色見本の話+ちょっと近況
皆様いかがお過ごしでしょうか。
京都南部では2日続けて地震があり、震度3程度であるものの
あぁもう数年内に畿内も大きいのくるなぁとじわじわ思うところです。
さて、そんな気配を頭の片隅で感じながら
唐突に色見本の話。
社寺修復の仕事で得られた経験・技術・知識は色々ありますが
自分の制作にとりこめて「便利だなぁ」と思っているものの1つが
『色見本』です。
そのものずばり「色の見本」。
絵具を買う時、ビンないしは透明チャック袋に入っているので
「見たらわかるじゃん、こういう色の粉だよ」状態
なんですが
意外と、塗り感や濃い時・うすい時の雰囲気。
いざ使う時「あれ、どんな子だったかしら」と不安になる。
そうしたことを軽減するため、塗った見本があると便利なのです。
色見本は練った絵具を名刺サイズの和紙に塗って作成。
それを青系なら青系、赤系なら赤系と
色味ごとにファイル分けしておくんですね。
これが実に便利で!
どんな色で塗るかを検討する時には勿論、
調査で現存している塗膜を調べる時にも
「往年はこんな色だったのであろう」と見比べるのに重宝!
他業者さんとの打ち合わせにも結構使えたものです。
今どきはデジタルな技術を駆使すれば
もっといい塩梅にできるのかもしれませんが
せっかくデータを作っても、
出力する際のギャップや端末の違いやらでどうもピンとこない。
そもそもブツがないと現場の人はピンとこない。
デジタルを駆使するのも、デザイン畑でない人間にはまずまず大変で
ここは直球、「実物見せれば良いじゃない精神」です。
まぁもうそういう場面も私はありませんが
制作にも便利だと、せっせとたくわえる次第です。
さて、どんな感じか。
2つとも同じ絵具なんですが
上の色がしっかり発色(色どまり)した状態。
下が水でうすめた状態のものです。
実際の社寺彫刻なんかは、色止まりする濃さで塗ります。
見てわかるように、上の色見本はペキペキ。
膠が和紙に対して強すぎるとこうなるわけで、いやお恥ずかしい。
ただ私、自分用に作るにあたり少し考えた。
社寺彩色の如く
濃い絵具で塗り切る場面が自分にあるだろうか。
否、ないな。そう多くないな。
水干絵具はぼかして使うことが多い…
そう思ったわけで。
いっそぼかしの入った色見本にしてみようというのがこちらです。
「いいじゃない、いいじゃない」
と、すこぶる機嫌がよくなってからというもの
色見本はずっとこのグラデーション形式で作っています。
そこまで生真面目に作っていませんが
絵具が余ったときなんかはちょうどイイやと作ります。
チリも積もれば山となる。
そこそこの数になると便利ツールです。
あまり絵具練りや塗りが上手くないので所感もメモしておく。
「この絵具は気合入れて使わないとダメ色になるなぁ」とか
「染料っ気の強い子よなぁ」とか
「この2つの混色見つけた自分スゴイ」とか(自賛で伸ばすスタイル)
「これ空ずりスゴイ大変だから使うの控えよう…」とか。
日本画の絵具は練ったりなんやりメンド…
いえ、手間暇のかかるものなので
こうした塗った状態のサンプルがあると便利です、というニッチなお話。
材料の見本、製品の見本。
画像での記録も今や必須ですが
まだまだブツのわかりやすさが火を噴くことも多いですね。
さてすこし近況。
目下、下記のことに励んでおります。
・小さな絵をミニ額にいれて「気楽なインテリアグッズ制作」作戦
・いいかげんにWebサイト完成させるぞ月間
・販売サイトこつこつ充実
とくに手こずっているのはWebサイトですが、
「もう紹介しちゃおう」という段に入りましたらこそっとご案内します。
読書でいくと『納豆本』や『猟師本』を読んで楽しんだり。
特に納豆は充実の内容で、オカシク・オモシロク、最後には感動。
納豆に!
そんなこんなで色見本(プラス近況報告)のお話、
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
おまけ
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