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音楽を"作る"→"創る"

音楽を"作る"こと。私の場合、「てきとーシーケンサ」というフリーソフトでMIDIファイルの打ち込みがスタートでした。"弾く"ことを深めていくにつれて、ベース以外の楽器も含めて、どのように楽曲が成立しているのが気になるようになりました。

128音色のFM音源を駆使して、大好きだったGLAYを耳コピしまくりました。当時作ったMIDIファイルを最近発掘しましたが、それなりに忠実に再現されていて、我ながらよくやったなと思います。

DTM界隈でもよく言われることですが、一曲丸々耳コピすると、かなり多くの気づきがあります。譜面上に現れない空気感や奏法のニュアンス、音作りなどなど。未熟ながらに音楽の奥深さを垣間見ました。

そして、"創る"へ。初めての作曲はMIDIでの打ち込みでした。改めて当時の曲を聴いてみると、インスパイアを通り越して「有名曲ほぼそのもの」みたいなのも多いですが、128音色と12音階を駆使した集合体にアイデンティティを見出しつつありました。

"産みの苦しみ"などと、音楽制作の現場ではたびたび耳にするフレーズではありますが、プロフェッショナルとビギナーのそれは根本的に異なります。要するにプロフェッショナルは、引き出しの中にどれだけの知識と経験が詰まっているか、あるいはその引き出しのどこに何があって、どんな順番で開けていけばいいのか、そっちの引き出しは誰かに任せたり、中身はよくわからないけど誰かの引き出しごと借りてきたり。楽曲制作には様々な手法・プロセスがあるわけです。

ビギナーはそもそも引き出しが空っぽです。引き出しの数も少ないし、整理整頓もされていません。そんな状態なわけですから、ある程度の形式化されたスキームの中で制作を進めることになりますし、図らずとも形式的にならざるを得ません。

かと言って、そのような制作活動にオリジナリティがないのかと言えばそんなことはなく。オマージュやインスパイアといった言葉があるように、クリエイティブの世界では恥ずべきことではない、とされています。

小難しいことは抜きにしても「良いものは良い」と言い切れたほうが音楽は楽しいですよね。


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