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図書館司書が見つけた「笑っちゃうほどインパクトのあるタイトル本」を紹介します

こんばんは、古河なつみです。
今回は図書館司書として働いていた時に見つけた「手に取ってみたくなるような、笑っちゃうほどインパクトのあるタイトルをした本」をご紹介していきます。



『オタクの息子に悩んでます』岡田斗司夫著/幻冬舎

タイトルを見た瞬間、思わず自分の事、そして私の両親の事を考えてしまいました……(その場合は「オタクの娘に悩んでます」になるとは思いますが……)。オタキングという愛称を持つ岡田斗司夫さんが朝日新聞のお悩み相談コーナー「悩みのるつぼ」の回答をされていた時の原稿がまとめられた本です。動画配信サイトで岡田さんの事を知っていたので、あの語り口が聞こえてきそうなバッサリとした物言いに内容も笑えた一冊です。


『レッツゴー・ばーさん!』平安寿子著/筑摩書房

前向きで勢いのあるタイトルにくすっと笑ってしまった一冊です。平さんは他にも『幸せになっちゃ、おしまい』『心配しないで、モンスター』『くうねるところすむところ』など、一度見るとなんだか心の片隅に残るような印象的なタイトルの小説やエッセイを多く出されています。最近はぱったりと新刊をお見かけしなくなったので、どうされているのかしら……と、ちょっとさみしく思っています。

『開けてもいい玉手箱(ショートショートの小箱3)』目代雄一著/書肆侃侃房

「開けちゃっていいんだ……!」と目にした瞬間笑ってしまった一冊です。星新一さんのような捻りのあるオチのショートショートがまとめられた本で、シリーズ本として全四巻出版されている内の三巻目にあたります。他のシリーズは「森の美術館」「切手の贈り物」「花咲町奇談」となっているので、妙にこの三巻目だけ笑ってしまうタイトルで強く印象に残っています。

また、リンク先では大きな画像で見られるのですが、表紙の装丁がすごくお洒落でかわいいんです! 出版元である「書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)」さんが手がけている本はどれも装丁が美しく、スタイリッシュなものが多いので、装丁デザインを勉強されている方はぜひ公式サイトの新刊・既刊案内をご覧になってみてくださいね。
※↓ここから書肆侃侃房さんのサイトへ行けるので、下へそのままスクロールすると新刊・既刊の表紙が見られます!



『罵詈雑言辞典』奥山益朗編/東京堂出版

タイトルは「ばりぞうごんじてん」と読みます。簡単な言葉にすると「悪口辞典」です。ただ悪口のバリエーションが列挙されているだけでなく「この言葉も元々は悪口から発生していたのか……!」とわかるような解説などがつけられています。読み物としてもくすっと笑える仕上がりになっていて、小説などを書く時に「丁々発止のやり取りを書きたいけど言い回しが思いつかない……」とお悩みでしたら大変重宝する一冊だと思います。決して「誰かをぎゃふんと言わせてやる!!」と思いながら読まないようにしてくださいね。


最後に面白いタイトルが多い作家さんまとめ

最後に「タイトル面白作家さん」として個人的に殿堂入りしている方もご紹介していきたいと思います。

まずは内館牧子さん。ドラマがスタートした『老害の人』や『すぐ死ぬんだから』といった強烈なタイトルで老人を主軸とした小説が特に人気の作家さんです。

次に垣谷美雨さん。映画化した『老後の資金がありません』『あなたのゼイ肉、落とします』といった一見すると小説のタイトルにはならなそうな、パンチの効いたタイトルがハマる作品を多数執筆されています。

最後に紹介するのは津村記久子さん。やりたいことは二度寝だけ』『うどん陣営の受難』といった脱力系タイトルや、『君は永遠にそいつらより若い』のように惹き込まれるタイトルも多くあります。また『この世にたやすい仕事はない』は『There's No Such Thing as an Easy Job』とほぼ直訳のタイトルで英語版が出版されており、海外では評価の高い一冊となっています。英語圏の読者にも、このタイトルのおかしみが伝わっているのだと思うと、津村さんが綴る言葉の力はすごいのだなぁ……と改めて思います。

今回のご紹介は以上になります。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
それでは、またの夜に。

古河なつみ

まずはお近くの図書館や本屋さんをぐるっと回ってみてください。あなたが本と出会える機会を得る事が私のなによりの喜びであり、活動のサポートです。