。

過去のスタグフレーション代表例は1970年代と思われます。1970年代から1983年ごろまでの状況は、失業率は10%超え、コア消費者物価指数は前年比で13%、米10年金利は15%超え、株価は10年間レンジ相場という不景気を経験しています。以下、1970年代~1985年くらいまでの各指数の推移を示しています。

米国失業率
米国コア消費者物価指数
米10年債利回り
NYダウ30

数値的にはかなり不景気であり、これは失業率が上昇しているにも関わらず、インフレが上昇するので、金利を上げざるを得なかったという背景があります。この物価上昇の背景には、イラン革命やイランイラク戦争をめぐる中東問題による原油高(オイルショック)が影響しており、1970年代初期は2-3ドルで推移していた原油は、1980年代半ばでは30ドル程度で推移しています。

金利を急ピッチで上げれば経済にとってはマイナスですが、ロシア・ウクライナ戦争で経験したように、エネルギー物価上昇時にはインフレを退治するために想定以上に金利が上昇し、根付いたインフレによって金利を引き下げることも容易でありません。

この経験から、景気後退+インフレ=スタグフレーション→不景気リスクと認識されており、現在もそのリスクがあるのではないかと囁かれています。

現在の経済状況を見てみましょう。

失業率は3.9%、コア消費者物価指数は3.8%であり、直近ではイスラエル・イラン戦争懸念によって原油価格が上昇したものの安定して推移しています。

米国失業率
米コア消費者物価指数
原油価格

ではなぜスタグフレーションかと囁かれているかというと、最近のインフレ指数はやや上昇気味、雇用や消費感などの景気指数が低下していることが挙げられます。

インフレ指数は消費者物価指数CPIや生産者物価指数PPI、個人消費支出PCEを参考にしますが、直近の指標ではこれまで低下してきた指数が下げ止まりしており、総合値ではやや上昇しています。

CPI/PPI/PCE

続いて雇用や消費感についての詳細値は省きますが、5月雇用統計、ISMやJOLTなどの雇用は低下しており、雇用コストや製造コストは上昇しています。

5月9日の失業保険申請数は23.1万人(予想21.1万人 前回20.8万人)と最近にしては多いですが、そこまで高い水準ではありません。

5月10日のミシガン統計では、3.5%(予想3.2%、前回3.2%)、ミシガン消費者信頼感は66.5(予想75、前回76)と、インフレ↑景気↓を示唆する結果となりました。

最近の傾向としては、たしかに景気後退+インフレの様相をしていますが、この状況がどれだけ問題であるかが重要でしょう。

現状として、失業率は4%以下とむしろ問題ない水準であること、インフレは多少上向きなものの、年初来からのじりじりと上げてきた原油価格の影響であり、その価格も落ち着いています。金利は依然として高く、インフレとの差をみた実質金利は十分上振れており、経済にとっては引き締め状態が続いています。よって、今後何も有事がなければインフレは低下していくことが想定されます。

未だ失業率や経済成長率の見通しが悪いわけではなく、想定される範囲内では、スタグフレーションのリスクは低いと考えています。

しかし、現在株価の上値が重くなってきており、これは利下げの織り込みが想定されます。相場サイクルでいうと、業績相場と言われますが、いわゆる利下げによる株高がある程度織り込まれてしまい、その後は企業の業績に株価が左右されることになります。


最近のデータから想定される年内利下げは1回~2回との見方が多く、長期金利の水準からみてもある程度の織り込みが想定されます。

Fed Watch

米企業の決算がこれまで発表されてきましたが、今後の業績見通しは少し期待を下回るものの、決算結果は好調な企業が多く、特に業績悪化が懸念される状況には至っていません。エヌビディア決算はまだ控えており注目度は高いです。

よって年内程度の株価は堅調に推移する可能性が高いと想定しています。現在のNYダウも安定しており、4月からの調整もほとんど戻しています。

ただし相場が短期的には利下げ織り込みやインフレの下げ止まり感には警戒を示していますので、来週のCPIやPPIの注目度は高く、5月15日(水)のCPIのコア値が前回値を上回る結果であれば、利下げ時期後退や再インフレ警戒が想定され、一時的な株安には注意が必要です。しかし、その後は底打ちを見極める株買いの動きも出てくるかもしれませんので、下げれば買い場を想定します。(インフレ低下観測であれば株高想定)

今回CPIでは少しだけの乖離でも、ドル高ドル安に振れやすいタイミングでもあるので、一方方向に対する逆張りは金利水準や引き付けの意識が必要でしょう。

為替に関しては、ドル円もユーロドルもCPIに左右される展開を想定し、ドル円はCPIによる金利高で160円を超える動きも視野に入ってくると思います。ただし値幅的にも来週中に160円を超えてくる動きは難しいです。

若干気になるのは日経推移が低調なことです。年初来の上昇率では申し分ありませんが、4月からの調整局面に対しては戻しが弱い傾向にあります。

日経225

ただし上昇トレンドが崩れているわけではなく、米国株と比べて戻しが弱い程度です。さらに5月10日がSQ日で、投機的な買いと売りにより買いが慎重だった可能性があります。

SQ日の影響をなくして考えると、この上値の重さは、円安トレンドの落ち着き(アルゴリズムによる相関)と業績相場、日銀の将来的な利上げに対する警戒があるかもしれません。

一言では申し上げにくいですが、日銀による円安とインフレのコントロールさえ見誤らなければ、日本株は堅調な推移が可能と考えていますが、業績が注視される相場においては、米国企業に見劣りするので、米株同様に推移しないことも考えられます。

総じて現時点で日本株だけに対する懸念が多く、日本株売りを検討しているわけではないですが、今の相場において米株の下落以上に日本株が売られる想定は必要かと思います。


今回の振り返りと見通しは、相場材料に欠けたので構成を変えてみました。

話題のスタグフレーションについて取り上げましたが、現状そこまで問題視する必要はなく、そういうシナリオもあるかもしれないと念頭に置いておく必要がある程度でいいと思います。それよりも金利高による一旦の株安に警戒し、そのカギはCPIに委ねられました。想定ではインフレ低下がコンセンサスなようですが、どうでしょう。。いずれにしても、あくまで9月利下げの材料の1つになりますので、乖離がないとドル安も限定的とは思います。

来週はCPIやPPIだけでなく、パウエル議長講演や米小売高の発表もあり、特に火水に相場材料が集中しています。大きな動きが想定されるだけにトレード機会をうかがっていると思いますが、指標前後にどのようなポジションをとるのかの想定はできるといいでしょう。また、指標ギャンブルにも向いている相場かもしれませんね。

今回の記事はここまでとなります。
ご精読いただきまして、誠にありがとうございました。

<イベント>
・5月14日(火)
21時半 生産者物価指数PPI
23時  パウエル議長発言
・5月15日(水)
21時半 消費者物価指数CPI、米小売高、ニューヨーク連銀製造業景気指数
・5月16日(木)
8時50分 日本GDP
21時半 フィラデルフィア連銀製造業景気指数




今回もご精読頂き
誠に有難う御座いました😄

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