マガジンのカバー画像

絵を奏でる、画で語る。

436
人類が絵を描くようになってから約2万年、絵画美術の手法や技術はさまざまな進化と洗練を遂げ、数多の画家たちが多様にして無限のテーマやモチーフを素地の上に閉じ込めてきた。 時は流れて… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

漫画家と絵本を作る その①

例によってものすごく久しぶりの更新です。

今回は、漫画家が描いた絵本を例に取りつつ、漫画と絵本の表現方法の違いについて考えていきたいと思います。

絵本と漫画、両方絵と言葉で構成されているという意味では、表現方法としては近しい存在だと言っても良いと思います。でも、決定的に違うところがあります。なんだと思いますか?

それは、絵本は見開きをめくることで進行するのに対して、漫画はコマを連ねることで進

もっとみる
「絵を描きたい」ってなんだ?

「絵を描きたい」ってなんだ?

先日は創作意欲を維持するための環境(主に時間)についての話を書きましたが、今回はもう少し解像度を上げて、自分にとっての創作意欲とは、そもそも絵を描きたいという欲求は何なのか?について分解してみたいと思います。

これって創作をする人にはあまりにも当たり前で初歩すぎる話だからなのか、却ってクリエイター同士で話したり見解を読んだりする機会が無いなぁと思っているのですが、あえてググったりせずにそういった

もっとみる
【雑記】ドット絵の広告・映像のお仕事が楽しい!

【雑記】ドット絵の広告・映像のお仕事が楽しい!

イクシールのデザイナー数名と電車に乗っていた時に、何気にドット絵を扱った広告を目にしました。また、隣に立っていたデザイナーが「そういえば、最近、こんなドット絵のCMがTVで流れてるんですよ」とその動画をスマートフォンで見せてくれました。

最近、ドット絵を使った広告・映像をとてもよく目にするようになってきたように思います。

「ドット絵のゲームを遊んで育ってきた世代」、
「時代に合わせて進化・洗練

もっとみる
【ドット絵】「痛み」の伝わる後ろ回し蹴りを作ってみる

【ドット絵】「痛み」の伝わる後ろ回し蹴りを作ってみる

以前の記事で、後ろ回し蹴りを作ってみたのですが、覚えておられますでしょうか。

以前の記事では、敢えて薄い色味でドット絵を作成してみましたが、この薄さのままだと「後ろ回し蹴り」の重さや痛みが伝わりづらいように思います。
今回の記事では、もっと描き込みを増やして質量が感じられるようにし、「痛み」の伝わる後ろ回し蹴りになるようにブラッシュアップしてみたいと思います。

質量を感じるドット絵にするために

もっとみる
【ドット絵】ダメージ演出をあれこれ作ってみる

【ドット絵】ダメージ演出をあれこれ作ってみる

前回の記事で、パンチ、キックのコンビネーション攻撃を作りましたが、今回は攻撃を受ける側の『ダメージモーション』を作ってみようと思います。

さらにそのダメージモーションに様々な『演出』を加え、その結果、攻撃モーションの印象がどう変わるかを見てみましょう。

1.ドットキャラクターを用意する攻撃モーション側は、前回作った『パンチ、キックのコンビネーション攻撃』を使います。

前回作った攻撃モーション

もっとみる
【ドット絵】パンチ、キックのコンビネーション

【ドット絵】パンチ、キックのコンビネーション

サイドビューのアクションゲームを想定して、パンチ・キックのコンビネーション攻撃を作ってみようと思います。

頭身の高いキャラクターでアニメーションを作るのは大変なので、2.5頭身ぐらいの男の子のキャラクターをさささっと用意してみましょう。

いつも通り、行き当たりばったりで進行してみます。

1.ラフを描くさささっと、ペンツールでラフを描きます。
パンチ、キックを繰り出しやすいような、ファイティン

もっとみる
【ドット絵】何となく後ろ回し蹴りを作ってみる

【ドット絵】何となく後ろ回し蹴りを作ってみる

たまには、手の込んだアニメーション作成しようと思ったので、『後ろ回し蹴り』を作ってみようと思います。

フットワークやパンチのアニメーションは比較的作りやすいのですが、後ろ回し蹴りはそこそこ大変です。描かないといけない絵が多くなりますので…。
でも、たまには頑張ってみようと思います。

1.基本形を作成する

まずは、後ろ回し蹴りをさせるキャラクターを作成する必要がありますので、ささっと簡単に『ラ

もっとみる
マステドット絵って何

マステドット絵って何


はじめに

こういうのは多分性格上長続きしないし、文章書きは苦手な部類(まとめたり読みやすくするのが出来ない)なので、最初で最後かもしれないし、気が向けば続くかもしれない。

そもそもマスキングテープって?

マスキングテープ(英語: masking tape)は塗装をはじめとするシーリングやコーキングの際に塗装箇所以外を汚さない目的で使用される保護用の粘着テープ。
「マスキング」は「覆い隠す」

もっとみる
「イラストレーターとしてのスタンスについて」

「イラストレーターとしてのスタンスについて」

※こちらの記事は私のHPのブログよりnote用に修正転載しています。
https://shinkikkawa.net/blog/blog-1506/

私の「イラストレーターとしてのスタンス」について書いてみたく思います。

この記事は主にはクライアント様向けではありますが、よければそうでない方々にも読んでいただければ幸いです。

私、桔川シンの経歴を簡単に紹介すると、
デザイン系専門学校のイラス

もっとみる
有名アニメーターすしお先生の画集を紹介

有名アニメーターすしお先生の画集を紹介

どうもゲームディレクターのおこめです。
今日はアニメスタジオ「トリガー」にて活躍する、名アニメーターすしお先生の画集を紹介します。

アニメーターを目指す人、アニメ原画に詳しい人には非常に有名で人気のアニメーターです。
シンプルな線で、非常に躍動感あふれるイラストを描かれます。
非常に勉強になると思います。

1.今回紹介する本今回紹介する本は、
「SUSHIO THE IDOL」というアニメ原画

もっとみる
Happy Elementsの仕事 『イラストレーター』職種の紹介

Happy Elementsの仕事 『イラストレーター』職種の紹介

はじめにこんにちは。
メルクストーリアチームでしがないイラストレーターをしていた者です。
現在は新規開発部に所属しています。

↓2020年のアドベントカレンダーでも執筆させていただきました。

今回はメルクストーリアでの制作実例を掘り下げながら、
Happy Elements カカリアスタジオの 「イラストレーターの仕事」 についてご紹介します。

そもそも…■カカリアスタジオにおける「イラスト

もっとみる
絵心が無くても大丈夫。専門家のためのイラスト入門

絵心が無くても大丈夫。専門家のためのイラスト入門

 法律、経済、医療などの各分野の専門家の「頭の中」を「分りやすくアウトプット」できる時代がこれば良いなぁ・・・このようなテーマでnoteを描きました。いっときの日本のテレビ番組、ビジネス書を中心に、薄い内容をわかりやすく解説し、これを見て大人が満足するというブームがありました。しかし、時代はこのようなレベルはもう求めていないでしょう。
 しかもおそらく各分野の「専門家」たちも、このような時代の流れ

もっとみる
<絵には「自分」が出ちゃう話>

<絵には「自分」が出ちゃう話>

まだ私が漫画を本気で目指すようになる前から、何年も続けさせていただいている絵仕事がある。

小さな冊子の小さな挿画を、年に1、2枚。

見本があって、冊子の編集スタッフの方がほぼ趣味で描かれていたという過去の挿画を参考にすることになっている。

ゆるキャラのようなシンプルなかわいいイラストを、なるべく似せつつ新しい情景や場面を描き起こす。

数年前、その絵を描かれていたスタッフの方が退職されるとき

もっとみる
自分の青色の絵について本気出して考えてみた

自分の青色の絵について本気出して考えてみた

こんにちはー。桜田です。
今回は僕の空のイラストについてお話したいと思います。

新海監督の影響を受けまくってここまでやってきたので、綺麗な空や美しい風景を描けるようになりたいなとそれはもう常々思っていたわけです。
中でも青い絵に関してはたくさん描いてきたのでいくつか紹介していけたらと思います。

1.濃い青色を多用する。
今から7年~10年ぐらい前の絵になります。
この頃は紺色や黒に近い濃い青色

もっとみる