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求めていたのは安心ではなく攻めの姿勢 / uka 渡邉弘幸さん【Talkwith#1】(前編)

こんにちは。ファンタラクティブPRの石原です。
今回から始める新たなシリーズ「Talkwith」では、ファンタラクティブのクライアントや関係者の皆さまと、代表の井村が対談した内容をご紹介していきます。

第一回目は、トータルビューティーカンパニーの株式会社ウカ代表取締役CEO渡邉弘幸さんとの対談です。

<株式会社ウカ プロフィール>
「うれしいことが、世界でいちばん多いお店」をビジョンに掲げる、創業70余年のトータルビューティーカンパニー。
ヘア、ネイル、ヘッドスパ、エステティック、アイラッシュをご提供するトータルビューティーサロンの運営から、サロン発のオリジナルホームケアプロダクトの企画開発販売、美容に関する教育、カフェの運営など、あらゆる方面から「美」の提供を手がける。

ウカさんのWebサイトが今年4月にリニューアルし、ファンタラクティブは提案からデザイン、実装まで一貫して担当しました。(実績紹介ページはこちら
今回の対談では、ウカさんとの出会いからプロジェクトのリリースまでを、渡邉さんと井村のお二人に振り返っていただきました。

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決め手はクリエイティブなマインドと攻めの姿勢

——まずは、今回のWebサイトリニューアルの背景を教えてください。

渡邉:ウカのWebサイトは、元々ブランドサイトとオンラインストアが分かれていて、1年程前からそれぞれのリニューアルを考えていました。
ブランドサイトは従来よりもさらにブランドのトーンを強調することを、オンラインストアは機能を充実させユーザーが買いやすくなるようことを目指していました。
ファンタラクティブさんのことは、リニューアルをお願いする会社を探す中で、社員から紹介してもらいました。その社員と井村さんは高校の同級生というつながりがあったのですが、僕も二人と同じ高校の出身でご縁を感じましたね。

井村:元のサイトでは、ユーザーはブランドサイトとオンラインストアのそれぞれでログインをしなければならない、同じウカのサイトなのにお客さまからはバラバラに見えてしまうなど、ユーザー体験の断絶が起こっていて、裏側でも会員情報の管理が分かれているなどいくつか課題がありました。
そのため、まずは両サイトをシームレスにすることを今回のリニューアルのテーマとしました。
ブランドサイトとオンラインストアを一つにすることで課題を解決し、サロン、ストア、商品が一つのウカさんの「トータルビューティーカンパニー」として見えるようにもなります。


——今回、コンペで弊社を選んでいただいたとのことですが、決め手となった点はどこだったのでしょうか。

渡邉:今回は全部シームレスにするという攻めのプロジェクトだったので、「安心してお任せください」というスタンスではなく、パートナーとしてクリエイティブな発想やマインドを持っているところにお願いしたいと思っていました。
井村さんの提案は、ウカのITの在り方が今はこうで今後こうあるべきだというビジョンの作り方がすごく上手で、そこにすごく共鳴したんですね。
また、うちみたいな美容業界はアートディレクションのセンスがしっかりしていないとお客さまにそっぽを向かれてしまいます。井村さんは年齢も若く美大出身で発言もしっかりしていたので、今回の仕事をお願いしたいと思いました。
それに「ファンタラクティブ」という会社の名前も良いですよね。僕たちのビジョンは、「うれしいことが世界でいちばん多いお店。」です。「ファン」が会社のど真ん中にある。お客さまや社員、ステークホルダーが皆ウカの仕事をしていて楽しいうれしいという気持ちになっていただくことが、僕たちが大事にしていることです。ファンタラクティブさんも社名に「ファン」を掲げているので、考え方が近いのかなと。

井村:社名は、「ファン」と「インタラクティブ(相互に作用する)」を組み合わせた造語です。一方通行ではないコミュニケーションを大切に、世界が楽しくなるサービスを提供していくとの思いでつけました。

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▲株式会社ウカ 代表取締役CEO 渡邉弘幸さん

Webサイトは表現を支える箱

——リニューアルをする上で、分かれていた2つのサイトを統合することがメインテーマだったとのことですが、その他に方針としていたことはありますか。

渡邉:Webサイトに限らず、お客さまに最新のものをご提供する、普通のことはやらない、という思想があります。Webサイトでもその思想に基づいたウカらしい表現をするために、コンテンツやページを表示する速さ、シンプルさを重視していました。

井村:Googleみたいなサイトにしたい、というお話でしたよね。

渡邉:そうです。Googleのサイトってシンプルで、表示速度もストレスないですよね。
GoogleやApple、Amazonが出てきた時、皆世の中変えていったわけじゃないですか。同じようなことを他社もやってきてはいたけど、Googleだから、Amazonだから変えることができた。そこに何があるのかすごく興味があって、彼らがどのようにポータルサイトをデザインしてコミュニケーションを取っているかをずっと研究していると、速いんですよ。

井村:あくまでWebサイトは箱で良いんですよね。渡邉さんにいつも言われることですけど、中身を際立たせるために箱はシンプルにしておきたい、ユーザーがやりたいことにすぐアクセスできるということを大事にしたいと。それはWebサイトを作る側のコンセプトとして、非常にやりやすかったです。
中身の話で言うと、ウカさんのコンテンツや表現にはストーリーがしっかりあるんですよ。渡邉さんがTOPを務めるブランド部の、ここまで出したい、ここまで出さないとユーザーがわからなさすぎるみたいなバランスを伺って、どこまで出してどこを出さないかを考えます。全てを見せるのではなく、実は裏にはストーリーがありますよというのがブランドの考え方なので、そこは結構意識してますね。
そういう面白い表現をきちんと魅せる箱作りをしようとの思いでした。いわゆる化粧品のECサイトを作っているという感覚ではなかったです。

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▲ファンタラクティブ株式会社 代表取締役CEO 井村圭介

万人受けは狙わない、伝わる人たちに刺さる表現を

——ウカさんのサイトでは、商品とは関係のない写真を使うなど他とは違った遊び心を感じますが、表現する上で心がけていることはありますか。例えば少し前に、CNNのキャスターの画像を使われてましたよね。

渡邉:ああ、新規お客さま獲得の総選挙の企画ですね。
新型コロナウイルスの感染者数を最初にCNNが報道した時の画面で、各国の感染者数はジョンズ・ホプキンス大学調べでしょう。今回の総選挙はカウントしていくものだから、それが流用できないかなと思って。
すごく不謹慎に思われるかもしれないですけど、要はウイルスなのでインフルエンスしていくわけですよ。
コロナは悪玉ですけど、僕たちの仕事は善玉をインフルエンスしていくようなイメージで。スタイリストのトーン&マナーやテクニックがお客さまにインフルエンスしていくようになって、新規のお客さまが増えていくんです。
表現の仕方をどうするか、どう伝えていくかは、良いものでも悪いものでも同じような仕組みでやっていくのが正しいと思っています。良いか悪いかというのはこれはもう受け手本人のリテラシーで判断するものだから。ウカのお客さまはリテラシーが高いので、お客さまを信じるところからスタートして表現を考えることを心がけています。井村さんはこのセンスをよくわかってくれます。

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井村:そうですね。今の総選挙の話もそうですが、アウトプットだけ見るとびっくりするというか、あ、そうやって出てくるんだと思うものはあります。キャンペーンや商品など表現の一つ一つについて、渡邉さんやブランド部の皆さんがよく考えられた深いストーリーがあるというのをすごく感じますね。

渡邉:表現は、面白いねってクスッと言わせるような、一部の人たちだけがわかるマイナーなものでもいいんです。それが僕はインフルエンスの原理だと思ってるので。僕たちがマジョリティに対しての直球の表現をする必要はないと思っていて、本当にコアな方たちだけにわかる感じに作っていきたいですね。
既にさまざまな表現者たちが、あらゆるメディアを駆使してほとんどの表現の仕方を出し尽くしてると思っていて。そうなると、新しいデバイスを利用して、どのように生活者の頭の中にインプットされている情報を上手く引っ張り出してきて、なるほどと思わせる仕掛けを作るのが、現代の表現者の在り方だと思っています。
その仕掛けをITで作ってくれる人を本当に探していたんですね。コンテンツは僕たちが作るから、Webサイトの仕組みではいかに門がまえとしてコンテンツを格好良く見せるかと、スピード感や柔軟性があって、自由に使えて更新がしやすいということを求めています。
リリースしたら終わり!となるのではなく、リリースしたらいくぜ!となるインフラを作ってほしいと井村さんには伝えてました。

まず聞く、そしてそれを超える

——プロジェクトを進行する中で、井村やデザイナーのコミュニケーションの取り方、都度のアウトプットなどに対して、どのように感じられてたのでしょうか。

渡邉:井村さんは、こちらの言っていることをよく聞いてくれましたね。それで、否定しない。
ファンタラクティブのデザイナーの方も、うちのデザイナーとよく付き合ってくれていました。うちのデザイナーはすごいタフでソウルがあって、デザインの力を信じてて、思いやこだわりが強かったと思うんですけど。
井村さんもデザイナーの方も、ウカというブランドをすごく理解しようとしてくれていたのがとてもやりやすかったです。
僕は博報堂に勤めていた時にアカウントエグゼクティブという仕事をやっていました。先輩からは、クライアントに言われたことに対して「最初はNoと言うな」と言われてたんですよ。要望がどうであろうと一回は聞けと。それから聞いた通りのものを作るのではなく、それ以上のもので応える。こちらの方が良いですとロジカルに説明しきるというのが博報堂のDNAです。
クライアントに寄り添ってしっかりニーズを聞いて、あとは生活者の発想を持って、どうしたらメーカードリブンになりがちな発想を柔軟にしていくかというのが僕としての役割でした。井村さんのスタンスもこれに似ていたんですよね。

——ありがとうございます。逆にご不満だった点はありますか。

渡邉:これから出てくるんじゃないですかね。最初のエネルギーは情熱があれば維持できますけど、パートナーって結婚生活と一緒で、相手のボロが出てきた時にどうサポートできるかということだと思うんです。

井村:結婚生活と一緒(笑)。私も結婚して何年か経ちますが、本当にわかります。

パートナーの在り方

——今日のお話の最初の方にも出てきましたが、「業者」ではなく「パートナー」という言葉を使われるところに渡邉さんの意図を感じます。渡邉さんが考えるパートナーとはどういうものでしょうか。

渡邉:パートナーさんとは常にお互いの状況をアップデートし合っていて、動く時にすぐ一緒に動ける関係性でいたいと思ってます。
リリースが終わると徐々にお互いの課題や決めたことの共通認識が徐々に薄れていくので、それらを維持することがとても重要です。井村さんと僕は定期的に話していくのが必要で、そうしないとお互いのやりたいことの距離感が離れてしまって、また僕が新しいビジネスをやるぞと言った時に表現しようと思ったら土台がぐちゃぐちゃになってたとなるのは嫌ですね。そうならないためにはお互いに努力しないといけない。僕たちのようなクライアント側に大きなビジネスチャンスが来た時に、パッとすぐ対応できる関係性のパートナーが一番強いと思います。
また、パートナーさんには、社内で馴れ合いすぎになっているところにピシッと喝を入れてもらうのも期待しています。僕もエージェントの時にそれは心がけていました。

井村:弊社もパートナーという言葉やお付き合いの仕方はすごく意識しています。私たちはサービスの開発など会社の根幹に入らせていただくことが多いので、当たり前なんですけど、一緒にやるからには少なくともこちらから投げ出すことはしないです。
先ほどの夫婦じゃないですけど、最初は恋愛みたいに楽しい時期で盛り上がるけど、事業にも波があると思うのでずっと良い状態ではいかないと思いますし、悪い時をいかに一緒に考えて乗り切って次の良い時までいけるかというのは、仕事としては大切なことだなと思っていて。

渡邉:企業同士の関係性で言うパートナーとの意味合いとは少し異なりますが、ビジネスにおいてパートナーというのをどう大切にするかがこれからの日本社会のテーマだと思います。
生活者に支持を得ている企業やブランドって、精神的なところのパートナーシップのやり方がとても上手なんです。生活者に対するアプローチはもうテレビではなくて、InstagramやECサイトなどでのお作法がすごく求められているので、そういうSNSなどオンラインでのコミュニケーションにも精通して飽きられないブランドやコアなコンテンツを作っていきたいと思いますね。

——Webサイトのリニューアルでは、リリース後に運用側がコンテンツの更新に苦労してリリース時の状態を維持することが難しいというパターンをよく見ます。リリースして終わりではなく、ウカさんのブランド部とファンタラクティブで、中からと外からバランスを保っていける関係性をぜひ続けていきたいですね。

スタッフも楽しんで発信できる箱になった

——ウカさんはよくお客さまからアンケートをよく取られているそうですが、今回のサイトリニューアルについてお客さまの声や、社内の皆さんからの感想などありましたらお聞かせいただきたいです。

渡邉:アンケートではまだサイトについては取ってないのですが、僕が営業回っている時に話を聞いてみてると、サイトの評価はすごい高いですよ。かっこいいね〜って。それがうちのスタッフたちのモチベーションにすごい繋がっていると思います。
社内の皆も大変だろうけどすごい活用するんですよ、面白いから。そうやって皆が楽しんで発信できる箱を作ることが、ファンタラクティブの使命だと覚悟されている感じが好きですね。
「ウカのその姿勢面白いね」って人たちが増えていくことが僕たちの狙いなので、そう言ってもらえるのが僕たちの最高の褒め言葉だって皆自負してやってます。そこにはファンタラクティブさんはすごく貢献してくれています。ありがとうございます。

——井村さんも、今回のプロジェクトはいかがでしたか。今回初めてのウカさんとのお仕事でしたが。

井村:私自身、今回のご縁をきっかけにウカさんのサロンに通ったり商品を使って約1年になりますが、すっかり1人のファンです。
サロンやストアを通じて提供されているお客さまへの体験と、同じレベルまでサイトの体験も引き上げたいという気持ちでプロジェクトに取り組み、リニューアルを通じてその入口に立つことはできたと思っています。
ウカさんは歴史ある企業なのにITの取り組みも先進的で上手い。そんな声をお客さまからいただける日を楽しみに日々改善を続けていきます。

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前編では、プロジェクトに関する話をお二人にしていただきました。
後編では、渡邉さんと井村の意外な共通項や、今後のDXに取り組むにあたっての思想や姿勢についてお話しいただいたことをご紹介します。

後編の記事はこちら


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Profile
株式会社ウカ
所在地: 東京都港区赤坂9-5-14赤坂ヒルサイドハウスⅡ 2階C
代表取締役: 渡邉弘幸
事業内容: 理美容業全般/オリジナル商品の企画販売 ヘアショー・講習・セミナーの企画運営/講師の派遣雑誌、CM等撮影への派遣(ヘアメイク、ネイル、ヘッドセラピー等)各種イベントへの協力等

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ukaのビジョンは、うれしいことが世界でいちばん多いお店。きれいになるとうれしい、ほめられるとうれしい。ヘア、ネイル、お肌、カラダ、ココロ、家族、仲間、地球・・・あなたと私と地球が、もっときれいに、うれしくなることをふやしていきたい。そんな想いから生まれるのがukaのトータルビューティー。
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公式サイト: https://uka.co.jp/
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