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絶望の淵に居るであろう息子の話。

我が家には、小学4年の息子が居ます。

彼は大のゲーム好きで、時間さえあれば際限なくテレビゲームに興じてしまうので、ゲームをする条件として最低限以下のルールを決めています。

・宿題をきちんと終わらせること。
・部屋の片づけをやること。
・1時間で切り上げること。(休日は2時間までOK)


人によっては厳しい/甘い、と様々意見はあるかもしれませんが、我が家ではこのルールで運用してきました。

しかし、ここにきて現在、大きな問題が発生しています。

息子はもっぱらニンテンドースイッチで遊んでいるのですが、そのソフトはというと断然パッケージ版でゲームをする派なのです。

あまり馴染みのない方のために少し説明させていただくと、ニンテンドースイッチでは、遊ぶゲームソフトの種類として

・「パッケージ版(カートリッジ式で本体にカセットをガチャっとはめるタイプ)」

・「ダウンロード版(オンラインでゲームデータをダウンロードするので物理的なカセットは不要なタイプ)」


の2つがあります。たいていのソフトはどちらの方式も用意されていて、どちらを選ぶかは人それぞれ。当然どちらもメリットデメリットはあります。まぁ詳細はここでは述べませんが。

私はダウンロード派なのでそれをオススメしていたのですが、パッケージ派の彼の心には響かず。「いいのいいの。だって、パッケージだったら遊ばなくなったら売れるし、そのほうが得じゃん」とのことでした。まぁそういう考え方もあるかと私は一応納得していたのです。

ところが、パッケージの最大のリスクが顕在化することになりました。

それは、ソフトの紛失、です。

私には理解できませんが、息子は、家にあるパッケージのソフトを全て一箇所に集めて一つの箱の中で管理していました。何やら百円ショップか何かで買った小さいケースです。スイッチのソフトはどれも小さくて、しかも薄いんですよね。だから何枚もそのケースに格納できていたみたいです。

察しの良い方はお気づきかと思いますが、彼は今回、そのケースごと無くしてしまったようなのです。

息子は、普段から「俺はパッケージ派だ」と豪語していました。自分の小遣いをコツコツ貯めて、そこからゲームソフトを買っていました。定価だと高いので少しでも安く買うために、中古品を探して色んな店舗を回ったりもしていました。

彼にとって、たくさんのゲームソフトが入っていた小さいケースは宝の山だったはず。私には合計何個のソフトが入っていたのか知りません。3Dワールド、スマブラ、最近ではドンキーコングも買っていたようです。

しかし、それが一気に彼の手元から消えてしまった。

「無くなった」と言っても、家の中で紛失しているだろうから、くまなく探せばあるだろう。そう考えて私も昨日も一昨日も家の中をひっくり返す覚悟で捜索しましたが、どうにも見つからない。おかしい。息子に聞けば「捨てちゃったのかもな・・」とも言い出す始末。そうなったらもう救いようがありません。

前述のゲームの条件も、そもそもゲームができないのならやる意味は無いとばかりに、宿題もテキトーになり、部屋の散乱し放題になりつつあります。今般それが問題に思えています。

まあ、それらをゲームの条件に組み込んでしまった親の責任もあると思います。本来ならゲームをやろうがやるまいが、宿題だったり部屋の片づけはやるべきなので、そう自発的に行動するようになってほしいところではあります。

ただ、それはそれとして、かつてのゲームファンの私としても、好きでたまらないゲームソフトが無くなってしまうというのは、耐えがたい苦痛であると想像できるものです。

息子にとっては、今まさに、絶望の淵に居るはずです。

私は、そんな彼に対して何ができるだろう。

・さらにめちゃくちゃ家の中を探す。
・ダウンロード版のソフトを買ってあげる。
・知らんぷりして普通に接する。


幾つか選択肢は浮かびました。ですが、ちょっと懸念もあります。

「めちゃくちゃ探す」もいいのですが、もしかしたら発見できる可能性はあります。ただ、仮に見つかってしまった場合、「ラッキー。見つかった」で彼の中で終わってしまうことも考えられるのです。恐らくですが、彼はすぐに今回のことを忘れてしまうのではないかと思います。

というのも、彼は結構だらしなくて怠惰なところもあるのです。そのソフト紛失事件が起こった際に、私や妻は必死に探していたのですが、当の本人はマンガを読んで「どうせ見つからねえよ」とソファに寝転んでいました。つまり、結構「他人任せ」なところがあるのです。

その態度に腹が立つこともあるのですが、何より、私や妻が協力することで「自分が何もしなくても、誰かが何とかしてくれる」という思想を植え付けてしまうかもしれないことが心配だなと思ったりします。

仮に見つからないかもしれないけど、まずは自分の力で必死に探すこと、事態を好転させるために尽力すること、それをしないで居るように見えます。苦労を知らないと言いますか。それはもちろん、甘やかしてそう育ててしまった我々夫婦の責任でもあるのですが。

彼には、最初から他人を当てにすること(というか自分からは何もせずに勝手に助けてくれると考えること)を当たり前にしてほしくないと思うのです。

同じ理由で「ダウンロード版を買ってあげる」というのも良くないのかなと。これに関しては甘やかしの最たるものでしょう。彼はますます自分で動こうとしなくなる。

ですから、心を鬼にして、最後の「知らんぷり」に徹しようかと思っています。私は、子供に対してはかなりお節介で過保護なほうなので、ちょっといやかなりの我慢が必要になりますが。

絶望の淵に追いやられた息子が、そこからどのように一歩を踏み出すのか。親としては手を差し伸べたい気持ちを抑えつつ、平然と事態を見守るつもりです。

彼のこれからの成長のためには、今回のことを色々な学びにしてほしい。ゲームソフトの管理方法だったり、自分が主体的に動くことの必要性や重要性だったり。些細な(と言ったら本人から怒られるだろうが)絶望から学んでほしい。

実際、大人になれば山ほどそういうメンドクサイ事態は待っている。そうなったときに、彼が自分で行動できるように。自分から動かないと、誰も協力はしてくれないから。願うのは、自ら問題解決できるようになってほしいのです。

まだ小4ですが、もう小4。親としては口や手を出すより、見守ることを増やそうと思います。

果たして、どうなるのだろう。この件は進展があれば続きを書きます。続きが無いということは、たぶんソフトは見つからないままだし、彼の行動も変わらないままということなのでしょう。ドキドキ。がんばれ。おわり。

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