星井ふなみ

今晩はふくろうが鳴き、昨晩は狸が鳴いていました。

星井ふなみ

今晩はふくろうが鳴き、昨晩は狸が鳴いていました。

マガジン

  • 日記

    すぐどっかに登る5歳の1人娘、チビコ。自転車好きの夫くん。陰気な極楽とんぼの私の珍道中。

  • 小説

    優しい宇宙人か宇宙人に優しくされる呑気な日常の物語がなんだか多いです。だいたい短めです〜!

最近の記事

夜のテニスコート

夕飯後、「ショーが始まりまーす!テニスコートにお集まりくださ〜い!」とチビコがすっごく張り切ってアナウンスしつづけたので、私と夫くんとチビコは、山のテニスコートに夜散歩に行くことにした。 食後のデザートのバナナと、水筒にあったかいお茶を用意して、そしてコップを3個持って。チビコ隊長に続く隊列を組んで、階段をどんどん登った。見晴らしのいいテニスコートに到着。ちょうど山から月が顔を出したところだった。 「あ〜そっか!今日は満月なんだ」 ベンチに座り満月を見てたら我々の席の前の

    • 移動日記今日は。

      mちゃんちに向かう車内で、杖を持った、スラっと背の高いおばあさまが乗っていらした。 席を譲ると 「いえいえ〜♫ゆっくりしてくださいよ〜ん♫」 と歌うように、ではなく、完全に歌で言われる!上品な振り付きです。 ときめく〜。まさか気が合って仲良くなっちゃうのかな?と、チャーミングな彼女の素晴らしい目を見たら夢は消え 「あ、勘違いだ。私も一瞬であなたに夢中になったおびただしい数の人類のひとりであります。」と、ふんどしを締め直す。 グッバイです、超絶素敵な方。すごい一瞬をありが

      • 活気

        チビコはじいじの工作教室の日に、ついでに夕ご飯もお呼ばれする事がよくある。今日はそんな日。結構夜も更けたころ、 「ただいまあああああ〜っ!!」とフザケてピンポンを押し過ぎるあのオチビが帰ってきた。酔っぱらいの友達のようだ!そしてインターホンのカメラ履歴がピノコのパラパラ漫画みたいになった。 じいじの教室帰りのチビコは、活気、勢いがほんとにすごい。大間のマグロがビンビンギラギラに泳いでる映像を妙に思い出したもん。 じいじ達は豊かな海みたい。もしも、私も含め、もっと多くの大人が

        • 猫の昼寝

           今朝は、チビコを送り出したらすぐ『箱根ビール』を飲もうと決めていた日!絶好の晴れ。  お疲れさまーとビールに言いながらプハッっと瓶のまま飲んだ。全く元気なかった自分の顔がニッタ〜と、勝手に笑いましたとさっ。  午後に予定のある夫くんは、一滴だけ舌に乗せて、美味しい!と同じくニッヤ〜としていた。  チビコの幼稚園LINEは夫くんがやってくれている。 「今回の懇談会で、卒園式の係決めるみたい、後で行ってくる、チビコと帰ってくるよ。」とのこと。それでお仕事は休み。シャーシャ

        夜のテニスコート

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        記事

          コスモちゃん/青い聖堂

           コスモちゃんという友達がいる。名前もポップだが外見もポップで、フワちゃんに似ている。体付きとか特に。  コスモちゃんの“おママ‘’は、フワちゃんに1ミリも似ていない。小さくて細く顔色が青い。綺麗なんだけど、コスモちゃんに対して目が怖かったし、本当のお母さんではないとみんな薄っすら思っていた。 『なあ、うちって連れ子だと思う?ね。そうでしょ。ところがおママはリアル、産んだ母なんだわ、わたしを。』と球技大会の日に、コスモちゃんは、私とモカちゃんに言った。  コートではバレー

          コスモちゃん/青い聖堂

          見晴らしと片隅

           連休中は山小屋に泊まりつつ毎日あっちこっち高いとこに行った。絶景の峠とかビック吊り橋とか。トンビみたいなコースを選んだけど鳥になったようだとは全く思えず、うっかりドローンに乗って飛んじゃったハムスターって感じだった。 でも凄いビューをいっぱーいみたから、良かった!ケーブルカーって怖いのにあんなにワクワクするのはなんで!グングン感? どこもかしこも青空と、ショッキングピンクのツツジ。もりもりの緑の大海原、おっきな富士山。 大きな吊り橋ではチビコが「なあーんにも、こわくない

          見晴らしと片隅

          眠る

          チビコと寝るのはおもしろい。 とにかく寝相がすごくて、寝てる私の周りをドシドシ動きまくるし、頭や顔をこすりつけてくるんだけれど、ふわっとつるっと、しっとり重く、柔らかいけどしっかり固い 、、新素材感がすごい。近未来的というか(笑) その新素材オチビを、寝ぼけながらちょこちょこレスキューするのが私の夜間仕事。ちっちゃくてまるいお腹に軽〜いブランケットをそっと乗せる。どこかで変な形に曲がっている首をおっかなびっくり真っ直ぐにする、きゅーきゅー言ってたらトイレに連れて行く、などなど

          ポピーを咲かす

          「ママー!『チビちゃんロロフス』お願いしますっ!」 ←これはトイレに付いてきてドアの前で歌ってくださいって意味です(笑) チビコはいつもそうシャウトしながらこちらをチラッと確認し、ママがその顔なら嬉しくて元気100倍っ!って感じでトイレにダッシュしていく。私も笑っちゃって、はーい、と言いながらえっちらおっちらついていく。うちのチビさんはママがトイレのドアの前で「その日のチビさんを称える即興替歌」を歌ってくれるのが大好き…っていうか、そういうもんだと思っておるのです。私はパラ

          ポピーを咲かす

          なんてかわいい

          友達が私の祖母のワンピースをニコニコで着てきてくれた!!なんてなんてかわいい!お婆ちゃまーー見てるかー!?と思った(笑) 祖母は超、服好きだった。外国の分厚い本を取り寄せて布を選んでたり、プリーツの位置をこだわり抜いて決めてたり。自分でデザインして洋裁の上手な奥さまに全部作ってもらってたのです。  とっても華奢だったからサイズが合う人は少ないし、ガーリーともシックとも違うような特殊なセンスである点もマッチングが難しい。もう誰も着ないかな?って思いつつも、でもこれは芸術品だ

          なんてかわいい

          パーティー考

           「ママもうすぐ誕生日だね、誕生日プレゼントは何がほしい?な〜んでもいいよ!コアラのバッチ?ナマケモノのスカートがほしい?なんでも作ってあげる。何が食べたい?」等と、チビコが3ヶ月位毎日毎日聞いてくれた今年。 ここまでのすごい熱意で私の誕生日を祝おうとしてくれた人は始めてだなあ。「じゃあチビちゃん手作りビーズのネックレスがいいなー」と、千本ノックのようにお返事を考えるのも日課。 「ママちゃん、ネックレスだけじゃなくていいんだよ。スカートだって作ってあげるし、バックだって、チ

          パーティー考

          移動日記

          おチビと一緒に実家にお泊まりに行く。この春髪をボブにしたら、古着がいきなり似合うようになってしまい夢いっぱい。着替えもいっぱい。バス停まで山を超えて歩くというのに、メッセンジャーバックをパンパンに2個持ちする。チビコは白と黒の合わせでオシャレしたと言いつつ虹色のくま耳付きキャップをかぶっていて猛烈に可愛い。 春の電車で、いいことがあった。重い荷物を網棚に上げてたらその網棚の下に座ってた10代のスケーターっぽいお兄さんがさっと立ってくれたのだ。何も言わずに、ただチビにニコッと

          チャンス

           祖母は晩年まで 『わたしはお姉さんといつも比べられて、なんでも下だと言われた。向こうは目が大きくて美人。さらに昨日は病院で頭がいいって褒められたんだって。私のことバカっていいたいのね。ムキーッ』 みたいなことを頻ぱんに言っていた。波動が低いったらありゃしない(笑) 客観的意見、傾聴、説得、愛。何十年も色々トライしたが駄目。お姉さんが亡くなっても止まなかったんだけど、 祖母の晩年にあるチャンスがやってきた。 私に子供ができる前の、春の午前中だった。母の家のリビングで、かな

          山山

           白馬でスキーをしてきました。チビ子5歳、初スキーです。 (私達が帰った次の日に白馬のスキーリフトが倒木事故で、10人ほどの人を乗せたまま一時間以上止まってしまったそうでした。リフトの上で一時間なんて…寒かっただろうな、みんなが今は温かいところで元気でいますように!)  スキーに行くって、行きは9時間、帰りは8時間も車でかかって大変だった。(私は乗ってただけだけど!)寒いし足は重いし、手袋ゴーグル帽子ストック部屋の鍵をいつも誰かが落とすし、万能ベストを着てスマホや現金をがっ

          わかめとようせい

          わかめを取りに海に行った。 今日は幼稚園が、年長さんだけ卒園遠足に行くということでおやすみ。チビコと一緒に庭で遊んでたら、じいじにワカメ取りに誘ってもらったのだ。 じいじと娘と私は、干潮タイムを狙って午後に岩場へ行った。曇り空から時々ダイヤみたいに鋭い白の光がさしててなかなかすごい海。 岩のりが随分取られてて超ツルツル滑る岩場は結構高い。こないだスキーから帰ってきたばかりなので、つい雪山のことを思い出す。チビと手を繋いで歩いてみたり、手を離して各々頑張ったり色々してみた

          わかめとようせい

          あばら屋と黒塗りカーの思い出

          ユンへちゃんはヤンキーだったと思う。あの目つき。スタイルの良さ。肌の綺麗さ。はあっ?という時の眉毛の角度など。ヤンキーだ。と断言できないのは、学校が玉の輿聖母マリアみたいな感じを目指す校風だったために、ユンへちゃんといえども三つ編みで膝が隠れるセーラー服にタイツだったからだ。 ユンへちゃんには明るいギャルのミッチャンや、小学校からもちあがり組のバスケ部のエースのモスちゃん達という、核爆発してるみたいに元気で楽しそうな仲間がいた。そのまわりで落ちこぼれ気味だった暗い子達が猛烈

          あばら屋と黒塗りカーの思い出

          江ノ島へ。クロワッサン

          風が強すぎて水中ウォーキングしてるみたいだった、江ノ島にいってきました。昔のバイト仲間のmちゃんと!  おっきな白いレースのつけ襟を、白いニットに真珠のボタンでつけてヒラヒラ駅にやって来たかわいいmちゃんは、抗がん剤治療を始めたので「冷たいと手がいたいの〜」と言って黒いこなれたぽい手袋をしていた。大事を取って近所で肉まんでも食べようよって誘ったのだけど「近所なんてえ〜!ここ数年でほんとに一番元気だから大丈夫なんだよ~!」と遠方の店のURL(海が見えるイケてる店系)をバンバン

          江ノ島へ。クロワッサン