見出し画像

日本語で「借方、貸方」、英語で「Debit、Credit」その心は?

こんにちは!長年、海外に住み、日本に帰国後、会計✖英語を教えている、帰国子女のスグリンガルです。

「経理」「会計」といえば、必ず耳にする、2つのコトバ:

「借」「貸」

これらは、すでに、ご存じでしょうか。

こんなこと聞くだけで頭が痛くなる!と思った方。

全く難しくないです。

これらは、実は、単純に左か、右か、の話なんです。

「借方(かりかた)」=左
「貸方(かしかた)」=右

です。

なんで左か右か、が重要なのか?

それは、左に置くか、右に置くかで、数字の運命が変わってしまうからなんです。☛大げさではなく、ホントに。

皆さん、こんな画像、どんなに数字や経理がキライな人でも、

一度は目にしたことがあるはずです:

画像1

貸借対照表って言われる、会計の「基礎のキ」に当たる表です。

ある時点での、その会社が持っているすべてを数字で表した表です。

会社がどれだけ儲かっているか将来性があるか、投資している人や働いている人は、気になりますよね。

だから、会社は定期的にこの表に入る数字を機関に提出しなければなりません。

この表の中に、左=①資産、右=負債&純資産があります。

数字のすべては、これら3つのカテゴリーのどこかに入るという決まりがあります。それで、資産と言われれば、「左=借方」に入るし、負債か純資産のカテゴリーであれば、「右=貸方」に入るわけなんです。

ただ、それだけなんです。

どれが①、②、③になるか、どうやって分かる?

①=その会社が持つ「資産

です。それを元手にお金を稼ぐもの。代表的なものは現金とか、仕入れた商品とか、オフィスとして使っているビル、ビジネスで使うパソコン、とかです。(英語=Assets;日本語でも、アセット・マネジメントっていいますよね。これは、つまり、会社や個人がもっている資産を「マネッジ=運用する」という意味です。)

②=その会社の負債=借入

銀行から1000万お金を借りている場合、その金額はここに入ります。他にも「社債」と呼ばれる、投資家さんたちからお金を借りる制度もあります。(英語=Liabilities;ライアビリティという少し難しい単語ですが、他人に「負っている」ものという意味です。)

③=「純資産」=負債を除いたネットの資産

そう呼ばれるのは、単純に資産から負債を引いた金額だからです。「純」=生の資産、つまり、最初に投資家やその他、「この会社は有望な会社だ!」と思った人からお金を募って入ってきたお金がここに入ります。また、ビジネスをして売上が出たら、そのビジネスをするのに費用がかかりますが、それら費用を除いた、「売上ー費用=利益」も、最終的にはここに入ってきます。つまり、資金の元手(本当のカネ)が③というわけです。(英語=Net Assets;Assets=資産から、負債を除いたネットだから)


ちなみに英語では、Dr.=借方、Cr.=貸方、と書きます。

Dr. = Debit(デビット)
Cr. = Credit(クレジット)

最近は、デビットカードやクレジットカードが出回っているので、これらの単語は親しみのある単語なのでは、と思います。

クレジットカードは、利用者が利用可限度額を設定し、この「限度額=借金枠=クレジット」を利用して決済するカードなので、こう呼ばれてます。

デビットカードは、利用者の持つ銀行口座(=資産)を参照し、この「資産=デビット」を利用して決済するカードなので、こう呼ばれてます。

デビットカードは、決済するとき即座に口座から引き落とされますが、クレジットカードは短期的に「借金」して、翌月や翌々月に後払いするという仕組みになっているのです。


なぜ左、右と言わないのか?

それは、昔江戸時代も、商人が帳簿を書いていましたが、そのときは、「上下」だったからです。

つまり、まず資産を書いて、その下に負債を書く・・ようなことになっていたので、上下とか左右とか言っていると、混乱すると考え、借方、貸方、という表現になっています。

会社の経理部にいくと、「デビクレがおかしい~」というフレーズをよく聞きます。これはデビクレ(=Debit & Credit)のどこかの数値がおかしい~、と言っている意味なんだ、と考えてください。

ここが分かると、結構経理システムでみんながてんやわんやしているときに、なるほど~と思えたりします。



よろしければサポートお願いします!頂戴したサポートは、今後の記事の質向上に使わさせていただきます!