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ネガティブな体験を避けるほどストレスが悪化してしまう理由

介護でも仕事でも、どうしても嫌なことって起こりますよね。

「嫌なことからは距離を取って、毎日平和に暮らしていきたい」
そんなふうに思う人は少なくないと思います。

しかし、嫌なことを避けることで、逆にメンタルに悪影響が出てしまうのです。
嫌なことから生まれるストレスに強くなりたいなら、「受容」の精神を育てながら、人生のリアルを積極的に受け入れていくしかないのです。

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嫌なことから目をそむけ、ネガティブな感情から逃れようとすると、下のようなことがマイナスの心理的なメカニズムが働きはじめます。

① イライラや不安から目をそむけて、「ないもの」としてあつかう。
② ネガティブな感情を強引に抑えつけるせいで、逆に「イライラと不安」に意識が向かう。
③ 意識が向かったせいで、ネガティブな感情が必要以上に誇張される
④ ストレスがさらに悪化する。

このように、嫌なこと・ネガティブな感情を避けたせいで、逆にストレスが悪化してしまうわけです。

近年の心理学では、このように嫌な体験を避けようとすることが、メンタルを病む最大の原因のひとつだと言われているそうです。
日々のストレスが大きい人ほど、自分の「緊張感」や「不安感」を認めるのが苦手であることが研究で明らかにされています。

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介護で思うようにいかないことがあったり、仕事で嫌なことがあったりしたとき、私はいつもネガティブな感情をなくそうと努力します。

それでうまくいくこともありますが、多くの場合、結局ネガティブな感情を思い出してしまって、さらにストレスに感じる結果になってしまいます。

それではダメだということですよね。

うまくネガティブな感情を受け入れ、自分の内面に起きた変化をただ受け入れるように努めることが必要なのでしょう。

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とはいうものの、そう簡単にネガティブな感情を受け入れられるようになるわけではありません。
受容の精神を育てるためには、それなりの努力が必要です。

その第一歩として、「ニーバーの祈り」というアメリカの神学者ラインホルド・ニーバーがつくった詩の一節をご紹介します。

変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。

変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。

そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

アルコール中毒や神経症の治療でも、セッションを開始する前にニーバーの祈りを患者に暗唱させるそうです。
治療の前にこの言葉を頭にたたきこみ、ネガティブな感情を受け入れる土台をつくるというわけです。

嫌なこと、嫌な気持ちを受け入れ、ストレスを減らして心穏やかに生きていくための第一歩が、このニーバーの祈りを頭に入れることなのだと思います。

参考書籍


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