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音楽を創るのは何のため?誰のため?

バンドって売れないとめっちゃ辛いです。キツイです。スタジオリハとライブ以外の日は概ねバイト。日中は動けるようにしておきたいから、夜勤をやるパターンも多いです。夢を追いかけていると言えば聞こえはいいですが、社会経験もない若者が「売れたい(音楽でメシを食えるようになりたい)」と願い続けて成功するほど甘くはなかったです。

私は本業(音楽関係ではない)で商品企画の仕事をしているのでなんとなくわかってきましたが、投資に見合うリターンが期待できなければ商品化は難しいです。「バンドはお金じゃない!」と思うのであれば、プロモーション予算ゼロで原盤制作管理だけしてくれるインディーズレーベルのお世話になれば良いわけです。

メジャーレーベルのA&Rみたいなセクションなら、アーティスト育成にかける予算が初めからあるでしょうから、どんどんDEMOテープ送ってアピールするとともに、自分たちの商品価値を日々高める努力をするべきです。予算のないところから投資を引き出すのは、音楽業界じゃなくても骨が折れます。世の中の仕組みや会社の組織構造、商品開発のスキームを知っていれば、もっとうまくやれたのかもしれませんが、10〜20代そこらのバンドマンにそれを理解しろというのは無理があります。

そして、いつのまにか人は歳をとります。いつのまにかバンドを続けることを諦めて、音楽に関わる仕事を続けてたり、まったく関係ない仕事で再チャレンジしたりするのです。

元も子もない話をツラツラと書いてきましたが「それは君の努力が足りなかっただけでしょ?」と言われそうなのでそろそろ本題に戻します。

私が出会ってきたバンドやアーティストたち、音楽を仕事にできなかった人たちにも、すごく良い曲がたくさんありました。自己紹介代わりに交換したCD-rを今でも大事にとっています。サブスク全盛の時代になり、音楽そのものに値札をつけるのは難しいことになってしまいましたが、きっと今でも見えないところで多くの名曲が生まれているのだと思う。

音楽を創るのは何のため?誰のため?と自分自身に問いかけてみると、答えは未だ定かではありません。自己満足で創るだけなら、別にYouTubeに公開する必要などないのです。やはり誰かに聴いてもらいたい、自分の作った音楽で誰かの心を動かしたい、という欲があるのでしょう。

若い時分とは異なり、音楽でメシを食うことが目的ではなくなりました。その良し悪しにはしばし目を瞑り、純粋に音楽に向き合うことができるのはとても幸せなことのように感じます。

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