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【読書記録】※オススメ※ジミー(青海エイミー)

高校生になったら、みんな、自分の立ち位置を決め始めた。それができない人を見ると、隠していた自分の一部を見てるようで恥ずかしいからか排除したくなる。オレはあんな風じゃないよって。

(作中より引用)

これ、めっちゃオススメでした🔥🔥

どちゃくそにエモ散らかしてる
青春小説でもあり

人間の負の部分と綺麗な部分を
同じ器に入れて混ぜたような
混沌とした小説でもあり、

簡単に言うと「なんかすごい好き」な雰囲気の
一冊でした🧚🧚


読後も余韻が冷めず、フワフワとした感覚に
包まれています。


ジミーという帰国子女の男の子と、
可も不可もなく 特別な武器を持たないJK・マイのふたりを中心とした物語です🌿

噂の男子編入生は、変化が欲しい高校生の
クラスメイトたちの注目の的になり、
みんな期待しながら待っていたけれど
実際に登場したのは地味な男子。

佐藤純一郎という名前を紹介され
「ジミーです」とひと言……

そこからジミーはクラスのいじられキャラに
確定していき、それに同情というか
共感性羞恥を感じたマイが学校生活を
こっそり手伝ってあげる中で
2人の関係性や 思考が変化していく、
という大枠のストーリー。


この作品の 私的お気に入りポイントは
2人のキャラの濃さと 細かい描写のリアルさ。

ジミーの自然体さも
そんなジミーの中身に目を向けるマイちゃんも
高校生 特有の身の置き場を探る感じも
細かい部分に「なんか分かる」が沢山あって、
物語を身近に感じるような……💭

夏にキラキラ輝く学校のプールみたいな
爽やかさを凝縮した文章があったかと思ったら
世界全てを諦めて突き放したような言葉が
出て来たり。

マイが幼さや成熟や諦観のギャップを
内包した存在であるのが、
「ほんとにJKかよ!?」と突っ込みたくなる
けれど何か逆にリアルで
お話かスーッと心に入って来ました。

読後感も良く、ニヤニヤしながら読了💎
あまり有名な作品じゃないけれど、
気になった方は本当に読んでほしい。
そして語り合いましょう←

他の人の思い出話を聞くのが好きだ。話している時、相手が入り込んでいる様子も好きだ。夢中でその人らしさがあふれている様子がいいのだ。

私は、芸能人のゴシップも好き。プライベートの写真も好き。遠くのものを見ると、近くのものは感じにくくなるのだ。私が発見した真理だ。

本当は、抱きしめてほしいって思った。だけど、言わないと通じない。私だけそう思っているから。だから、言っても仕方ない。お願いするだけになってしまう。

(いずれも作中より引用)

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