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【仕事】ざっくりまとめると痴話ゲンカ

こんにちは、イラストレーターのfunenoです。

現在、語学雑誌で西遊記の扉絵を担当させていただいています(株式会社愛言社様の『聴く中国語』)

ところで、今月の三蔵一行は「黄袍怪」という妖怪とのバトルです。この妖怪は、たぶんそんなにメジャーじゃないかもしれない。

先月号の白骨精のほうが、調べたら画像がいっぱい出てくる。

・(参考)先月号記事↓

この話は先月号(=上記事)からの続きなんですが(先月号記事はこちら↓)、例によって三蔵はちょっと頼りないので、フツーに黄袍怪につかまります

そして西遊記あるあるとして、食べられそうになる

この黄袍怪は黄色い袍(=着物)を肩からかけているのが特徴。ジャングルの中に、波月洞という居を構えている。無理やり攫ってきて妻にした、宝象国の3番目の公主(おひめさま)と同居中。

この妻は、自分の国に帰りたいので、自分の国への手紙を持たせるのを交換条件に、捕まっていた三蔵一行を逃がしてくれる。

でも黄袍怪はわりと頭がいいので、自分から公主の国に行って、公主とは相思相愛で仲良くやってます、と、王にうそをつく。

その時に化けたのが文人風のイケメン(イラスト真ん中の人)。

聴く中国語2024-6号より

そして「三蔵は、私たち夫婦の仇のトラです」っていう嘘もつく。

三蔵はたぶん、「は?」って思ったと思うんですけど、黄袍怪が水を吹きかけると、実際、トラになってしまう

なぜって? 黄袍怪は妖怪だからそんなの自在ですよ。

八戒や悟浄も逃げたり捕まってしまったりして、万事休すかと思いきや、そこで白馬が活躍。宮女に化けて、黄袍怪に一矢報いる。

・(参考)白馬っていうのはこのイベントで仲間にした馬です↓

でも白馬は勝てなかった。黄袍怪から逃げてきた白馬は八戒に、破門された悟空に助けに来てもらえるよう、お願いする。

そうそう、悟空は先月号で破門されて、実家に戻って楽しくやっているんですよね。なので、なかなか承諾してくれない。悟空ってかなりプライド高い感じなのに、先月の扱いがひどかったので。

・(参考)悟空の先月号の扱い↓

岩波版でも、25ページくらい使って、三蔵を助けに行くのをしぶって、うだうだしてます。

・(参考)悟空うだうだの巻(岩波)↓

すったもんだあって、悟空が助けに来ると、黄袍怪は逃げ出す。

どこに逃げたかっていうと、なんと天界

じつはこの黄袍怪は、奎星っていう星で、天帝の眷属。しかも妻の公主も、実は天界の人で、二人して地上に下ってきたらしい(妻は天上にいた記憶がないのでこうなった)。

つまりこの話自体が、天界の男女の痴話ゲンカに巻き込まれた三蔵一行的なムード。

奎星は、文章をつかさどる神とされているようです。黄袍怪が人に化けた時、文人風のイケメンだったのは、名が体を表しているってことなのかもしれない。

・ほかの西遊記記事はこちら↓


・痴話げんか西遊記が載っている『聴く中国語』6月号はこちら↓

今月の巻頭特集は、中国医学。鍼灸・カッピングから滋養強壮・薬膳まで触れられてます。

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