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商品としての成立のさせ方

Minecraft上で開かれた催しについて……ヘッダ画像をお借りしています。


この ↓ 視点をいったり来たりしながら見ました。繋がりづらい時間帯だったということもあり……全部で赤白黃のチームに別れており、さらにそれぞれのVCが2つずつあるため厳密には視点(聴点?)が6つぐらいある。



(これらすべてを画面上では網羅した「大会本部視点」みたいなのもあるんだけど、企画内容を当事者の声を聴きながらなんとなく見てから後でその視点を見ようかなと思っていたためそちらはオンタイムでは見なかった。結果的に本部視点では当事者たちの声はかなりボリュームが絞られていたので個人的には合っていた)

やってることはマイクラ上の運動会であり、その中のひとつの競技が

・10人程度の集団が2つあり、片方の10人が、あるランダムな指定に従い、もう片方の10人の中から「その指定に合致する者」を捕まえて投獄しに行き、その役柄を交代しつつ最終的な正解数(投獄数)で勝敗が決まる

というものでした。

ゲームの捉え方

まずこの「指定された面子を探す」という命令だけど、捉えようが多々ありすぎることに気づいて背筋が冷えた。

背筋が冷えたという表現は何か悪い事に使われがちな気がするので念のため説明しておくと、そこまで受け取った側に余地を残したのが意図的なのかたまたまなのかが解らず、いずれにせよとにかく製作者の頭の良さを感じずにはいられないためです。まずこうした仮想アトラクションを造ろうとした製作者・指示者がいるのがすごいな、と

作り方なんかは素人のぼくに分かるわけないし、造ってるカバー公式がわざわざ技術班を呼んできて(大枠を)解説しているのでそちらを……

つまりその底の恐ろしさとは、「本気で闘う」という行為も成立するなら「ふざけて面白を稼ぐ」ためにも使える辺りにある。

彼女のチーム(白:天音)は初めからゆるゆるさらっと楽しみましょう的な雰囲気を敷いていた。

そのお陰で、マイクラに詳しすぎるが故にチャット欄とかで最適行動を命令してくるおじたんが排除できるなら、いち見のアドバイザリおじさんとかを排除できるし良いのではなかろうかと

しかしながら結果的に好成績を残してしまっていて、その辺も底知れない……と言ってしまっては過剰な褒め殺しな気もするのでそろそろ脱線をやめます。

当ゲームの特徴は、

・(多分)長年この方々を見続けていて各タレントの関係性みたいな事情に詳しくなってしまった人には後方腕組みさせながら(最も、それが変な知識自慢とかに結びつかなければ良いのでしょうが)楽しませられること、

・初めてみた人にはその「初めて見た相手(タレント)」の特徴が即座に伝わるところ、

にあるのではないでしょうか。

つまり2018年から2019年に加入した人、という題が指定されたら、初めて見た人でも「捕まった人はそんな時期からいるんだ」と解り、指定年代が2023年とかなら、「いま捕まった人は今年加入したてなんだな」と解る。運良くその人が声を発しているVCがオンエアされているチャンネルを開いていればその人のパーソナリティも解る。

後方腕組みの人にとってはそんなんすでに頭に叩き込まれているので「俺に遊ばせろ」あるいは当該追っている側のタレントが正しい判断をしているかどうかが一目瞭然(最もマイクラ上の各キャラクタを外観だけで即座に誰だか判別できるのであれば、あるいはMinecraft上で表示される各キャラクタにおける「名前領域」から、誰が誰だかを即座に識別できるのであれば)であること、つまり没入感があるほど魅力的なコンテンツ足り得ているのではないか。

天音

天音の遊び方はエンジョイだったので、がっついて敵を捕まえたり、はたまた命がけで猛然と敵から逃げ回ったり、というものではなかった。

だが、それが先の段落で話したおもしろのベクトルに結果的に振ることを意味しており、商品として成立させていた。商品とは映画とかアニメとか映像媒体として、みたいなのです。

指令の中には「守ってあげたい人」とか「セクシーな人」とか「清楚な人」みたいなのがある。この指令も多分相当考え込まれただろうと思う。後から人を傷つける内容にならないようにとか、その人の努力で直しようがない身体的特徴(喋り方とか)に言及しないようにしようとか、内輪に走りすぎて寒くならないようにしよう、とか……

天音の行動とは以下のようなものでした。


つまり「(Aというタレントが思う)セクシー」という題が鬼に与えられ、自分が当てはまっている(=捕まっちゃう)と判断し、自ら捕まりに行く。この絵群の中にあるように、監獄エリアの近くに追いかけられる側が行くことは不利以外の何物でもないわけです。

だから多分、後方腕組みをしてこのゲームを攻略するには……とか考える人にとっては、この時点で「自分は当てはまらないと判断できる者」にとっての最適な行動とは撹乱にある……のでしょう。つまりガチで捕まってしまう仲間を助けに行く。

その仲間がどこにいるのかを即座に判断し、ともに行動つまり一緒に逃げながら、何なら相手のコントロールの上手さがうわ手であったとしても自分が犠牲になる(=敵の縄コマンドで自分を誤クリックさせる)ことで盾になることが求められる……のでしょう。

この時点でも結構な無茶振りであることが解る……ような気もする。だって

・(時間経過で入れ替わる)敵に与えられた指令を読んで、
・自分が当てはまってるかどうか判定して、
・当てはまらなかったら当てはまる仲間がまだ牢獄にいないかどうかを把握して(自分が当てはまるなら逃げ回る、隠れる)、
・その子がどこにいるか見つけに行って
・敵の誤操作を誘発するような動きをしてやる

……ぼくはこの遊びがオンエアされている時にすらここまで考えはしなかった。天音はともかく、中にはマイクラ初心者もいるわけでこのムーブを全員に求めるのは酷以外の何物でもない(実際そのような動きをしている人はそういなかったはず)。

そこをおもしろでねじ伏せた。あたすセクシーわよ、とわざわざ敵の本拠地である牢獄の前まで行き、静止する。で実際敵の中には、そんな目視でマイクラの名札とか瞬時に理解できる人なんてそういないだろうというのもあり(日本語話者ばかりいるわけでもない)、何度もこうした感じの罠に甘んじて嵌った者もいたと記憶している。

これをおもしろに昇華できるかどうかも、上記した思考パターンの中で考えることが求められていたわけです。そしてそれを天音を始めとした何人かは実行した(実行してない人を責めてるとかじゃない。正解不正解問わずガチ隠れに徹したのであればそれはそれで撹乱になり得たりするので、そしてぼくはガチ攻略を双方どちらにも求めていない)。

このようにタレントのさじ加減でガチゲーにもできればおもしろゲーにもできる、というように造られている。でもこのゲームとしてのプラットフォームがあればどこに出しても成立するのかどうかまではぼく自身がそんなに考えていないのでわからないし、どちらでもよい。

商品とは


奇しくもこの大会は今年で終わりだった(と、後夜祭といいますか企画運営者の振り返りライブストリーミングで発表された)。

だから以降のこのプラットフォームの行き場をどうするか、みたいなことはあるんだろうけど、この知見をカバーが内製化した(ように上記リリースからは読めた)のであれば、同業他社とかに輸出したりできる。輸出と言いますかコンサル業といいますか……

つまりこの運動会というイベントを創る知見それ自体を商品化するということです。やな言い方をすれば情報を売る……情報商材ということばに拒絶反応を起こす層がぼくの周りにはいたりするけど、コンサルって言いかえれば情報商材ですよね。

もちろんカバー自体が外部からゲームコンサル団体みたいなのを招致して原型を造ったりしたのかも知れない。そのあたりの権利については適宜クリアすればいいだけの話で……別に商品化できなくても、別の代の内部企画運営者が立候補した際にはこの知見をまるまる転用できるのでどちらに転んでもいいのではないだろうか。

といいますかこの運動会形式って、全然うまく例えられる自信がないけど全国各地の幕の内弁当からそれぞれの一番いい部分を寄せ集めてさらに別の最強格の幕の内弁当を造ったようなものなのであり、そのミニゲームすべてがそれひとつだけで成立するんじゃねという内容であった。

今回は、といいますか規模が大きくなるにつれて次第に企画運営段階からタレントだけじゃなくてカバー社員が関わるようになったみたいだけど、そりゃここまで幕の内にしてれば今年(5年目?=5回目?)で一旦終わっておきたくもなるような労働量だったのではないだろうかと思わされる。コロナで他にやることがなかったときとはわけが違ってきてしまってもいる。

だから多分リスナーとしては来年も見たいとかあるだろうけど(ぼくの視認範囲では運営側のタレントのファンであればあるほど「もうええ!休んでくれ!!」という感じも普通にあったぽかったけど)、別に上記もした別のタレントが企画者になったり、何だったら幕の内にしようとせず分割すればいいのではないだろうか、と。

奇しくも今年だったかその前だったかにholoxが今回紹介したようなけいどろみたいなのを企画して、この運動会ほどの尺ではないにせよひとつの企画として成立させていたり、上記のねこねこふぁいにゃんすだってそうでした。

また「人がいないと成立しないギミック」でゲームが進行するなら確かにその場に人的費用を割かなければならないというハードルはあるものの、なんとかフレーム化してやって交代制にするとか……そもそも幕の内にしなければいいんだから、今回ならこの「指定題目捕まえゲー」だけをやる日が合ったって良いような気がする。

といいますかこのような企画を一日で終わらせるのは勿体がなさすぎるような……個人的にはこの捕まえゲーを3チーム×10交代とかしてくれても良かったし(題目は厳選する必要があるだろうが)、後段の騎馬戦だってせっかく全チーム参加できるんだから、3回と言わず10回してくれてよかった(運動会という日程上、声が潰れたり単純に疲れるから3回でも多いかもしれないが、単発でという意味)し、姫護衛なんて一回で終わるのは本当に惜しいレベルのギミックばかりだった。さまざまなペアで見たいファンは多いんじゃないだろうか。

となると捕獲ゲーだけの大会があり、騎馬戦だけの日があり、姫護衛だけの日が……とすれば企画に困らないまである。その役割分担とかフレーム化みたいな最適化をするまでが難しく、これまでの運営者は大変だったんだろうけど。

あとゲームの制作状況や練習だってコンテンツになる、というのはやはり上記ねこふぁい時にさんざん言及したとおり。エンタメなので金になるみたいな言い方はしたくないのだが……「商品として成立する」

だけど制作進行には知見が溜まってるみたいだし、あとはタレント兼企画運営進行連絡……とかあたりをうまく纏められたらとても便利なルルブ化みたいにできる気がするので……とか本気で考えるのは彼女/彼らの好きなようにすべきだと思うのでここで終わりにしましょう。

Minecraftの夜も、時間経過で暗闇があけて朝になる。

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