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相手が求める支援を常に模索する――法人1年目を経て感じた、新しい出会いが生み出すビジネス価値

こんにちは、フリーランス広報ユニット「ふたり広報」です。

「ふたり広報」は2022年1月から企業や個人の広報サポートを開始し、このたび、2周年を迎えることができました。そこでチーム発足2周年の記念に、お世話になっている経営者の方や尊敬している広報の方をお招きして「ふたり広報2周年特別対談企画」を開催します。

広報や編集、ライティング、デザインなどに関する悩みは尽きません。本企画では、代表の多葉田愛(@aitabata22)と経営者や広報パーソンが対談。具体的なノウハウやキャリアなど、さまざまな課題解決に役立つ情報をお届けします。

第2弾となる今回お招きしたのは、「合同会社たかしお」の大久保 崇(以下、たかしお)さん(@takashi_okb313)。

2020年10月よりフリーランスライターとして独立し、現在は企業の記事コンテンツ制作支援をメインに活躍の場を広げられています。昨年(2023年)にはフリーランスが集うコミュニティ「湖はんリトリート」も立ち上げられました。

そんなたかしおさんに、法人1周年を迎えるタイミングで、あらためてクラアイントと仕事仲間に提供する「価値」について語っていただきました。

大久保 崇
2020年10月、在宅ワークをするためにフリーランスライターとして独立。2023年1月、クライアントの重要なパートナーとして伴走するべく法人化し、「合同会社たかしお」を設立。「社会を変えうる事業を加速させ、世の中に貢献する」を会社のミッションに掲げる。歩くこと、食べること、我が家の猫と過ごす時間が好き。外国の文化に興味があり、フランス語や英語をのんびり勉強中。
𝕏:https://twitter.com/takashi_okb313


顧客の時間・リソースをつくることが、僕たちのコンテンツ支援

── 最初に、「合同会社たかしお」の事業内容について聞かせてください。

たかしおさん:採用広報やサービス導入事例など、企業の記事コンテンツづくりをメインにサービスを展開しています。 コンテンツによっては企画段階から支援していますね。他にもセミナー運営やイベントレポート制作など、マーケティング関連の業務支援をご依頼をいただくこともあります。

── たかしおさんの会社だからこそ、提供できる価値や強みはありますか?

たかしおさん:「クライアントの時間・リソースをつくる」ことです。

もちろん質の高い記事をつくるのは大前提ですが、“質”って抽象的ですし、明確に定義するのが難しいと思うんです。もっと具体的な価値を示さなければ、クライアントに満足してもらえません。

https://takashio.llc/

だから、僕たちは質の追求にあわせて、先方がコア業務に専念できるように「時間・リソースをつくること」にも重きを置いています。

── なるほど。相手に工数や負担をかけないよう注意する一方で、必要な情報を取得するためには、情報の開示やすりあわせの時間を確保してもらうことも必要ですよね。毎日忙しいクライアントに対して、たかしおさんはどのようにコミュニケーションをとっていますか?

たかしおさん:ミッション・ビジョンなどの、企業にとって絶対にブレない指針は最初のうちにしっかりと調査します。そのうえで、最初からすべての情報を取り切ることはしません。

それには理由が2つあって。1つ目は、僕が仕事を進めながら不足点を補っていくスタイルだからです。クライアントと相談しながら、現在進行形で適宜コンテンツをアップデートしています。

2つ目は、クライアントの多くがスタートアップ企業だからです。スタートアップの現場は変化が激しいので、事業方針や業務内容などが急に変わることは往々にしてあります。

ですので、最初から完璧を目指すより、適宜コミュニケーションをとって、改善を繰り返しながらクライアントが掲げるミッション・ビジョンを実現できるように意識していますね。

継続が成果につながる。たかしおさんが大切にするシンプルで重要な指標

──「合同会社たかしお」が掲げるミッション「社会を変えうる事業を加速させ、世の中に貢献する」を達成するための重要なキーワードは何だと考えますか?

https://takashio.llc/

たかしおさん:“コンバージョン”と“ファンづくり”です。コンテンツ制作を生業にしている多くの会社のなかから、「合同会社たかしお」を選んでもらうために欠かせないものだと思っています。

まだまだ道半ばではありますが、法人を設立してからの1年間で多くの気づきがありました。特に、直接的な効果が見えにくい記事を制作するからには何らかの形で成果を感じられる必要があるとあらためて感じていて。

記事コンテンツの場合、読んだからといって必ずしも購入や行動に直接的につながるわけではないんですよね。だから、「何をコンバージョンとして捉えるのか」はクライアントと綿密にすり合わせる必要があります。その測定方法もさまざまですから。

最終的にクライアントが満足できる成果につなげるためにも、コミュニケーションを取りながら一緒に最適な方法を探っています。具体的には、これまでの経験や計測できるデータをもとに目標までのルート案を複数提示して、クライアントの反応をみながら決めていくといった感じですね。

── そのなかでも、「これだけは外せない!」という指標はありますか?

たかしおさん:依頼内容にもよりますが、わかりやすいのは「本数」です。当たり前過ぎて軽視されがちですが、「月に◯本はコンスタントに公開する」という指標はなんだかんだで大事だと思っています。

継続更新が、結果的に「コンテンツへの信頼」をつくり、ファンを自然に醸成してくれる部分もあるからです。企画段階から本数も含めて、中長期的な支援ができるように心がけていますね。

──「ふたり広報」でも「継続率」は指標に置いています。どのくらい読まれたかも大事ですが、継続して更新しているのをみてくださっていた方がファンになってくれるケースもありますよね!コンテンツ制作で成果につながった嬉しい事例があれば教えてください。

たかしおさん:以前、採用広報のコンテツ制作を担当したクライアントから、お礼にコメントいただいたことがあります。「制作記事から経営者の意志や思想を伝えられたこともあり、待ち望んでいた人を採用することができた」と。これは嬉しかったですね。

▼該当の事例を紹介している記事

── 熱量があるメッセージをもらえると、こちらもやりがいを感じますね。ちなみに、法人化しておよそ1年が経ちましたが、起業時に目標としていた理想の状態はありましたか?

たかしおさん:起業時も今も変わらず、多くの人にすごいと言ってもらうよりも、少数の人から「一緒に仕事をして良かった」と思ってもらえる存在になりたいと考えています。

実は僕、SNSを武器にする方法が少し苦手で……。魅力的な発信をして影響力を高めていくのは、ブランディングするうえで必要なことですが今の僕には正直できる気がしません。

だから、クライアントやパートナーには、個別でDMを送ったり、興味あるイベントに参加して、直接つながる機会を持つようにしています。

── 発信で幅広くアタックするより、本当に価値観が合う人に焦点をあてて、つながりの機会をつくられていったのですね!

自分をアップデートする1番の方法は、新しい人と出会い続けること

── ビジョンに「本当に必要とされている“支援”が何かを追求し続ける」を掲げられています。法人として1年間活動してみて、現時点で見えてきた答えはありますか?

たかしおさん:ビジョンを達成するには、新しい出会いを求めつづけて、僕自身が常にアップデートしなきゃいけないということ。オンラインもいいですが、やっぱりリアルで人に会って話を聞くのが1番のアップデート方法だと思っています。

1人で読書して学ぶより、新しい人と出会いつづけて、これからも「相手が必要としていること」「自分に求められていること」を常に模索していきたいですね。同じ時間を生きている人たちから得られる情報は、本などのコンテンツでは得られない“生”の価値がある気がするので。

── 普段から交流がある経営者やライターさんだけにとどまらず、さまざまな人との交流を大切にしているんですね。

たかしおさん:そうですね。出会う人の業界・職種などが偏らないようには意識しています

先日は新しい出会いの一環で、東京商工会が主催する交流会に参加しました。普段、一緒にお仕事する方とは違う人たちとつながれて、ワクワクしましたね。

── とても共感します。私も先日九州へ行ったときに、いつもの行動範囲では出会えない人と出会えて、つながりが広がったと感じました。自分自身が常にアップデートされているからこそ届けられる付加価値があって、それは結果的にクライアントにも還元できますね。

たかしおさん:本当にそうですよね。あとは、情報のキャッチアップも偏らないように気をつけています。

最近とあるインフルエンサーの方が、「クリエイターならば、好き嫌いは捨てて、ヒット作を全部チェックするくらいの姿勢でいないといけない」とSNSに投稿されていたんです。

トレンドは興味のあるなしに関わらず、幅広いことにアンテナを張っているからこそ捉えられる。だから、自分に色をつけず、「まずは知る」姿勢を僕も大事にしたいと思いますね。

── 個性を出すためにあえて自分の色や肩書きをつける方法もありますが、たかしおさんはあえて無色透明でいることを大切にされているのですね。法人化したことで、組織に対する考えに変化はありましたか?

たかしおさん:法人化をしたからではないのですが、「組織体制の捉え方」は変わったと思います。

前までは、“会社”というかたちを持つと、上下関係が発生しているようで、すごく嫌だったんです。一緒に仕事する仲間を「チーム」として捉えていたのですが、経営を続けていくうちに、「『合同会社たかしお』は僕自身であり、そこで受けた仕事を友人と一緒にする感覚に近いな」と感じて。

組織内でフラットに仕事を進めるという意味においても、今はチームより「仲間≒コミュニティ」のほうがしっくりきています。

心地よい関係で仲間と仕事を続けるために、たかしおさんが提供する2つの価値とは?

── 一緒に働く人に対して、どんな価値を還元したいと考えていますか?

たかしおさん:シンプルに「売上」と「安定」です。

クライアントのために結果にこだわると同時に、売上が増えると一緒に仕事をする人たちにも金銭的な還元ができます。お金がすべてではありませんが、稼ぐことはやっぱり大事だなと。

自分と関わることで学びを得られる、案件に繋がるといった、メンバーにとってのメリットにもつなげたいですね。

コミュニティメンバーとの食事会の様子

── 私も交流会を開いたときに新しい仕事の話が生まれるなど、メンバーから「この人と繋がっていて良かった」と思ってもらえる存在でありたいと感じます。「安定」を大事にしているのはなぜですか?

たかしおさん:フリーランスは不安定な部分も多く、その状況に苦しんでいる人をこれまでもたくさん見てきました。だからこそ、いつもコンディションやパフォーマンスが一定している人はとても安心感があるんですよね。会ったときに暗い雰囲気だったら心配しちゃうじゃないですか。

僕は発注者の立場でもあるので、健康管理を含めてコンスタントに仕事をやり切ってくれる存在は本当にありがたい。そういう意味で、僕自身もメンバーに安定を提供できる存在であるために、常にメンタルが安定している状況を保ちたいと思っています。

そんな「安定」につながる“憩い”や“癒し”って何だろうって考えたときに、一定してそこにあって、いつでも自由に立ち寄れる場があることなのかなと感じていて。昨年(2023年)立ち上げたフリーランス専用のコミュニティ「湖畔リトリート」も、そんな憩いの場をつくれたらとはじめました。

「ライター」という肩書きではなく、「たかしお」に依頼がくるように

── 最後に、今後の展望を聞かせてください。

たかしおさん:肩書きや職種ではなく「たかしお」に仕事の依頼が来るような自分でありたいです

ライターとしてライティングだけを極める、というよりは、クライアントにとって真に意味があるコンテンツ支援をしていきたい。関わり方にこだわるよりも、クライアントが求めていることに向き合って、「たかしおに仕事を依頼しよう」と思っていただくことを一番に考えていきたいです。

── なるほど!制限を設けないことで、「ちょっとこんなことで悩んでいるんだけど…」といった相談ベースで声をかけられますね。仕事起点よりも自然な繋がりを大切にして、土壌づくりをしていくことで、結果的に仕事にも発展しますよね。

たかしおさん:そうですね。一人ひとりと丁寧にコミュニケーションをとって、顔や性格が分かる知り合いが100人できたら、100通りの営業ルートができる。これまでの状況を知ったうえで一緒に課題について考えられるので、まったく知らない場所で営業をするよりも、より価値が生み出せると思います。

── 今後のたかしおさんがどのようなチャレンジをされるのか本当に楽しみです。

🤝 ふたり広報
企画やデザイン、ライティングなど、様々なスキルを持つフリーランスがチームを組み、広報活動を支援。既存の広報の枠組みにとらわれない“新しい広報のカタチ”をご提案します。
https://futari-kouhou.com/

✍️Marble
インタビュー、編集、広報など、「書く」+αのスキル を混ぜ合わせて、持続的なフリーランスライフを実現するスクール「Marble」を運営しています。
https://marble-school.studio.site/

🎤Interviewer:多葉田愛
✍️Writer:金井みほ
📝Editor:おのまり

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