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Discordマイクテストの手引(応用編)その2:担当者の心構えと流れについて

お久しぶりです。扶桑です。
前回からかなり間が空きましたが、マイクチェックの実際の対応方法について簡単にまとめておきます。
筆者の担当が主にRTAイベントでのマイクチェックのため、そうした状況に依拠した知識で記載しているものであることに留意してください。
前回はDiscordの基本設定について記載しているため、触る項目とその効果についてはそちらを読んでください。
Discordマイクテストの手引(応用編)その1:設定の操作項目を知る|扶桑(fuso_wasedr09) (note.com)


担当者の心構え

自分が絶対に正しいという強い意志を持って挑むのがおすすめです。
大体チェック中に「このイベントではこれで問題なかった」とか「前回はこれで良かった」とか色々コメントをもらいますが、イベントによって欲しい音の作り方が違いますし、ドライバ更新等で本人が触ったつもりがなくても音が変わるため、今調整している自分が正しいという気持ちでやりましょう。それでもトラブルが起きる時は起きます。
担当者がふわっとしてると相手に不安感を与えるので、自信がなくてもある体で挑みます。

また、複数回相手に同じことをさせるのを躊躇しないでください。
設定のオンオフの切り替え等、同じ操作の反復を相手に要求することがあります。特にどちらの設定が良いか判断に困る場合や、音声の調子が悪いのはわかっているが原因の特定ができていない場合はよくやります。
「何回同じことさせるの?」的な雰囲気を相手から感じることが極稀にありますが、ここで安易に妥協すると後でガタガタになるので、詰めるなら最後までしっかり詰め切りましょう。
クッション言葉等をうまく用いて、なるべく柔らかくやれると相手からの不満も少ないと思います。
あまりにもスタッフへの対応が悪い相手、非協力的な相手は要注意リストに入れると良いでしょう。今すぐ問題がなくても別のところで問題を起こすリスクが高いです。


(別記:イベント全体としての立ち位置として)
※ここは直接的な調整方法とは関係ないです。
マイクテストを事前に行う場合に限りますが、イベント全体から見ると一番最初に直接参加者と話すことも多いです。特にオンラインイベントだとなおさらです。
この場合、マイクテストは参加者の様子を事前に把握する数少ない重要な機会になります。音声周りのテストの他にも、イベント全体の注意事項や伝達事項をテストに組み込むようにしましょう。
注意事項や守って欲しいことはマニュアルやDiscordの伝達事項に書いたからいいか、とやるとだいたい読んでない(または読めていない)ので悲惨なことになります。


マイクテストの対応について

ここでは基本的な対応の流れについて記載します。
これをベースとして、イベントごとにカスタムしてください。
注意してほしいのですが、「ここにあるのが完璧!」というわけではないです。

1.挨拶

いかにこれまで繰り返し殺しあってきた敵同士と言えど、ニンジャのイクサにおいてアイサツは絶対の礼儀だ。古事記にもそう書かれている。できるだけ早くアイサツをかわさねばならないのだ。

ニンジャスレイヤー/Ninja Slayerより(https://twitter.com/NJSLYR/status/119306445710823425)

できるだけ早く挨拶をすることを推奨します。
「こんにちは」でも「よろしくお願いします」でも「Hello」でもなんでもいいですが、相手に挨拶だと伝わるものでやりましょう。
挨拶を行う意味は大きく以下の3点が挙げられます。

  • 基本的な礼儀

  • 音声トラブルの簡単な把握

  • 注意して対応するべき人物かを素早く判断する一つの指標

順番に説明します。

・基本的な礼儀
古事記にもそう書かれているので説明は省略。

・音声トラブルの簡単な把握
挨拶をしたら、基本的には相手から挨拶を返してきます。
相手からのレスポンスがあるという意味で、挨拶は音声の簡単なチェックに適しています。
挨拶を返してこない場合、何らかの音声トラブルが起きていると考えると良いでしょう。
もしくはテスト相手がやべーやつです。

挨拶が帰ってこない場合、まず自分のマイク及びスピーカーがミュートになっていないかを速やかに確認します。
両方に異常がない場合、相手のマイク及びスピーカーがミュートになっていないか確認を求めるメッセージをテキストチャットにて、メンションをつけて送信します。
簡単なトラブルの解決方法は以下の記事を参照するのをおすすめします。(ダイマ)
Discordマイクテストの手引(応用編)その1:設定の操作項目を知る|扶桑(fuso_wasedr09) (note.com)

・注意して対応するべき人物かを素早く判断する一つの指標
挨拶をしたら基本的に挨拶が返ってくる、という前提の下で話をしますが、音声トラブル以外の理由で挨拶が帰ってこない場合、対応相手を警戒することをおすすめします。
あまりこういう警戒はしたくないですが、私の経験上挨拶がきちんとできなかった人間は99%トラブルを起こしているのでもう最初から警戒するのが良いでしょう。
そうした人は概ねマニュアルの理解が不十分(または読んでいない)で、本番での言動が怪しいです。万が一こういう人物に出会った場合は、運営での対処が必要になることを頭に入れつつ、マイクテストを進めましょう。
運営スタッフに交代してもらうのもおすすめです。

2.環境チェック

ここから実際のDiscordマイクの調整に入っていきます。
調整を行う前に、ある程度相手の環境について聞いておくとトラブル時に対応しやすいです。
とりあえず聞いておくと参考になる項目をいくつか挙げておきます。

  • 普段からDiscordのVCを使用しているか

  • Discordを使用している環境について

  • どのようなタイプのマイクを使っているか

  • 本番も同様の環境で話すのか

・普段からDiscordのVCを使用しているか
Discordの使用の習熟を確認するための質問です。
普段から使っているようなら、操作に関する説明はある程度飛ばして進めていきましょう。逆に使っていないなら操作についても細かく説明してあげる必要があるので丁寧に。

・Discordを使用している環境について
項目的には一つですが、PCかスマートフォンなのか使用しているOSは何かDiscordはアプリ版かブラウザ版かの3つを聞きます。PC版とスマートフォン版で操作が違うため、確認しましょう。使用しているOS固有のトラブルが出た時用にOSの種類も確認します。(Macで画面共有した時の音が出ない問題やLinuxの音声ドライバによるトラブルなど)

なお、もしブラウザ版を使っているようならアプリを入れることを推奨します。
ブラウザで設定可能な項目が少なく、調整が激烈に厳しくなります。後で気づくと面倒なので、先に聞いておきます。

・どのようなタイプのマイクを使用しているか
ここでマイクの種類を特定できると良いですがほぼできません。大体のユーザーはそこまでマイクに詳しくないです。
ただ、接続方式とどういう形のマイクかは把握しておきたいところです。

接続方式は経験上USBか3.5mmジャック接続が多いです。
USB接続のほうが比較的ノイズが少なく、電源ノイズ等も乗りにくいので良いですが、3.5mmでもなんとかなります。ノートPCやWebカメラの内蔵カメラと回答が帰ってきたら結構厳しいです。

マイク形状は経験上ヘッドセットと据え置き型が多く、たまにピンマイク等が出てきます。
据え置き型の場合、マイクがダイナミックマイクなのかコンデンサーマイクなのかも知りたいところですが、やっぱりきちんと知りたい回答が返ってくるほうが稀です。
カラオケで使うような手で持つところがあるマイクか、ラジオの収録等で吊ってあるようなマイクか、と簡単な形状を聞く質問がある程度有効です。

なお、コンデンサーマイクにもラージダイアフラムやスモールダイアフラム、ラベリアマイクなど色々あるから正確に聞いてないじゃん!という意見は一般の感覚から外れているので今回無視します。
昔から安くておすすめのマイク、SONY ECM-PCV80Uもコンデンサーマイクに該当しますが、見た目はほぼダイナミックマイクみたいな感じと例外はいくつもあります。

・本番も同様の環境で話すのか
本番のチェックのためのマイクチェックなので、近い環境で話してもらわないと役に立たないことが多いんですが、たまに全く違うところでやろうとしてくる人がいます。勘弁してほしい。
外部環境が違うとセッティングも違ってくるので、同じ環境でやるのかはチェックしておきたいところです。
テストと本番の時間が違う程度であればほぼ問題ないですが、暴走族等の環境騒音が増えることが想定される場合、少しノイズ抑制を強めることを検討してもいいかもしれません。

3.マイクの調整

これは前回の記事を読みながら調整するのがおすすめです。
Discordマイクテストの手引(応用編)その1:設定の操作項目を知る|扶桑(fuso_wasedr09) (note.com)

とまあ、これで突き放してもいいんですが、参考設定として私の環境を貼っておきます。
Windows11 Pro (64-bit)のアプリケーション版を使用しています。
使用しているマイクはSHURE SM58(AIF:Volt 2)です。

※出力デバイスを仮想ケーブルに飛ばしてVoicemeeterに通した後、ヘッドフォンで聞いています
音声>詳細設定>音声処理設定

ダイナミックマイクは比較的音が小さいことが多いので、音量調節の自動化をオンにして音量を上げています。
入力音量をやや落としている(95%)のは音割れの回避です。

基準の設定にした後(または変更前の状態を確認した後)相手からの音声を聞きながら調整していきます。
※基準の設定をイベント運営側で作っておくとやりやすいです。

イベントによってクリアな音声が欲しいとするところだったり、多少ノイズが乗っても生の声に近いほうが欲しいとするところだったり色々違うので、こだわりがあるイベントなら確認しましょう。
そうでないならとりあえず聞き苦しくなければ概ね問題ないです。

相手からもらう音声ですが、ある程度の長さ及び話している状態が必要です。
長く一定の音の発声はエコー除去やKrispで切られます。(例:「あー」)
ご飯の話を聴く派閥も多いですが、ゲーマーは飲食が雑(ド偏見)で食べてなくて話が終わることもままあるので、イベントや走ったり解説したりするタイトルについて話してもらうのが良いと思います。
設定のオンオフを切り替えて話してもらい、音声を聴き比べて改善していきます。
更に細かい調整については別記事を作成したい気持ちはあります(いつになるかは不明)

また、画面共有等を使う場合はここで確認します。
特に帯域を使う作業は音声に影響が出ることがあるので、使っている状態でのチェックを推奨します。

4.イベントの確認事項チェック

イベントで確実に共有しておくべき事項をここで読み上げます。

例えば、出番の流れや話す際のガイドライン、注意事項などを読みます。
相手がルールやマニュアルをしっかり読んでいるわけがないので
大事なことはその場で読んで説明します。
後からトラブルが起きてしばく必要が出た時、ルールに書いてある事項を「知らない」としてくる言い逃れを避ける防衛術にもなります。

また、URL等を貼る必要があったり、告知する事とかがあったりする場合はこのタイミングで確認します。

5.質問の確認

質問がないか確認します。
簡単に回答できる質問や想定されている質問等、すぐ回答できるものなら答えて、難しいものはすぐに回答せず一回持ち帰りにします。
焦って回答することに特にメリットはないので、落ち着いてやりましょう。

6.解散の挨拶

マイクテストにきちんと出てくれた相手に感謝を伝え、終わりの挨拶をします。

7.記録をつける

マイクテストの対応記録をつけます。
マイクテストが完了したか、確認事項を共有したか、備考を記録します。
備考には環境の特記事項や何らかの申し出があった事柄に関すること、注意を要する人物かどうかなどを記載します。
書き方も好みがあるとは思いますが、運営側で様式を定めておくと読みやすいです。

まとめ

今回は心構えとマイクテストの対応の流れについて説明しました。
実際にやってみないとわからないところも多いですが、運営側はテストをきちんと設計すること、スタッフは確認事項をしっかり抑えることが大事です。残念ながら最後は慣れです。
もっと細かい事項についても書きたいですが、いつになるかはわかりません。また気が向いたら書きます。
また、質問や今度書いてほしい項目等があればnoteのコメントやX、Discordまでどうぞ。


カバー画像:白滝SEAICE様 (https://twitter.com/SEA_ICE_CREAM)

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