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「神椿代々木決戦二〇二四」ありがとうございました

いつも応援してくれてありがとうございます。
KAMITSUBAKI STUDIOプロデューサー、PIEDPIPERです。

代々木第一体育館での2DAYS公演「神椿代々木決戦二〇二四」
VWP 2ndワンマンライブ「現象2」 及び、花譜4thワンマンライブ「怪歌」
にご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

KAMITSUBAKI STUDIO史上最大のミッションであり、アリーナでの2DAYS。
出演者・スタッフがそれぞれの全力を尽くし、今出せる全てをもって挑んだまさに総力戦とも言える公演でした。

今日はこの二つの公演についての所感を書かせて頂きます。


DAY1 VWP 2ndワンマンライブ「現象2」について

V.W.Pの一年半ぶりになるワンマンライブ「現象2」を遂に実施しました。
花譜、理芽、春猿火、ヰ世界情緒、幸祜。
この素晴らしい5人のバーチャルシンガー達は、23年に実施したSINKA LIVEシリーズでのそれぞれのワンマンライブ実施により、一人一人が大きな成長を遂げました。

神椿市でのバーチャルライブを経て、それぞれが持ち帰った「感情」を現実世界である代々木に反映した特別なライブとなりました。
SINKA LIVEシリーズは基本的にはオンラインでのバーチャルライブなのですが、代々木に関しては特別編的な立ち位置になります。

個人的な話ではあるのですが、現象2を迎えるにあたり、一年以上の準備をしてきました。順調そうに見えるかもしれませんが毎日必ず嫌なことがあって、辛い知らせと良い知らせが交互に来ながらどうにかそれを心で相殺して、しばらく生き延びてきました。

当たり前ですが全てが楽しいなんてことはなくて、辛いことの方がずっと多いくらいの日常かもしれません。
でも当たり前にほとんどの人がきっとそうなのだと思いますし、
だからこそ僕らの仕事を楽しんでくれる人達に向けて、今何をやるべきなのか心から真剣でいられるのかもしれません。

身内としてどうしても贔屓目にはなってしまうのですが、控えめに考えても一人一人が特別で最強な素晴らしいシンガー、アーティストへと育ちました。

僕はこの個性が全く違う5人が一緒に歌う歌が、本当に大好きです。
そしてここまで素晴らしいシンガー達でありながら、お互いを信じ合う愛に溢れた優しさを持った仲間になってくれたことが、自分にとっては日々の過酷な仕事の中でも本当に救いでもありました。

V.W.Pのテーマって本当にめちゃくちゃ単純だと思うんですよ。

誰もが孤独な世界で、ひとりぼっちだからこそ仲間が必要なんだということ。
全てを変えることは出来なくても、内側の心に火を灯すことで希望を持って生き続けることは出来るということ。
運命は決まってなくて逆らうことでそれを変えることも出来るということ。

言葉にするとチープかもしれませんが、そんなことを大人になっても本気で信じている自分がいます。自分のような立場の大人がもしも本気で生きていなかったら、僕らの作品を楽しんでくれている日本の未来を担うはずの少年少女達に心から申し訳ないと思ってしまうからです。

そしてV.W.Pはそんなシンプルなメッセージ性を、リアリティを持って体現出来るグループへと、成長しつつあります。
本当の愛をもつ5人じゃなければこのメッセージは到底体現出来てないはずです。

そんな彼女達が僕は本当に誇りだし、皆さんと同じようにもっとこの先も彼女達の成長を観てみたいと思ってます。

花譜、理芽、春猿火、ヰ世界情緒、幸祜。
本当にお疲れさま。本当にありがとう!
あなた達の努力のおかげで素敵な景色を観ることが出来ました。


DAY2 花譜4thワンマンライブ「怪歌」 について

花譜にとってはカンザキイオリ卒業後として初めてのライブとなりました。
不可解を終了しての本ライブの裏テーマはいくつかありますが、
深化オルタナティブ4と銘打った「複数のアバターを行き来すること」と「リアルとバーチャルを反転させる存在になる」深化オルタナティブ5が大きなポイントである事は間違いありません。

「アバターの自由度を増す」というのは以前から掲げているテーマであって、複数のアバターを一人の人格が保有する未来はいずれ当たり前になると思っています。またいわゆる中の人を神椿では「オリジン」と表現するようになったあたりからこの辺のテーマ性は加速してきたように思います。

以前にも書きましたが、オリジンは映画「竜とそばかすの姫」で使われていた表現で「中の人」なんて言い方よりもよほど素敵な表現だったので日々使わせてもらうようになりました。細田守監督のおかげで、素敵な考え方を頂けました。

そしてリアルとバーチャルを反転させた変化型のバーチャルシンガーを顕在化させるというのが今回の「廻花」になります。
廻花については後述するとして、その前にいくつか表明したいことがあります。

まず深化オルタナティブというのは、バーチャルな存在に於いての可能性の拡張を意味します。

ライブの中では9段階あると出させて頂きましたが、もう少し厳密にいうと「9種類ある」という方が適切かもしれません。
なので、人によっては1段階ずつ進んでいかない場合があります。
そして神椿のバーチャルシンガー全員がオルタナティブ5化する訳ではありません。※現段階ではあえて何も決めていません。
必ず同じ進み方をすると決めてしまうのはやはり無理がありますし、
それぞれの方向性もあるので現時点では統一するつもりではありません。
深化オルタナティブは今後開発が進んでいけば色々な可能性が可視化されていくと思いますので、ゆっくりとお待ち下さい。

そして花譜としての今後の楽曲ですが、以前お伝えはしましたが、複数のコンポーザーによる制作体制になります。
PIEDPIPERが厳選した布陣で今後は作っていきます。

今回の怪歌では6曲披露させて頂きました。
カンザキイオリ以降の楽曲は歌を継承するという意味で「歌承曲」と付けさせて頂きました。
そしてこの6曲が入った花譜の4thアルバム「寓話」も発表させて頂きました。
なかなか難航してきましたが、ようやく軌道に乗り始めたので、そう遠くない未来に寓話は発表出来ると思います。
是非お楽しみに。


廻花について

さて問題の廻花です。
誤解されたくないので明確にお伝えすると、花譜から花譜としての活動についてネガティブな事を言われたことはこの5年間ほとんどありませんでした。
だからどんどん先に進んでこれたとも言えますし、プロデュースサイドとの相性が彼女は抜群に良かったんだと思います。

どんどん規模が大きくなるにつれて普通なら悪い方に変わっていってしまうタレントも業界を見渡すと多いのですが、そんな中でも珍しく彼女は勘違いをしたり調子に乗るような子では全く無くて、むしろ「自分自身への自己評価の低さ」を感じる時が常にありました。

見かねてある日彼女に伝えたのは、僕らは映画や演劇を創るように沢山の人達が関わっている仕事をしていて、勿論自分一人で作ってる訳ではないかもしれないけど、あなたはその真ん中にいる大事な主役であり最大の貢献者なんだ、だからもっと自信を持って欲しいんだと伝えました。
※ちなみにこれはVWPのメンバー全員にも同様のことを伝えてきています。
彼女達は皆、良くも悪くもとても謙虚なのです。
そういう心根の人達と仕事が出来ていることが本当に幸せです。

僕らがやっているバーチャルの仕事は当たり前ですが一人では全てをやり遂げれる訳がなくて、沢山の人達が関わっています。

なので謙虚なのは素敵なことではあるのですが、だんだん彼女が抱えている自信の無さをなんとかしてあげたい、どうしたらいいのだろう?と思うようになりました。

花譜が心から好きだったから僕ら運営も人生を賭けて物凄く頑張ってきました。
ただ当時14歳の少女に全てを理解してもらうのは普通に考えて重荷になってしまう事も沢山あったはずです。

彼女は最初ただ歌が好きでこの活動を始めただけであって、自分の環境を変えたり事務所自体を成長させたり、誰かの人生を救いたくて歌ってきた訳ではなかったはずです。
でもそういった自分が活動することで起きた副産物としての変化を、何も言わずに受け止めてくれました。
それはそんなに簡単なことではなかったのではないでしょうか。

僕ら運営がある意味で頑張りすぎた事で、もし彼女が少しでも辛い思いをしているのならばそれは悲しいし、そんなことが自分がやりたかった「可能性の拡張」ではないとある日思いました。

そして常に自信がない彼女が唯一自信を持っているもの

それは「あらゆる歌を自分らしく歌うこと」、
そして新たな希望が「自分自身の手で歌を創る」ことでした。

この二つをしっかりとやり遂げる為に天才的な歌手である「花譜」と、稀有な才能の鱗片を持つシンガーソングライターとしての「廻花」をセパレートして、同時に活動していくことが、難しいかもしれないけど「良い方法」なのではないかと考えました。

そしてこの提案は最初は僕からしたものであって、花譜が花譜の活動が嫌になったから出てきたアイデアではありませんでした。

彼女の好きな「あらゆる歌を自分らしく歌うこと」は花譜という存在や聴いてくださる皆さんがいなかったらきっと出来なかった事です。

また花譜の音楽は盟友カンザキイオリと長くコラボレーションしてきたこともあり、未来だけではなくその過去も大事にしたいなと思うようになりました。

なので「花譜」の楽曲をこれからの彼女本人の曲で全部上書きしていくのではなくて、カンザキイオリの曲や色々なクリエイター達との楽曲を、未来に於いても積み上げていく居場所にしたいなと思いました。
ただこういう風に考えがまとまったのはそんなに前ではなく、カンザキイオリが卒業した後くらいだったと思います。

「怪歌」のように色々なものが混ざり合うのでより混沌としたエンターテイメント要素が強くなると思いますし、それこそが花譜の魅力だとも思っています。
この「花譜」の中にはオリジンを中心に色々な素晴らしい創作者が参加しているということです。

そして「廻花」はその性質上色々な要素と混ぜづらく、なるべく本人にとっての純度が高い美しい表現を形づくりたいなと考えています。
なので基本的には廻花名義では廻花が作るオリジナル曲だけをやると思います。※コラボレーションなどは本人次第でいつかやるかもしれませんが。

廻花での活動は、自身の中から出てきた綺麗なものや汚いものを具現化することなのでカバーなどは廻花の範疇には基本的に入らないのではと思います。
ただ洋楽のカバーなどは非常に廻花を感じる時もあるのでこの辺はケースバイケースで判断していくとは思います。※あまり縛りすぎてもまた本人が苦しくなってしまうので。

ワンマンライブをやるにはまだ曲数が足りないので時間はかかると思いますが廻花としてのライブもいずれするべきだと考えています。

また廻花をあえて「バーチャルシンガーソングライター」と表現したのは、
彼女の「存在の可視化」にバーチャル性を持たせているからです。
昨日のライブは、ステージ場でライティングしてシルエットにしているのではなくLEDに代々木体育館内に作った収録スタジオから本人を生中継させる形で、CGの舞台美術と本人をリアルタイムで融合させています。
専門的には「バーチャルプロダクション」と言われる領域になります。

今後も廻花の可視化については最新の技術を使って花譜とも違う変化型のバーチャルシンガーとして表現していく予定です。

そしてXにも書きましたが、花譜と廻花はシームレスなひとつの存在です。

でも彼女自身が自分自身が創る歌を「拠り所」にしていることを大事にしたいと考えているからこそ、その作品に関しては廻花に分けるべきだと思っています。
そして全く違う二つの存在というよりも、「オリジン」から産まれた「花譜」に更に、もうひとつの作品性をもつ本質「廻花」が追加されたと思ってもらえたらと思います。
状況によって花譜が強まったり廻花が顕在化したりしますが、オリジンは一人の歌が好きな女の子だということは代わりようがありません。

観測者の皆さんがライブを観て衝撃を受ける事は、勿論わかっていました。

5年間花譜を応援してくれた人達を裏切ることは絶対出来ないし、誠意は持つべきです。それでもそれなりの時間をかけここまで愛してもらえる存在になったのは、勿論本人の努力の結果でありそのことを運営としても本当に誇りに思っています。

だからこの道はきっと難しい道になるだろうと思いましたし、そう単純な話ではないことも理解しています。
今はまだもしかしたら難しいかもしれませんがあまり枠組みに囚われずに、自分達が好きになった一人のアーティストの挑戦を応援してもらえたら嬉しいです。
そしてわかってくれてる人達が沢山いることも理解しました。ありがとう。


最後に

神椿代々木決戦、本当にありがとうございました。
大変な仕事でしたが、多くの方々のお力によってなんとか無事に終わることができました。
そして見守ってくれた観測者の皆様にも心から感謝をしています。

またライブ後に様々なプロジェクトが発表されましたが、この辺に関してはまた改めて解説させて頂きます。諸事情があり色々遅延しているものもあり、大変ではありますが全てのプロジェクトを最後までなんとかやり遂げる気持ちです。

これまで色々なことがありましたが、凄まじい反響も同時に頂き、また明日から頑張ろうと思えました。

へこたれてる場合じゃない。
Guianoと理芽の「絵画のように美しくいたかった」はここ半年の自分自身のテーマソングでもあり、自分自身を奮い立たせてきました。

けして心を折らずにまだ観たことのない美しい景色をいつか必ず実現する為に、
高い志を持ち引き続きチーム皆で頑張っていきます。

いつも応援してくれて本当にありがとうございます。

KAMITSUBAKI STUDIOプロデューサー
V.W.Pプロデューサー 花譜プロデューサー

PIEDPIPER


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