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マネーの哲学:「お金」と清く正しく美しく向き合う知性

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全ての物質は時間と共にやがて朽ちる。しかし、増減こそすれど価値まで失わない「お金」は、「複利」と並ぶ人類史上最大の発明品といわれる。 20世紀初頭に「自由貨幣」を提唱したドイツの… もっと読む
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記事一覧

「FIRE人」考

「FIRE」という生き方に憧れる人が増えているらしい。投資でお金を増やし、働かずに生きていくという生き方。これについてはいろんな人がすでに議論しているし、クロ現でも特集を組んでるくらいだからすでに意を尽くしているかもしれないけど、私なりに言語化してみる。

まず思うのは、FIRE人が増えると社会としては困ったことになるのだろうな、ということ。FIRE人はお金を払うけど、働かない。ということは、労働

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庶民のお金がお金持ちと外国人に捧げ物にされる構図

新NISAは、外国人投資家に売り抜けで儲けさせるだけなのでは?と感じる。バブルの頃、優良顧客を儲けさすため、零細投資家に株を買わせ、優良顧客に売り抜けさせるということを証券会社がやっていたのを聞いてる。もちろん零細投資家は大損。これと同じ構図が、国民全体で行われてるとすると・・・。

バブルの頃、土地ころがしという手法が行われていた。土地がどんどん値上がりしながら取引されてるように仲間うちで見せか

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構造的な問題は個人の努力では解決しない

富の偏在を問題視すると、「まずお前が自己の資産を貧困層に配ってからにしろ」と、個人問題に論理をそらす人が必ず出てくる。しかし構造の問題を個人の問題にそらすのは狡猾な論理展開と言える。なぜなら、たとえ個人が努力したとしても「私はしないけどね」と逃げを打って終わりになるから。

人間の動きは水のようなものだと考えている。水は必ず低きに流れようとする。流れようとする水を手のひらで抑えたり殴ったり蹴ったり

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賢明な富裕層

日本経済新聞はよく、先のことを何も考えていないポピュリズムが政治の主導権を握る危うさを指摘するけども、ポピュリズムの生みの親は貧富の格差であることをごまかす傾向がある。富裕層を読者に持つからあまり敵対的な記事を書きたくないからだろうけど。

ポピュリズムも、共産主義も、ナチズムも、貧富の格差、富の集中が生みの親。それがなければ生まれようがない。しかし新自由主義が貧富の格差を拡大し、上位10%が所得

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富の集中

所得の多い上位10%への富の集中度は、米国46%、日本44%、中国43%、欧州36%(2021年)。ロシアで共産主義が発生する前は48%(1905年)。
日本は驚くほど富の集中が起きている。
日本経済新聞230108

修正資本主義の修正

2000年代に入ってからの日本の様子は、第二次大戦が起きる前の先進国での社会状況と似通っている。戦前、先進国では自由主義がはびこっていた。多くの労働者は低賃金にあえぎ、生活するのがやっと。その様子はチャップリン「モダン・タイムス」でも描かれている。

他方、経営者や資本家は大金持ちになった。貧富の格差が拡大し、貧しいものは貧しいまま、お金持ちはさらにお金持ちに。貧困に苦しむ人が裕福になる道はほとん

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賞与と手当、どう違う?

賞与と手当、どう違う?

社会保険の領域では同じ「報酬」に該当しますが、どう違うのでしょうか?

両者を比較しながら違いを見ていきたいと思います。

賞与は「臨時に支払われる労働の対価」、手当は「労働や労災などに報いる対価」
厳密にはそう言い切れない箇所もありますが、賞与は「臨時に支払われる労働の対価」、手当は「労働や労災などに報いる対価」と言えるのではないでしょうか*1 2。

もう少し具体的なシーンをもとに、違いを見て

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江戸時代に学ぶお金 その27:お金に対して利発な人は強い

江戸時代に学ぶお金 その27:お金に対して利発な人は強い

巻6② 見立てて養子が利発

300年たってもお金については何ら変わっていない。

本日の学び
・儲けなしとアピールすると確かに売れる。
・タンス貯金していても、一円も増えない。
・お金に対して頭が切れる人は強い

富裕層と貧困層の関係性をデザインし直す

関係性から考えるものの見方、多分第19弾。
竹中平蔵氏は、富裕層と貧困層がウィンウィンの関係を築けるわけがない、と考えているらしい。貧困層にはひたすら「足を引っ張るな」という。まるで富裕層だけが経済を上向かせる力だと言わんばかりに。しかしその発言で、富裕層と貧困層を分断させている。

富裕層と貧困層がかつてウィンウィンの関係性だった時代がある。戦後昭和。第二次大戦が終わったころ、世界中で共産化の風

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アダム・スミスが本当に言いたかったことは?

アダム・スミスの「諸国民の富」を読む際、私はとても身構えていた。何しろ貧富の格差を拡大させ、多くの人々を貧困に陥れた新自由主義を生み出した張本人。どれだけひどいことを主張しているのか、と警戒していた。

ところが読んでみると、あれ?とてもよく調べられていて、納得のいく内容。

たった一言、本当に一言だけ、「見えざる手」(神の手)と書いたがために、その一部分だけがクローズアップされ、新自由主義という

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みんなが考えたくもない【電子帳簿保存法の改正義務化】でやるべきことを、超わかりやすくまとめてみた

みんなが考えたくもない【電子帳簿保存法の改正義務化】でやるべきことを、超わかりやすくまとめてみた

「お正月くらい、お酒を飲んでゴロゴロしていたい」

個人事業主としてお店をやっていると、ついつい働くペースをコントロールできなくなる。
みんながお休みの時にこそお店を開いて、しっかり売上を上げる。
それは理論上は効率的なんだけど、休むときはしっかり休んでおかないといざというときに力が出ない。

だから今年は三が日くらいはゴロゴロしていようと思ったのだけど……なにか忘れているような……

そう。

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#138「お金について考える」(キャリコンサロン編集部)

#138「お金について考える」(キャリコンサロン編集部)

12月も半ばというのに夏日に近い気温をたたきだした横浜です。クリスマス商戦たけなわというのに、半袖でもいい気候って、なんだかおかしいですよね。さて、今回のお題は「お金について考える」

お金があれば幸せか?

先日、私たちが開発したキャリア教育の授業を中学生にした際に1on1で話した1年生の男の子とのやりとり。

「将来どんな大人になっていたいですか?」
「お金がたくさん稼げる人になりたいです」

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お金という「虚構」に修正を迫るには

Eテレ「オドモテレビ」という番組で興味深いパントマイムがあった。子ども二人と共演してる芸人二人が、片方をフラフープにくぐらせると固まって動かなくなるパフォーマンス。すると、年かさの女の子も、フラフープをくぐらされた途端に固まって見せた。もう一人の五歳くらいの女の子にフラフープをくぐらせようとすると逃げ出した。「くぐったら動けなくなってしまう!」と怖くなったらしい。
人間にはどうやら、周囲の様子から

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担保がなきゃね、という社会

担保がなきゃね、という社会

なにが起こっているのか分からなかった。この10日余り、わたしは複数の女性に高笑いされ、罵声を浴びせられた。ドンマイと思っても、体が付いてこない。腹部が膨らんでくる。内臓が腫れあがっているのだろうか。調子が悪い。

そんな日々を過ごして、やはり一度きちんと向き合わなければと思った。

11月17日から始めたクラウドファンディングが、まるでかつての西野亮廣氏になってしまったのかと思うほど叩かれる。

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