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図像考

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図像について考えたあれやこれやです。主にはやっぱりの社寺建築彫刻と文様について。この形ってなんなのか、この形はどこからきたのか。答えのない世界各地とつながる堂々巡りの記録です。
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【辰】龍尽くしカレンダー2月・うねうね漢代

【辰】龍尽くしカレンダー2月・うねうね漢代

やってまいりました、2月・如月。
なぜかしら月イチで龍を紹介する人になっています。
さてさて前回に引き続き、今回の龍は大陸からお越し頂きました、
中国は漢代の龍さんたちです。

1月の龍はこちら↓↓

2月のテーマ「中国・漢代の龍」

2月の龍は
漢代(紀元前206年~西暦220年)に元気に飛び跳ねていた子たちから。
日本は弥生時代まっさかり。

それぞれ漢代の、盤や鏡や帯や瓦に用いられた龍から6

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鱗と羽の図像考

鱗と羽の図像考

おそらくこれが今年最後の投稿になるかと思います。

意を決してnoteでSNSを再開したこの一年、私にしてはコンスタントにネット活動ができました。
スマートフォンかタブレットにいよいよ手を出そうかという考えが
ふと頭をよぎるくらいに「投稿」に精が出ました。

改めて思うのはやはり
読んでもらえる・反応を頂けることが嬉しいということ。
気儘に書いている中に張り合いをもたせて頂けているなぁということで

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シンとミヅチの図像考② 避けて通れない霊獣・マカラ

シンとミヅチの図像考② 避けて通れない霊獣・マカラ

間延びしておりますが前回に引続き、シンとミズチの図像考。

前回はシンとミズチなる生き物の混ざりあい(多分に私見)をお話しました。
その中でツノのない龍で水を吐くのは「ミズチ」と呼んでも良いんじゃないと軽やかに結論付け、
残していました第2の問題、「気や水を吐く龍じゃない生き物は何なのか」に組み合っていこうかと思います。

そもそもの発端は、とある絵具屋さんで見つけた彫刻。

これなーんだ。
まじ

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シンとミズチの図像考①

シンとミズチの図像考①

今回の図像考はシンとミズチについてです。
手間暇の割にまったくキャッチーではない図像考シリーズ。
めげずに回を重ねていこうかと思います。
「シン!」だけでいくとだいぶとキャッチーなフレーズですがいかんせん。

今回は、前回のサイとカイバに引き続き、社寺彫刻でもマイナーどころのモチーフ「シン」・「ミズチ」。
たどるとこの方たちも興味深いんですよ。
TOP画像では龍のようにも見えますが、はたして龍の仲

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サイとカイバの図像考

サイとカイバの図像考

図像考の記念すべき1回目は、サイとカイバについてです。
のっけからよくわからないものの話、どうぞお付き合いください。
知る人ぞ知る、社寺彫刻の「サイなのカイバなのどっちなの問題」に意気揚々と斬り込んで参ります。

TOP画像の不思議生物お二人が、どんな風に日本で混同されてきたのか、その経緯を独断と偏見で辿りながら、私なりの彼らの定義をご紹介します。
画像は葛飾北斎漫画より、海馬と水犀にご登場頂きま

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はじめましての図像考

はじめましての図像考

こんにちは。やってきました図像のはなし。
温め続けて練り上げるあまりに、ぐるぐる煮詰まる飴のようです。
答えがないんだろうなとわかってはいながらも、ああでもないこうでもない、あれってこれなの、これって、え…それなの?と更にぐるぐる。

永遠に自分の中で粘らせていてはなんのためにnoteを始めたのか。
えいやとnoteに載せていきたいと思います。

まずは「図像考」って何でしょうのご紹介から。

T

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