正覚寺 裕然(うらにわ丹波守)

奥三河の城や歴史を調べています。古宮城の整備活動や各地の史跡整備ボランティア活動もして…

正覚寺 裕然(うらにわ丹波守)

奥三河の城や歴史を調べています。古宮城の整備活動や各地の史跡整備ボランティア活動もしています。

マガジン

最近の記事

「よそ者、若者、バカ者。『よそ者』て何?」を考える論文を読む。

 観光まちづくりに関する新めの論文を読んでいたら、まちづくりへの参加に関して面白い考察をしてました。その元ネタが今回の論文。 「よそ者、若者、バカ者ってよく言うけど、よそ者ってそもそも誰?」  「そう言われりゃ、確かにそうだわ!」(名古屋弁)というテーマ。  かく言う私は移住者なので俄然興味が湧き、読んでみました。今回も北陸先端科学技術大学院大学の敷田麻美教授の論文です。 超要約すると…、 地域にとって、時に新たな担い手として期待され、時に嫌悪の対象となる「よそ者」。しかし

    • 「新しい観光まちづくりへの期待と観光地経営」を読む

       今回は2021年の論文。これまでの論文が少し古かったため、最近の観光まちづくりの動向を知る身としては読んでなんとなくモヤモヤしてたのですが、一気に解消する爽快感がありました。北陸先端科学技術大学院大学の敷田麻美教授の論文です。 超要約すると…、 ① 観光は、時代により有名観光地を巡る団体旅行→得難い体験を得る極地ツアー→知識により楽しみを得るエコツアー→SNSにより自分が主人公のナルシズム消費へと変遷した。その結果観光は、観光地が提供する観光資源やサービスの体験から、旅行

      • 「観光まちづくりを考える」を読む

        「観光まちづくり」という言葉の提唱者、東京大学西村幸夫教授(当時)の論文というか記事(2006年)を見つけたので読んでみました。インタビューを編集した内容なので短く、わかりやすい内容です。 「観光まちづくり」について① 定義  地域が主体となり観光を取り入れ生活環境を向上させること。  (観光とまちづくりの一体化) ② 言葉の生まれた背景  また、景観法の登場で、個人の財産権だけでなく、住環境全体への配慮を検討する機運が高まっており、インテリアだけでなくエクステリアにも配慮

        • 鳶ヶ巣砦を奇襲したい! 2024

          鳶ヶ巣砦を奇襲したいから案内してくれ、との依頼が。 以前、観光ボランティアをお願いし、ハイライトを車を使って気軽に楽しめるよう案内してくれた。満足はできたが、戦国武士の苦難が体験できない。苦難を感じたい!だから案内して!とのこと。 バグった思考の持ち主が近年増えていることに注意を要する。 と、いうわけで終日雨予報の中、狂戦士7名で鳶ヶ巣砦を奇襲しました。 山歩きに慣れてる人から慣れてない人まで。遠くは三重県から参戦。朝9時半に長篠城駐車場に集合。その後吉川公民館へ移動してス

        「よそ者、若者、バカ者。『よそ者』て何?」を考える論文を読む。

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        • 体力歴史街道
          9本
        • 東三河の城
          23本
        • 長篠・設楽原の戦い
          11本
        • 古宮城(愛知県)の整備活動
          9本
        • 極寒の水鉄砲合戦in設楽城
          5本
        • 「え?」な戦国逸話
          5本

        記事

          観光まちづくり人材の育成に関する論文を読む。

           今回ご紹介するのは、二松学舎大堀野正人教授の「観光まちづくり論の変遷に関する一考察〜人材育成にかかわらせて〜」です。  いつも思うのですが、論文のタイトルってコース料理の名前みたい。「春の恵みを満喫〜春キャベツにキャビアを添えて〜」的な。知らんけど。「〜」の存在のせいかと。 本論文を要約すると…、 観光まちづくりに人材が必要とか育てなきゃと言われてるけど、そもそも人材て何?、どうやって育てたらいいの?という疑問について、「観光まちづくり」を巡る議論を振り返ることで明らかに

          観光まちづくり人材の育成に関する論文を読む。

          つくで古城まつりで水鉄砲合戦開催しました!

          第43回つくで古城まつりが2024年5月12日に開催されました。今年は亀山城築城600年の節目だそうです。 地元の観光ボランティアガイドで色々活動しているI さんから、昨年、地元の子どもたち向けに何か城を知ることを一緒に考えて、と依頼があったので、それなら戦うのが一番でしょう、と、提案。昨年は残念ながら雨で流れたのですが、今年はなんとか天気が持ちました。 なにぶん初めての開催。しかも地元作手小学校の全校生徒が参加するとのこと!怪我させてはいけない。合戦させると興奮しすぎる

          つくで古城まつりで水鉄砲合戦開催しました!

          「定義から見た観光まちづくり研究の現状と課題」を読んでみた

           観光まちづくりとよく言いますがが、説明してみろと言われると、「え…、あれ、迷うなぁ〜、観光なの?まちづくりなの?どっちが目的で成果なの?」と、松浦亜弥の歌詞並みにあやふやしている。(わからない人は「ね〜え?」で検索。)  これはいかん、と、泥縄式で検索してヒットしたのが本論文。阪南大学森重教授の論文。作成年が2015年と少し古いですが、私が抱いた疑問を解説してくれる。  話は少し逸れますが、自分で問いを立て調べるとあれこれと興味が湧いて問いが拡散し、何が先行研究かわからなく

          「定義から見た観光まちづくり研究の現状と課題」を読んでみた

          「軽トラ市 まちが活きる可動商店街」を読む

          この4月から長距離通勤者になってしまいました。前向きに捉えると読書時間が確保できる。今回は論文ではなく本のご紹介。「軽トラ市」に関する本です。著者は愛知大学地域政策学部の戸田教授です。 軽トラ市をご存知でない方もいると思います。軽トラを売る中古車市場のことではなく(実際そういう勘違いはあるとか。)、「農家の皆さんがその日の朝に収穫した野菜などを、普段使っている軽トラックに積み込んで、商店街に乗り付けて、軽トラックの荷台をそのまま売り場にしてお客様に買っていただく。」(14ペ

          「軽トラ市 まちが活きる可動商店街」を読む

          「観光客数と人口規模に関係はあるのか?」という問いの論文を読む。

          趣味の歴史も長いことやっていると話をする機会をいただくことがあります。 その際、付け焼き刃で論文を読んでお守り代わりにすることが多いのですが、「これは面白い!」という内容に出会うこともあるため、備忘録的に感想を書いてこうと思い立つ。 今回は、2016年に日本国際観光学会論文集23巻に掲載された「観光客数と人口規模の関係〜宿泊客数を対象に」という論文で、公財日本交通公社の山田雄一氏と柿島あかね氏の著作です。 増田レポートを受けた地方創生の流れで観光は人口縮小社会への有力な振

          「観光客数と人口規模に関係はあるのか?」という問いの論文を読む。

          身近で楽しむGW 〜薪割りダイエットと環境保護〜

          Facebookを眺めていたら、新城キッコリーズのTさんが「マキザップ」を紹介していた。薪加工作業で筋肉を使おう、ということらしい。 これは楽しそう・・・。 と、いうことで、早速連絡を取って日にちを予約。 現地に到着すると、薪割り機様が鎮座していました。 あ、こういうのじゃないのね…、と、少しがっかり。 斧を振り下ろして自分の足をざっくりに注意、と、事前にネットで読んでいたので恐ろしいと思ってたのですが、ある意味その心配はない。作業効率を考えれば当たり前と言えば当たり前。

          身近で楽しむGW 〜薪割りダイエットと環境保護〜

          野田城の整備活動に参加してきました

          元亀四年(1573年)1〜2月、武田信玄が2万5千の軍勢に対し、徳川方菅沼定盈はわずか400人の軍勢で籠城。水の手を抜かれて最後は開城しますが、戦国最強を謳われた武田信玄と1ヶ月対峙し、信玄最後の戦いとなった場所として有名な野田城。 こちらの土地が市に寄付されたことをきっかけに、城の本丸崖、南東側の整備活動を、2024年3月9日(土)に地元のちさと郷土研究会が実施しました。 ので、私も参加してきました。 地元の定年退職後の方々が中心のこの会。 まだまだ動ける元気な方が多く

          野田城の整備活動に参加してきました

          野田城の戦い関連物故者供養会

          昨年が野田城の戦いから450年だったことから戦いで亡くなった将兵の慰霊である供養会が開催され、今年も地域を知る機会とのことで開催されました。 場所はこの地域の名刹大洞山泉龍院。この地域の本山的な位置付けで相当大きいお寺です。ただ、やはり住宅の機密性というものがあまり意識されていない時期の造りだけあって、さぶい。 靴下2枚重ねばきでも足元が冷えます。参列者のために電気カーペットを敷くも、ショートの恐れあり、と、恐ろしい話を聞く。いつの間にか業火に身を焼かれてはかないません。

          野田城の戦い関連物故者供養会

          第2回吉田城堀さげ清掃に参加してきた

          愛知県豊橋市にある吉田城でもボランティアによる清掃活動が始まったと聞き参加してきました。第1回目は都合がつかずに参加できなかったので、2024年1月13日(土)開催の第2回目に私は初参加。 朝10時からのスタートですが、なんと参加者は開始時135名。結果150名近くにまで膨れ上がったそうです。 こんな大人数を捌くのは大変でしょうが、受付や機材なども非常に手際良く洗練されており、とても第2回とは思えない。 この活動の発起人は、古宮城の活動にも参加してくれたMさん。 聞けば、高

          第2回吉田城堀さげ清掃に参加してきた

          武田の騎馬隊を防ぎにいく! 〜馬防柵修繕ボランティア2023〜

          武田の騎馬隊がやってくるかもしれないので、今年も馬防柵を直してきました。 今年は地域外からの参加者の方が25名も!遠くは神奈川座間市からお越しに。そして、今回はNHKの取材も入っていました。 地域外の参加者の方々は、お一人ずつ自己紹介をしていただく。 馬防柵は昔は五年に一度全修繕していたそうですが、技の伝承が途切れるのと作業量が増えることから場所を5分割し、五年で修繕が一巡するようにされています。今回、非常に多くの方が参加されたことで、事故・怪我などがないように、と、設楽

          武田の騎馬隊を防ぎにいく! 〜馬防柵修繕ボランティア2023〜

          日本一マッチョの縄文人がいた保美貝塚の整備ボランティアに参加してみた

          「日本史上最高のマッチョ」は愛知県渥美半島に暮らした縄文人。 奇しくもそんな記事が地元中日新聞に掲載されたちょうどその日に、その骨が出土した保美貝塚の整備ボランティアに参加しました。 適当に言っているわけではなく、東京大学総合研究博物館の特別展示「骨が語る人の『生と死』日本列島一万年の記録より」で、そう展示されているのです。 (リンク先はこちらから) 尋常じゃないほど太い骨。江戸時代の男性の倍以上の太さとか!筋肉が発達していないとそうならないそうで、海での舟漕ぎをしていた

          日本一マッチョの縄文人がいた保美貝塚の整備ボランティアに参加してみた

          古宮城整備活動2023が開催されました

          今年で12年11回目となる古宮城の整備活動が開催されました! 今回はコロナ後最多の26名の参加。地域外から16名の方が参加されました。 草刈り機の方、草刈機以外の方に分かれて城の整備開始。草刈機以外の方が多かったため、城の外周を大手側とその反対側から二手に分かれて攻撃、いや、枝拾いと熊手で草除けを開始。 皆さん方てきぱき動かれる。ベテラン勢も初参加勢も入り乱れてのボランティア。 なにがうれしいといって、古宮城が好きだった、という方が参加されたこと。前々から訪れていて古宮城

          古宮城整備活動2023が開催されました