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このnoteを披露目たい002:心霊鑑定士.加賀美零美(シリーズ)/神野守

心霊鑑定士(しんれいかんていし)
加賀美零美(カガミ・レミ)

私は自称占い師です。なぜ自称かと言いますと、それが生業(なりわい)ではないからです。本業は別にあるのですが、その仕事では足りないため副業的に占いをしています。占い師を本業にしたかったのですが、それで生活していく自信がなかったのが本音です。
 私は霊視は出来ません。霊を視(み)た事もなければ、声を聞いた事もありません。霊感がなくても立派に占い師としてやっている人は多いと思いますが、少しでもそういう能力があれば私ももっと自信を持って言えるかなと思ったりはします。

こんな冒頭から始まる、占い師の独白。 
先ごろ、占い師であり小説家でもある神野守氏の、占い師にまつわるリアルな体験談をとても興味深く読ませてもらった。

現代では、エンタテインメントのカテゴリに分類されている占い業界だが、ほんらい占いというものは、神からの詞(コトバ)を伝える技術。
だから、占い師たる者は神と人との仲介者として、自我を滅し、主観を排し、涅槃の境地で託宣(たくせん)しなければならない。

そんな、ほんらいの占いというものがいつしか忘れ去られ、託宣というコトバも「あーら、見事なご託宣だこと、オホホホホ」みたいに、人を小バカにするような言い草として流通するようになってしまった。

あるいは「ごちゃごちゃゴタクを並べるな!」などと、議論から口論に発展した際の捨て台詞(口封じ)として使われている。
(小学児童も使っているという「それってあなたの感想ですよね」みたいなものか)

いずれにせよ、ほんらいの占いというものが廃れた現代、占い師に御託宣をお伺いするのに、斎戒沐浴(さいかいもくよく)して行くというような人はほとんどいない。


さて、自称占い師とユニークな自己紹介する神野守氏の小説、心霊鑑定士.加賀美零美(シリーズ)の紹介に入ろう。
"心霊鑑定士" という言葉はこれまでありそうでなかった。
Google先生に聞いてみると、神野守氏の小説タイトルがトップに出現する。

心霊鑑定士の例としては、神野守による小説「心霊鑑定士 加賀美零美」の主人公である加賀美零美がいます。加賀美零美は東京の裏通りで「よろずお悩み解決所」を営み、四柱推命と霊視を駆使して依頼者の悩みを解決します。悩める人々の魂の救済に日々勤しむ零美の物語は、Amazonでキンドル出版されています。

心霊鑑定士.加賀美零美(シリーズ)では、実際の四柱推命鑑定がどんなものかリアルに描写されており、小説中の相談者と同じような悩みを抱えている人は、読み進めていくうち、零美の優しい託宣に癒やされていくだろう。

神野氏は、占い師でもあり、四柱推命を教える先生の立場でもある。四柱推命の教則本も出版されている。

この本も読んでみたところ、教え方が実に謙虚で優しい。
四柱推命を難しく教える先生が多く、四柱推命を途中で断念する人が多いようだが、神野守先生から教えてもらえば、挫折する人はいなくなるのでないだろうか。それくらいわかり易く丁寧に初学者に寄り添って書かれた教本である。

前出の「占い師の独白」もそうだが、総じて神野守氏の文体は平易でわかりやすく、こころに響く。自称占い師と名乗るあたりが、とっても謙虚。
グイグイ圧をかけるようなタイプの占い師ではないだろう。

ひとくちに占い師といっても、いろんなタイプがいるわけで、ズバリ言うわよ!的な圧がつよく上から目線の占い師もいれば、おっせかいおばちゃんのように感情にまかせてズケズケ言いたいことをいう占い師もいるし、エラソーに上からものをいう占い師もいる。
占いを入口にして物品を売りつける占い師など論外にしても、占い師:神野守先生は、主観を交えない、あの古(いにしえ)の占い師に近いのではないだろうか。

加賀美零美のモデルは神野守先生だとひとり邪推している。


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